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緊急配備

「クロ、オボロ。早川邸周辺の交通規制及び住人の避難は完了した。しかし、いいのか?」


 早川の家に急行する加藤たち一行。

 天躯で空を駆けるオボロの後ろにピタリと着くように黒雪だるま化したクロが飛ぶ。


 そのお陰で、クロに抱えられた加藤に吹き付ける向かい風はほぼなく。スマホで伝えられたダンジョン公社本社からの現状を、加藤は風に邪魔されずにクロたちへと伝えられていた。


「もう、間もなく到着です──これは……」

「どうした!?」

「……目黒詠唱がクロコの機体を完全に取り込んでいます。そうですか。それでユウト様の御元へと訪れたのですね」


 ユウトにこっそり随伴させているワケミタマドローンで早川の家の内部の様子を把握しているクロの独り言。


「──誰か、説明を頼む」


 困惑した様子の加藤にちらりと後ろを見たオボロが告げる。


「神たるユウト様の承認が欲しかったのさ。目黒はお礼状を持っているのだろう? それで神に願いを告げ、自らが正当な所有者であるという保証をもらいにきたのさ」

「それは……保証に、なるのか?」

「なるな。小賢しいことに」


 どこか諦めたようにため息をつくオボロ。しかしその口調からは、最初の敵意がやや薄れていた。

 オボロたち、ユウトに属するものにとって、ユウトの権威を認め、ユウトの元へと頭を下げに来るものは、その意図の如何に関わらず明確な敵とはしにくいのだった。


 それは絶対的な主をもつオボロやクロ、その他混沌たち特有の感覚であり、人である加藤とは決定的に異なる部分であった。


「──この小賢しさは、見覚えがあります。やはり目黒詠唱の背後に、誰か別の者がいる可能性が高まりました」

「それは……」

「──ユウトが目黒詠唱によるクロコの機体の所有を視認され、それをお認めになられました。残念ながら、今時点をもって今後、私たちからの直接の手出しは致しません。加藤、あとは人類の問題となります」

「え、うえっ!?」


 クロが、地面に降り立ちながら加藤へと告げる。

 ちょうど早川の自宅の前。


 そこへ、玄関ドアを開けて、目黒が現れた。

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