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オトメチカ  作者: 感 嘆詩
第2章 延胡索
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業腹だから罪科裁く!!

モカじゃないよ木瓜(もっか)だよ

キュウリじゃないよ木瓜(きうり)だよ

クソボケじゃないよ草木瓜(くさぼけ)だよ

「ハァーッハァーーッ、ハ、ハハ、ハーハッハッハッ!そ、想定内、こんな事は想定内なんですよ森田千日紅」


「むぅ。あれを生き延びるとは。敵は恐ろしい手練れだ。気を引き締めて乙女ちゃん」



 暗殺者魔法少女の夏都(ザナドゥ)シダレモモさんを筆頭に、土まみれの女の子がいっぱい出てきました。全員魔法少女なのでしょうか。あんな攻撃を受けて生還しているんなんて、魔法少女、凄いです。



「もう一回、摩天楼爆撃をしかけよう。乙女ちゃん、振り落とされないよう」


「はい!師匠!」



 フクロウ型の大きなモンスター『タタリモッケ』ちゃんが羽ばたき、再び風に乗ります。

 私も直ぐに布を食み、加速に備えます。



「まてー!まてまてまて!我々は!《パジャマパーティー》を開催する!」


「「「スタンバイ、オトメティクス」」」



 土まみれの女の子たち、シダレモモさん、そして私と師匠、全魔法少女の口から魔法少女の宣言が発せられました。


 土汚れごと戦装束が光る粒子にかわり、お相手さんたちは変身していきます。

 何でしょう、この感覚。三途河国(トライビアリヴァニア)のクーデター中の、シダレモモさんと決闘した時とはまた別の肌触りに戸惑いました。



「この質感。……これは、団体戦、ですか?」


「へぇ、そんな機能があったんだ。発見した?いや、開発したのか?」



 千日紅師匠は何事か関心しつつ、手慣れた所作で可愛いらしい衣装へと服を置換していきます。

 よく見ると他の魔法少女の皆さんも、各々の仕草と見得(決めポーズ)を決めてスタンバイを完了していきました。

 ベテランって感じで格好いいです!



「余裕の態度も今のうちですよ森田千日紅!私の強力な腹心たちを紹介しましょう!この団体戦(パジャマパーティー)、我々とあなた方の戦力差は4対2!勝ち目はないぞ!さあ、名乗りを上げよ同志たち!」


「衣装の意匠は月桂樹。花言葉は『裏切り』。

 (スマートホン)表紙(待ち受け)は畳。死ぬ時はお布団の上で死にたいですねぇ。至福(マカローン)ロールリエ、参ります」


ああこれは なんとも甘美 ゲッケイジュ

被ってよし

煮詰めてよし



「衣装の意匠は彼岸花ぁ。花言葉は『独立』。本の表紙は刑場!親父の死に様を忘れねぇ。死人花(しびとばな)ジーパングッド、参る!」


悲願とは 掛詞だぜ ヒガンバナ

僻んでるのは

内緒なんだぜ



「衣装の意匠は天竺葵(ゼラニウム)。花言葉は『真の友情』と『偽り』。本の表紙は村祭り。手品芸(ジャグリング)をまたみたい。巌窟王ケイブオブゴッドホープ、推参」


紅白の チカチカ映る ゼラニウム

この手に持つは

お花か銃か



 何でしょう。全員、裏切りそう!


「……大丈夫?君の腹心三人、凄く不穏だけども」


 師匠も同じ感想を抱いたようです。知らない人を悪く言うのはよく無いとは思うのですが、その、悪そうな方たちです!



「そして私、夏都シダレモモ、参る!!」



 何だかちょっと自棄っぱちに見えますシダレモモさん。あ、これも私の偏見なんでしょうか!?



「森田千日紅、参る」


「五月女乙女、参ります!」



 あ、何故だか名乗りを省略できました。良かった。師匠の前で眼球宣言という、恥ずかしい思いをせずに済みました。



「4対2だ!絶対絶命だぞ森田千日紅!お前だけはここで確実に仕留める!!皆っ、全力だ!!共に行こう《シェイプシフト》!」


「うふふ。至れり尽くせり《至福者の島(マカローンネーソイ)》」


「咲いて裂いて割けろ!《剃刀花(キツネノカミソリ)》!!」


「《待て、(ケイブイ)しか(ン、)して希望せよ(ホープインゴッド)》」



 相対する4名の魔法少女から、魔法や、何か、その応用によるとっておきが発動しました。

 それらの暴力は、あっという間に私たちの元へ殺到し蹂躙していくでしょう。



「ふむ。こと此処に至ったなら仕方ないかな。復唱しろタタリモッケ。《真名書(まなが)き》終食(ついば)め、()……」


「ちょーーーっと待ったーーーーー!!」

 

「何奴!?」



 シダレモモさんが声の方向へ誰何。すかさず師匠へ睨み付けます。おお!師匠のお知り合いが助っ人に!凄い!劇的です!

 遥か上空から現れ、摩天楼によって耕された地面も何のその。華麗に着地して見得を切る(決めポーズ)。燃えるような真っ赤な衣装にはゴールドがブレンドされていて、すっごく派手です!



「足し算の美学ですね!さぞ名のある方とお見受けしました!何とお呼びすれば?」


「いや、知らない人だね。誰だろう。そもそも何処から入ってきたんだろ?」



 知らない人でした!師匠の知らない人で、シダレモモさんが知らない人で、もちろん私も知らないならば、本当に何奴です!



「じゃじゃーん!衣装の意匠はモカ!花言葉は『情熱』。正義のヒーロー、プライベート・モカ!拝謁を許そう。苦しゅうないちこう寄れ!」



 凄く偉そうな方です!何者なんでしょう!

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