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オトメチカ  作者: 感 嘆詩
第2章 延胡索
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ウリ科3!!!

「ここは、昔は人の手が入っていたみたいだね。これとこれとこれ、あ、これも食べられるよ。……ああ、いや、これは下処理が面倒なんだっけな。何だこの芋。何で手間かけて色んな加工してるの?へぇ、そう」



 流石は千日紅(ちかく)師匠。次々と野草から山菜を見分けていきます。

 私も生薬として有名なもの等は知識がありますが、地元で食用にされているような、図鑑に無いものは全くの門外漢なので、冒険者の先達として頼もしい限りです。

 あと、なぜ賊の所へ真っ直ぐ出向かず山菜採りをしているかというと、全然賊の痕跡を見つけられず、どんどん迷って遭難しているからです!消耗を抑える為にも、お腹に入れれられる物を調達しているのです。出来れば茹でなくて良い手軽なやつを!

 千日紅師匠は、明日の昼には全部解決してるから大丈夫。とおっしゃってましたのでまあ 大丈夫です!!



「あ、キウリは生で食べれませんよ。口の中が

 大変なことになっちゃいます」


「キュウリ?これもキュウリなの?」


「いえいえ、それはキウリです。別の食べ物ですよ。ツル植物じゃなくて、木本植物に生るウリの様な果物なので木瓜と呼ばれています。冬の終わりに咲く花は、とても綺麗なんですよ」


「へぇ。私、視て知ってるだけだから、知らなかったよ。だからみんなコンポートにしてたんだね」



 休憩中、せっかくなので魔法少女の薄い本(スマートホン)で、各種山菜の全草を撮影、処理の仕方や見分け方を師匠から聞き取り、メモを画像に添付していきます。

 この薄い本(スマートホン)、またの名を契約の魔道書は本当に便利ですね。レポート作業が格段に捗ります。



「使いこなしてる。そう言えばキキキに色々教わってたね。何だっけ。この本、日記とか交換できるんだっけ?」



 そうでした!この薄い本の機能、昨晩まで一緒にクーデターに参加していた三途河国(トライビアリヴァニア)の冒険者、猫獣人のキキキさんに沢山教わったのでした。

 間違いや地域差によるズレもありますが、多くの魔法少女の先輩方の集合知がこの小さな本に詰まっているのです!

 調べ物も楽々だから便利でしたが、今この時こそその知識を利用する時ではありませんか!なぜ気付かなかった私!



「そうだね。私個人の知識なんてせいぜい、視たことがあるものでしかないから。サバイバルに必要な知識を引き出して欲しいかな。絶賛遭難中だし」


「おまかせください!今ざっと検索しただけでも、山岳遭難の体験談が200件、うち3件ほどはそのまま3年以上生活して大パズり(魔神パズズの放つ熱風と病原の様に、人口に拡散するの意)している人気コンテンツになっています!」


「どういう状況。なぜ魔法少女がそうなっているんだい。……ちなみに死亡事例は?」


「0件ですね!」


「うーん。魔法少女だなぁ」



 正直、ついさっきまでうっすらと死を覚悟していたので、この事実に安心しました。

 考えてみれば、魔法により水や火の確保が容易で、頼もしい使い魔もいますから、魔法少女は只人よりずっとサバイバル能力が高いのですね。遭難は魔法少女の十八番です!

 よーし、賊どもを見つけ、神妙にお縄を頂戴させますよ!身命の保証は約束しませんとも!




「もしゃもしゃ。エグみ旨い。あれ、もう夕暮れ?……まさか全く辿れないとは思わなかった。賊は相当な手練れだ。あんまり手の内を晒したくなかったけど、夜明け前には全部(・・)使って襲撃かける」


「わかりました!露営のやり方は既に調べてあります。少し戻った所にちょうど良い立地があったはず。そこで仮眠しましょう。カエルさんは不寝番お願いしますね!私達はぐっすり寝ますので!」


「ゲコォ!?」



 全て使ってとおっしゃってました。師匠の全力の魔法、楽しみです!

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