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オトメチカ  作者: 感 嘆詩
第2章 延胡索
32/54

神業だけどその7!!

「モカ姐さん、どうしたのですか桜木の下で黄昏て」



 白昼夢みたいな千日紅(ちかく)・オミナエシモード・師匠との密談後、他の皆様に倣って私も夜逃げの支度をしていたのですが、庭園の隅に座り込むプライベートモカ・獣人従者モード・姐さんをお見かけしてこうしてお声かけしているわけですね!



「この桜、我輩が植えたのだぞよ。まだまだ、尾長は衰えず、むしろますます栄えていくのだと」



 青々と葉をつけた桜の木を見上げながら、モカ姐さんが嘆いています。大きな木ですね。他所から植え替えたのなら、人手も専門家も大勢動かしたのでしょう。財力と権力の誇示にうってつけの派手な事業だったのでしょうね。

 ……植え替えの魔法、後で聞き出さないといけませんね。薄い本(スマートホン)内の図鑑埋めが捗りそうです。



「どうしてこうなったんじゃろ。柴犬(シバ)千代古(チョコ)殿、馬鹿の笹々(サササ)に裏切り者の桔梗(ベルフラウ)だって。あの頃は、金はないけど夢でいっぱいだったのに」


「思い出の品だけでも包まないと、時間切れで更地になってしまいますよ。気をしっかり。まだ人生はつづくのですから」


「ははは。そうじゃな。まだ、まだまだつづくさ」



 少しは気が紛れたでしょうか?モカ姐さんは、魔法少女サークル御簾の帽額(カーテンヴァランス)の暗殺者魔法少女夏都(ザナドゥ)シダレモモさんを打ち負かした強力な味方ですので、ベストコンディションで今後も活躍していただきたいのですが。



 ゴーン ゴーン



「あ、鐘が鳴りましたよ!時間!茶器が!師匠の茄子色が!モカ姐さんも急いで物色してくださいね!」



 皇孫珊瑚蛇(コーラルコブラ)さまから言質をとってて手間取りましたね!あの茄子色の名器は師匠に良く似合う。

 この梟臭(きょうしゅ)の城に集められた伝来国宝の類いは皆、曰くに血塗られもはや帝室に納められないほど《貶められた》ものばかりらしいのです。お外で梟首になってる元城主柴舟雁金さまが、そんなかつての名物たちを憐れんで収集していたようでした。

 師匠の魔法でこのまま土に還すくらいなら、いと徳高き魔法少女の普段使いにしたほうが、旧国宝たちも報われるというもの。これは、浄財。浄財なのです。貶められた龍帝の権威と国宝、両方を偉大な千日紅(ちかく)師匠が浄化してやろうというのです。

 ふふふ。薄い本(スマートホン)書架(ストレージ)を悪用すれば結構な量の生活用品(ツール)を収納可能なことはピクシー部啓示板先輩方の叡智で確認済み。

 私が、私こそが魔法少女衆千日紅派開祖、五月女乙女です!!

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