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「ねえ、パパ。見てよこの動画チャンネル!」
「どうしたんだい、アイリス。ほう、これはこれは」
「こいつらがことごとくパパの邪魔をしてるんだよ。むかつくー」
「これ、アイリス。淑女たるものそんな言葉使いはだめだよ」
「はーい。それでパパ、どうするの? ハローフューチャーも再起不能なんでしょ」
「あの子も可哀想なことだね。まあ、独断専行しての自業自得だから。助けてあげる価値を感じなくなってしまったよ」
「いいざまよ。借り物の力でイキって、自己陶酔してたんだから」
「アイリス、言葉使い、だよ」
「はーい」
「それにしても、チャンネル名が『花鳥風月』か。開設してすぐに万バズしてるね。変な名前なのに。嗤えるね」
「もう、パパ! そこじゃないでしょ」
「わかってる、わかってるよアイリス。この女武者さん、いや花鳥風月さんかな。彼女にどうやら発生させたスタンピードをほぼ終結させられてしまったみたいだね。まあでも十分被害もでて、魂も沢山集まったからトントン、かな。存在進化の過程にいた上質なのも混ざってたしね」
「そうなの! それは良かったわ、パパ」
「アイリスは節約生活が嫌いだものね」
「もう、パパの意地悪。赤字収支になったら、またあの魂が削られていく日々よ。あんなのが好きな人なんていないでしょ」
「アイリスは大げさだな。たった数ヵ月の激痛だったろ?」
「そうだけど。嫌なものは嫌なの……」
「よしよし。ほらおいで」
「うん」
「今回はそんなことにはならなかったろ、アイリス。それにこの女武者さんの背後にいるシンギュラリティの特異点だって、パパがアイリスのためにすぐに滅ぼしてみせるさ。そしたらしばらくは黒字生活出来るからね。安心しなさい」
「うん。ありがとう、パパ」