表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レアモンスター?それ、ただの害虫ですよ ~知らぬ間にダンジョン化した自宅での日常生活が配信されてバズったんですが~【コミック三巻発売!】  作者: 御手々ぽんた
第三部 蠕動

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

139/319

脱落者

 タロマロは立ち去っていく二人の背を見送っていた。


 あだむによって課せられた、一日生き残れ、という課題は結局中断されてしまった。


 その原因。入り口を爆発するようにして入ってきたのはクリムゾンベヒーモスに似た、しかし二回りは大きな巨体だった。


 キングベヒーモス。


 名前だけはタロマロも聞いたことのあるモンスター。部屋に乱入するように現れたのは、ベヒーモス系の最上位種にして、ダンジョン深淵に潜むとされる、それだった。


 クリムゾンベヒーモスとは比べ物にならない威圧感。

 その姿を一目見て、今度ばかりはタロマロも、本当に死を覚悟したほど。それは他の探索者たちも同じだったのだろう。


 クリムゾンベヒーモスですら、恐れるようにじりじりと後退していたぐらいだった。


 ぬっと、部屋へと入り込んできたキングベヒーモス。次の瞬間、その前足を一振りする。

 すると、クリムゾンベヒーモスの頭部がザクロのように弾け飛ぶ。


 それは仲間割れですらなく。まるで路上の邪魔な小石を無造作に蹴り飛ばすかのような仕草。

 一気に部屋に臭気が充満する。


 恐怖のあまりピクリとも動けないタロマロたち。次は自分たちだと、嫌でも理解してしまう。


 しかし結局、そうはならなかった。


 そこへあだむが斧を担いで現れたのだ。クンクンと鼻をならしながら。まるで散歩の途中で立ち寄ったかのように気軽な様子で。


「あーあ。折角ちょうどいい弱いモンスターだったのに。きみ、台無しだよ?」


 まるでキングベヒーモスがいたずらをした子犬であるかのように。圧倒的格下に向かって告げる口調で話しかける、あだむ。

 キングベヒーモスはその言葉の内容は理解してはいないのだろう。ただ、その身から殺気を溢れさせ、あだむの方へ全力で躍りかかる。


 宙を舞う、キングベヒーモスの巨体。


 その巨体が地面についたときには、細切れに細断されていた。


 殺ったのは、たぶん、あだむだ。

 状況的にみて、まず間違いなく。

 ただ、タロマロの目には、何が起きたのかは全く見えなかった。


 そんな一連の出来事を経て、完全に自信とプライドがポッキリ折れてしまった者が二名いた。

 あだむの再度の問いかけに、立ち去ることを選んだのは世界ランクに名を連ねる者、二人だった。


 逆にアンジェは、タロマロたちとともに残る方を選んだようだった。


 そうして残った四名──乱子、グスダボ、アンジェにタロマロ──の顔を見回して、あだむが告げる。


「人間て不思議だね。残るのは一番から四番なんだ。まあ、いいや。僕についてきて。もう、ここには君たちが遭遇して生き残れるぐらいのモンスターが、残ってないから」


 とても不吉なあだむの言葉。タロマロは思わず立ち去った二人の、消えた方向を見てしまう。


 しかし、すぐにあだむが歩き出す。

 アンジェがタロマロの背を軽くおす。


「行きましょ? タロマロ」

「ああ」


 なぜか待っていてくれたアンジェとともに、タロマロは先にいく乱子とグスダボを追いかけるのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
アンジェたん、惚れたか
[一言] キングベヒんもス!
[良い点] クロコの暴走が目立ち始めた頃は面白くなかったのですが あだむ師匠の特訓編入ってからまた良い感じです。 [一言] タロマロさん…生きて
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