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オトメチカ  作者: 感 嘆詩
第2章 延胡索
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神業だけどその2!!

「確かに、此方(こちら)から西へ向かえば、ここらの軍閥の根城ぞよ。歩けば半日。此方(こなた)の契約モンスターに乗れば2時間ほどで着くじゃろけども、はぐれた仲間たちを探さんでよいのか?」


「おじいちゃんの事だ。上手いこと潜伏してるだろう。下手に合流して目立つより、山を降りてこのまま軍閥の頭を狙うよ。てか、タタリモッケってやっぱり速いんだね」


「砂糖市の座頭どのか。あの年で良くやるよな」



 口調だけは尊大なモカ姐さんですら敬称で呼ぶ砂糖卸諸類群(スイーツ)の武装商人さんをおじいちゃん呼び。そう言えば商人さんも千日紅(ちかく)師匠を先生呼びしていました。やはり師匠、ただ者ではないですね!




 斬首作戦よろしく軍閥の頭を刈り取るために、師匠、プライベートモカさん、私の三人で闇夜に紛れ、根城たる梟臭(きょうしゅ)城の近くへ降り立ちました。現在、川沿いの葦の中に隠れて密談中です。



「賊軍の大将は柴舟雁金。龍帝(ナーガ)の宿老だった男じゃ。主筋に牙を向くとは、獣は獣じゃの」



 罵倒のつもりでしょうが、獣人さんは祖霊(トーテム)に誇りを持ってるので獣らしいと言われたら喜ぶのではないでしょうか。



「よし、居場所も目処がついたし、あとは摩天楼(ビルディング)で爆撃して終了だね」


「城は無傷で奪えぬか?」


「ふむ?」


龍帝(ナーガ)の、氏族連中を匿いたい。正統後継のくせに弱小勢力でな。由緒ある梟臭(きょうしゅ)の城を拠点に出来れば、立て直せる。かも。いや、多少壊す分には修復できるんじゃが更地にされるとな。なんとかならぬ?」


「ふむう?夜目か鼻が利く連中ばかりだ。空から侵入は駄目だしな。川を進むか。お城貫いてたよねこの川?……あ、そうだ。ふふふ。とっておきがあるんだった。引き出せ シンキロー」


「どららー」



 師匠が召喚契約したモンスターのシンキローさんが、制限時間付きで被造物を生み出す力を発動。馬車ほどの大きな、これは、舟でしょうか?川に不思議乗り物を出現させました。摩天楼(ビルディング)ほどの大きさではないので一瞬で消える、ということは無いでしょうが、しかしこれくらいのサイズですと制限時間は短そうです。



「これは空穂舟(サブマリン)さ。水の中を潜って目的地まで向かえるんだよすごいだろう」


「凄いぞよ。しかしこれ、船底が川底についてるから潜れんぞい。これも座礁と呼ぶのかの?」


「むう、海なら無敵なのに」



 確かにこれでは進むも退くもままなりません。早くも暗礁に乗り上げました!



「むう。仕方ないか。引き潮満たせ シンキロー」



 師匠が何事か唱えると、川の水位がみるみる上がっていきました!自然すら操る、地母神のごとき所業です!神の御業!

 その素晴らしき女神は、空穂舟(サブマリン)の脇に付いている梯子を上り、上げ蓋を開いてその内側へと私を手招き誘いました。



「急いで乗ろう。この川の水、一気に海まで流れていくから、お城近づいてきたら上手いこと乗り捨てるよ」


「はい!例え火の中水の底!」


「無傷で奪えるかのう?これ」

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