空っぽ

作者：檸檬

プラットホームで

あなたの上着を着て

最終電車

ひとつ前の電車に乗り遅れ

ヒュールル　ヒュールル

寒い夜

けれどこんなにあったかい

袖の汚れを洗って返そう

シュードオードドド

急な向かい側の大きな音

私の心には静かに緩やかに

響いてくる

一瞬　銀河鉄道でタイムスリップ

電車の走行にあおられて

舞い上がったビニール袋

一瞬にして空気を中にはらんで

大きくふくらんだ

そして左右にゆれながら

またまたホームに舞いおりた

舞いおりた

あなたのもとへ舞いおりた

しずかに

ゆるやかに

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