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ミッションコンプリートとその代償

「はぁぁーっ」


 ユウトに例の物を無事に手渡し、お裾分けの焼きいもをもらってきた目黒は、大きくため息をつくとテーブルに突っ伏していた。


「調達部も、どうしてわざわざ極薄のなんて用意するんです……」


 ユウトから早川を家に呼ぶ予定で片付けをしているとの情報を得た目黒は、急ぎダンジョン公社本部へと報告をあげたのだ。


 ただ、本部の双竜寺課長も加藤先輩も手が離せないとのことでつかまらず、指示を仰げなかった。

 それゆえ、目黒は自己判断で仕方なく調達部の人に物品の調達を依頼したのだ。


 そうして輸送部の人がバイクを飛ばして届けてくれたものが、ユウトへと先ほど手渡した物だった。


「ユウトくん、絶対あれ、僕の買い置きの品だと思ってます……。いつも使ってるやつだって。間違いないです……。あぁ。極薄……」


 テーブルに突っ伏したまま、バタバタする目黒。


「いくら、今、ユウトくんの周りいる大人が僕だけだからって、何でこんな時に加藤先輩も緑川先輩もいないんです……。こういうの渡すのって絶対、加藤先輩の仕事です。ああ……あれを渡すのは、ダンジョン公社としては、不測の事態の発生を予防するために絶対必要ですけど……」


 ガバッと起き上がると変な顔をして、頭を抱える目黒。


「ユウトくんから見たら、近所のお姉さんが普段使い用に買い置きしているのを、渡してきたってことですよね。しかもユウトくん、絶対僕のこと虫が大好物って思ってるんです。──あれですか。虫食べ過ぎて滋養強壮され過ぎてる人とか思われてるんですよ、絶対……」


 静かな室内に目黒の苦悩の叫びが響き渡る。


 この時の行動は後日、大量のベビーラッシュを乗り越えた双竜寺からは絶賛されるのだったが、いま一人でダンジョン公社支部にいる目黒の苦悩の叫びは、まだまだ続くのだった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] そりゃもう、大絶賛間違いないよ、より凄い赤ちゃんが生まれかねないし、母体がもたないかもしれないし
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