速記
文字起こし
君は一体誰なんだ
そう言われて前を見るとそこには
妙な女が立ってい
た家私はあれです
そう言われても全く見覚えがない不審者
だろうか
携帯に手を掛けるといややめてください
どんな
君は一体誰なん
だそう言うと目の前の女がこちらを見て
いる
何だろうか
胸元に手を入れている
一体何をそのつもりだろうか
私は
じっと見ていると
なんと
押し切りを出し始めた
なんということだろう
かその小さなナイフはこちらへと向いて
いる
どこから入ってきたんだ
私は
急いで逃げようかとも考えるが
獣というものは後ろ向きに逃げれば
追ってくるというもしこんなところで襲わ
れてしまえばひとたまりもないだろう
私はそう思いながら
ゆっくりと相手の目を見
たまあそれを起きなさいしかし
奴はこちらをじーっと見ている
まるで黒目一つしかないようなそんな瞳だ
恐ろしいそう思うが
逃げ場はない
廊下まで出るのに5mもないだろうしかし
その5mの間に私は何回か刺されてしまう
そんな妄想がいや空想が私の頭によぎる
なんということだ
あたりには人がいるはずだしかしここの
場所には私と
奴2人しかいないなんということだろう
か何が目的なんだ
奴に聞いたするとこちらをじーっと見て
あなた
宝くじ持っていますよね
奴はそう言った
宝くじ
私は
ギャンブルと宝くじ
パチンコもやらない主義だ
持っているわけがない
いや何か
勘違いをしているんじゃないか調べたいん
なら調べればいいするとやつは
ヒステリックに叫んだあなたが持っている
のは知っているんだ知らないしかし
奴はそういうのである
調べれば
いいするとやつはこちらはまたその黒一色
のような人見てい
たあなたが買っているの私は見たんですよ
何か勘違いをしているはずだ私は先ほども
思ったのであるが
宝くじは買わない主義である
あなたは何か大きな間違いをしている私は
宝くじを買うような主義ではない調べて
もらえばわかるそれは現金で買ったのか
カードで買ったのか私は現金は持たない
主義である
現金です
私はそれを聞いていよいよ納得したそして
財布を奴にホール
奴はそれを横に避け
た何ですか見てみろ俺はカードしか持た
ない時期
奴は逃げないでくださいねそう言って
軽くしゃがんでそれを掴むと私に目を
合わせながら
財布を開いた中にはカード1枚それ以外に
は何もないのである
そんなバカな
奴はそう叫んだ
叫んだが私にはやはり関係がないという
こと
奴もわかったのだろう
私は知らないと言ったはずだしかし奴は首
を振る私は見たんです絶対に見たんです見
間違いだろう私は
宝くじは買わない式だもう一度奴に言った
これはダメ押しというやつだ私は絶対に
ギャンブルはしないのである
しかし
奴はそういうとまた何かを取り出した私は
危険物かと思ったがそれは視覚へそれこそ
箱のようであり板のようでありいわゆる
携帯端末というやつだなんだ何を見せよう
というのだいや
警察かだったらこっちからお願いしたい
ものだ
何を見せたいんだ私は奴に言っ
いえこれ
そこには動画が上がっており
奴が指でそれを押した動画が再生される
CMが終わり動画が始まっ
たそれは雑踏の中
宝くじ売り場が移されており
ちょうど誰かが何かを買っている
宝くじ売り場なのだからそこでネギを買う
ような人間はいないだろ
私はそんなこと思いながら
じっと見るこれが何だというのだどうせ私
とはそこまで言葉が出て
困るそれは私であっ
たなんということだろうかそんなことが
あり得るわけがないしかし現にそこにある
のは私である私は
財布を開いてお金を出してそして宝くじを
買っている
しかしもしこれは空にもしか私自身だから
としてもなぜ奴はその映像を撮っているの
かまさか
宝くじを買った人間全員を見ているという
わけでもあるまいいやこんなおかしなこと
をするんだそういうことがあっても
おかしくない
しかしもしだとすれば私が買ったという
ようなものに見えるこの映像に映っている
宝くじの番号というものがまさか当たって
いるというのだろう
かあなたは何がしたいんだ
これあなたですよね
奴は言う
