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レアモンスター?それ、ただの害虫ですよ ~知らぬ間にダンジョン化した自宅での日常生活が配信されてバズったんですが~【コミック三巻発売!】  作者: 御手々ぽんた
第四部 覇道

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参上!

「いぶ様! よろしいのですか!?」

「彼女達も偉大なるお方の僕。偉大なるお方は深いお考えがあって、彼女達を生み出したはず」

「そ、それは確かに」


 心配するように声をあげたA23に淡々と告げるいぶ。A23へと向けたいぶの眼差しに浮かぶのは、偉大なるお方への絶対の信頼。

 そのいぶの落ち着いた様子は、ドーバーナ達の言動に苛立っていたダークコボルドたちを自然と落ち着かせていく。


「彼女達は彼女達の役目を果たす」

「……そうですな。取り乱して大変失礼いたしました。さあ、お前達! 我々も自らの果たすべき務めを!」「はっ!」「ポーション輸送部隊、第一陣の出発準備、完了ですっ」


 そう告げたダークコボルドの傍には数体のモンスターの姿がある。

 テイマースキル持ちのダークコボルドによって馴らされた、多脚の馬型モンスターたちだ。


「スレイプニル達もいつでもいけますぜっ」


 二体のスレイプニルに一台の荷馬車が繋がれ、そこに作成されたポーションの樽がぎっしりと積まれている状態だ。その御者台に乗るテイマースキル持ちのダークコボルドが威勢よく応える。


「あのー。それって、乗せてもらえたりしますか?」


 そこに突然響く、人の声。

 あのいぶですら、驚いた様子でその声の方を勢い良く振り返る。その存在につい今しがた気がついたかのように。


 周囲を埋め尽くすダークコボルドの、誰一人として気づかれずに現れたのは、ぎゅっと自らの体に腕をまわして、もじもじとしている一人の人間の女性だった。


「あなたは──もしかしてハードラック?」

「はい。緑川円です。イサイサさんのいう通り、本当に私のこと、知ってるんですね……」

「どうやって……。今ですら、全く匂いがしないっ」


 驚きを、隠せない様子のいぶ。緑川は、少し首をかしげて考える様子を見せてから答える。


「えっと、たぶん幸運なことに、匂いの分子がたまたま、いぶさんの嗅覚受容体にくっついてないのかもしれません……」

「そんな可能性が極小な出来事が、ここにいる全員に起こった? ──そうか、イサイサ」

「はい。肩代わりしていただきました」


 いきなり高笑いする、いぶ。

 誰もが、そんないぶを初めて見るのだろう。ダークコボルド達は二重に驚いていた。


「わかった。──ハードラック殿はオボロを求めている。乗って」

「いぶ様?」

「彼女の幸運にあずかる。このポーションは何としても届けなければならないもの。途中、魂の簒奪者の邪魔も考えられる。これは我々にも千載一遇の幸運。いい? G323、H55」

「わかりました!」「さあさあ、座るとこ開けましたぜっ。緑川さん、おはやく。もう、出発しますぜっ」


 テイマーで馬車の御者も務める二体のダークコボルド──G323とH55に告げるいぶ。


「では行って参ります、いぶ様」

「うん。行って」


 いぶの声をきっかけに勢い良く飛び出すスレイプニル達。

 合流した緑川を乗せて、彼らもまた大穴の深みへと向かって進みだしたのだった。


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