奴は言うがそれが私だという確証はないで
はないかなくったとしても私だという確証
が実はあるのかもしれないしかしやはり
わからない
私は見たんですあなたがほらこれ
奴は動画をズームし
た小さな
紙切れがどんどん大きくなる
当たりくじだというのがしかし君を見た
だろう私はカードしか持たない主義だ現金
という時点でほら見てみろこの財布私のと
は違うじゃないか
しかし奴はこっちじーっと見る
私もおかしいと思う私はずーっと鏡を見る
ような歌詞ではないかしかしどこからどう
見ても自分自身なのだそれこそちょっとし
た仕草からなんから
私自身なのである
しかし
あなたもしかして
何か
弟さんや妹さんが
双子だったりするんですか私は首を振る
一人っ子であるもし生き別れなそういう奴
がいたとしても今まで見たことはない見た
ことはないというのはつまりそういうこと
だ
いるかもしれないがしかし会ったことが
ないそしてそんなこと考えたこともない
行くとしたらもう片方の方であろう
奴はしばらく下を向いたがそれでもこちら
にナイフを見ただとしたらその人を見つけ
てください私はお金がいるんです
果たして何という強盗であろうかあるかも
わからないものを
果たして君本当にそれは当たっているのか
いこういうことをするということはそれ
なりには切羽詰まっているのだろうそう
いう人間は大抵間違いを犯すものだ
しっかり調べたのかい番号は
彼女は急に慌てたように調べました調べて
だから
私は新聞を取り出す確か今日が発表の日
だったはず
だその画面の映像私は一瞬にして記憶して
いるその程度は大手のものというもの
だ新聞を開く
そんなものは載っていない
おかしい
奴は何を見たというのだ乗っていないじゃ
ないか
いえ私はその数字というもの
奴に新聞を投げるするやつはそれを
受け取ろうとして落とした同種らしい
やつはとっさのことだそれを拾おうとした
時の私はナイフを落としているのを気が
ついたそれをサッと取る
君
出直してきたらどうなんだ
いデノースってしかし私はお金がいるん
です
お金がいるにしたって私の方がナイフを
持っている
君はナイフを持っていないそれとも何か
格闘の経験でもあるのかい
やつはこちらをじーっと見ているお金
果たして何を彼女がそんなにお金が必要な
のだろうか
私はそう思ったがずーっと彼女を見て
帰りなさい
しかし奴は動かない
警察を呼ぶぞ
しかし奴は動かない
何がしたいんだ何を求めている
本当にそれが俺だと思うのか
奴はこちらをじっと見ている
やけに黒目が大きい
宇宙人かと思うがそうではない
瞳孔が開いている
暗いせいか
私は
立ち止まって彼女の方を見て
君や
何に困っているんだ
するとやつはこちらに
携帯をまた出した当たっているんですいや
当たっていない
新聞にはその数字は載っていなかった
だろう
宝くじが違うんですそれしか今日はやって
いないしその絵柄はこれとあっているほら
見たまえこの文字
やつはそれを見ているしかし本当に理解し
ているんだろう
か私は暇じゃないんだいいか
い君は一体何に困っているん
だ奴はこちらを見た
お金がいるんですそれはさっき聞いたんだ
お金がいるんです
また同じこと言っている
何のお金がいるんだまさかお金が欲しいと
いうだけで使うなんてことはないなんて
ことはないだろう
奴は繰り返すお金がいるんです
誰に言われたんだ
お金がいるんです誰に言われたんだ
なんと無益な時間であろうか
まるで操り人形のようなものだ
私は
奴をじっと見ている
まるで人形のように目が動かない
行動の一つ一つも
繰り返されるマリアネットのよう
だいやからくり人形と言った方がいいのか
もしれない
一瞬本当にどこからかアンドロイドとか
何かが逃げ出したのかと思ったがそんな
ハイテクな時間ではない
私は時代錯誤も甚だしその光景を見ながら
もう一度言った
お前は何を望んでいるん
だ奴たちじーっとこちらを見て
お金がいるんですと言った
あたりは暗くなっていく形勢は完全逆転し
たとはいても
奴は動こうとしない
触ろうとすれば噛みつくかもしれない
私は
廊下を背にしている
あたりはノゴも少し暗くなってきた気が
する
一体どれくらいの時間をこうやっているん
だろうか
時計を見たがそれが一体いつからなのか
どうにも理解できない
君
は何を求めているんだ
い老化はそっちだ出ていったらどうだ
そう聞くが
奴の目は
暗い中でもランランと光っている
ご飯が食べたいのか
奴は首を振っ
た宝くじの
紙が欲しいんです
それは何に使うんだ
奴は
じっと見ている
それはどこから聞いたんだ
奴は離さない
私は
辟易してきた
本当に警察を呼んだ方がいいのではないか
もしくはそれこそ病院から抜け出してきた
という可能性もあるんではないか
私は何かしらそういうニュアンスを考え
始めた
粗暴というような感じはしない
まるでパニックを起こしているようでは
あるがしかし同じことを繰り返している
君は名前は何て言うんだ
奴は首を振ったどういう意味だろうかない
なんていう意味なのだろう
そんな時
背後で音がし
たピンボーンとチャイムがなる
宅急便である
私はいそいそとそちらへと向かおうとする
待ってそう言われた
またチャイムがなる
私はどうすればいいのだろう
かじっと
立ち止まっていると
出てもいいよと小さい声がし
た私はそのまま
逃げても良かったか
荷物を受け取って戻ってき
たそれください
奴はそういう
まさかそんな手品みたいな話があるん
だろう
か私は
箱を渡そうかどうか
はよ宛名を見たがどうもそこに書かれて
いる名前というものに見覚えがなかっ
たそれください
奴は
いい私はどうしようかと迷ったがしかし
開けていいかそう聞くとやつは首を振っ
どっちの意味だ
私はそうは思ったがそれを奴に放っ
たやつはまるで一心不乱にそれを開け
たビリビリと
静かな部屋に音だけを響く
中から出てきたものは何やら
髪に包まれており
その
箱の大きさにしてはやけに小さい
その長方形の封筒を開けると
中から一枚の紙が出てきた
それはどうもあの宝くじによく似ているん
である
それは宝くじじゃないのか
私はつい声を出した
奴はこちらを見たがすぐにすいません
失礼しましたそして出て行こうとする
ちょっと待ってそれは俺のものじゃないの
か
奴はこちらを見ないちょっと待て
私は奴にナイフを向け
た何でお前はそれを持っているんだそれは
誰のだ誰から来たんだどういうもの
奴は
箱を持っている
しかし
もしもそれが先ほどの写真の通りであると
いうのであれば
あの動画の番号は外れている
ここで
力を押して聞くというのもまた一つ無意味
なのではなかろう
かどうするん
だ奴に聞いた
別に
そういったやつは
一歩あと一歩と歩き出す
待て
待て
私のナイフが小さく震える
これは俺のものではない
しかし
どこか見覚えがあるような気がし
た待てそれは痛い何なんだ
なぜ俺の子供が届いたん
もう一度言うしかしやつはとどまら
ない一方まだ一歩
私の横を通り過ぎた待ってくれ
私はつい
腕を掴んだ
やめてください
そう言われる
私は力を込めた待ってくれ
それは一体何なん
だ奴はこっちを見る
その
まるで魚のように
黒一色の目がこちらをじっと見る
話してください
私は
腕を離せなかった
何をしに来たんだ
それは一体何なん
だ奴はそれでも歩こうとする
ピンボーン
またチャイムが鳴っ
た扉は開いており
こちらを誰かが覗いている
それ
はどう
も私はよく知る顔のような気がし
た田中さん何やってるんですか
いや実は私はナイフを持っているのに気が
ついて
脇に置い
た実は
そこまで言ってなんと話していいのか
わからなくなっ
た実は
そう実は
横で彼女が歩いて出してしまった
ちょっと待ってくれそう言おうとしたが
どんどん歩いて行ってしまう
やつはそう言って
脇に連れている
それがあれが
私は富男でしたが言葉が思い浮かばない
奴は階段を降りて行っ
たそれで何ですか
喧嘩別れですか
奴はそういう
しかし
私には今何も残っていない
それから数日後私はあの動画を探していた
それはいわゆる個人的な動画ではなく
投稿された動画なの
だ何度も何度も探すあの時何という題名で
探されていたかそしてあれが一体どういう
歌を選ぶのか
私は何日も手伝いのような日々を送った
そして
ようやく見つけた明らかにそれは私の顔で
あるしかし
私は
じーっとそれを見る
果たしてどういうことだろう
か反射する鏡に何かが映っているそれは
どうやらカメラを向けているその本人
らしい
それはどうも
あの時の女に違いない
奴は何を思ってこんな動画を
その動画の
投稿主を探そうとしたが
動画はこれ1本であり他に動画はない
そしてどうもこの動画を開けた人物なのか
どうかさえ
わからない
私はコメントを打っているこの動画は何
ですかしかしそれに
返信が来ることはなかっ
た時間はどんどん過ぎていく
季節は変わっていくしかし私はあの
吹っ切れないような感情だけがまだ未だに
ぐるぐると
渦巻いているん
だある時私は
宝くじ売り場の前にい
た欲しいというわけではないしかしこの
イラつきをどうにかしようと考えたとき
宝くじは何なのかと思い始めたの
海外ではその
計算式によって
宝くじを当てることに成功したという人間
がいるというしかし実際問題それはそう
いう形式で
宝くじを売っていたというだけでありそれ
が全てに当てはまるわけではない
運なのかそれともただのギャンブルなのか
私は1枚その宝くじを買っ
た360円です
そう言われ私は
財布を出そうとしてふと止まっ
た財布がないのである
落とした
そのて急いでもう一度探したしかしない
すいません
財布を忘れてしまったよう
で私はそう言って
売店の前を立ち去っ
たしばらく私は
財布をいろんなところで探したがどうして
も見つからない
どういうことだろう
そんな折に
私は駅前で
妙なものを見
たそれはホームレス
らしき男が
じっとこちらを見ている
何なんだろう
か何かを言うこともなくこちらを見てるん
だどうしましたか私はそう聞いたが
やつは何も言わずこっちをじっと見ている
あんた
これを知ってるか
い出されたものを見て
私は
妙な感覚に襲われた
それはあの動画に映っていた財布なので
ある
はい知ってますそれをどこで
奴はこちらを見た1万円だ
私はつい
1枚も出して
奴からその財布を買ってしまっ
た早足に家に帰る
そして開くと
千円札が入ってい
たあとはなんということもない財布なので
あるただあの動画では全てが確認でき
なかったその財布は今手元にあるん
そう考えればその財布のメーカーを調べて
も良かったかもしれ
ないしかしあまりにも内容がなかったいや
情報がなかったのである
私はじーっと財布を見る
まるで
有名人のサインでも貰ったような気分だが
こんな無価値のものもないだろう
私はその千円札を見ながら
表に出ていた
そしてあの
映像に映っていた売店に私は立っていた
よく考えると
あの時着ていた服のような気がするいや
時刻まで同じのよう
だあれは今現在の映像だというのであれば
未来の映像だということになるしかし
そんなわけはないなぜならあれは過去なの
だ私はその繰り返し
現代風で言うのであればそれは
聖地巡礼というでもあるんだろういや
コスプレだろうかいや私自身なのだ
売店で
千円札を出して
宝くじを1枚か
そして出された紙を見て私は驚いた
同じ数値なのだ
どういうことだ
いやしかし登録者の数字は
私はそれを受け取ると家に帰っ
たガチャ
扉が開く
私は中に入って驚く
見覚えのある姿があるん
だあのすいません
宝くじ出してください
それはあの女であったお前は一体何なんだ
何がしたいん
だ宝くじ出してください
私は
立ち止まる
やつは
ゆっくりとナイフを取り出した
あの時と同じさ
そのうち
宅急便や
もしかしたらあの時の友達が来るかもしれ
ないしかし
一体何なのか
私はもう一度聞く
お前は何が望みなん
だ奴はこちらを見て
宝くじください
そう私に言っ
た私は胸元から
宝くじを取り出し
た奴はそれを受け取ろうとする待って
これが一体何なのか教えてくれたらいくら
でも渡そう
今日は宝くじの発表日ではないしかし
どうせこれが当たるくじだと言うん
だ私は覚えているあの時の数字がこの数字
とあってるん
だ宝くじください
お前は何が望みなん
だやつの目は人形のように相変わらず動か
ない