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1. プロローグ
静かな時間が過ぎていた。
「真知……、ふふ」
「なに…かしら?」
「いえ、ついね」
「不自然ですよ。今日のあなた」
「変わらないですわよ。さあ、もう少し話がしたいのですが、そろそろ時間ですよ」
「ええ、今日は彼ね」
「定刻よ、行きなさい」
とある高層ビルの一室。
「今日は大事な話があるので呼びました」
「でしょうね。私を呼ぶことなんてないと思っていましたから」
「いやね、別にそんな昔トラブルがあったみたいな感じで言われても困りますよ」
「そういう設定ってなんかこうね。あれなんですよ」
「あれって言われても分からないのですがそれは」
「それはって何です?教えてください」
「教えてほしいのはこちらのほうです」
「あ、そうなんですか?」
「そうなんですかって、はあもういいです。闇音」
「あなたへのお願い事は単純です。新しくここに来るものをあなたに委託します。そして数か月の間だけでいいのであなたの住まいに預かってはもらえないでしょうか」
「ああ、そういいう感じのやつですか?別嬪さん期待していいやつですか?」
「ああ、そういう感じのやつって、あなたにしか頼めないのは悔しいものですね。あと、男の子なので悪しからず」
「えええ、男かよ」
「あきらめなさい」
「はいはい。で、どうすればいいですか?」
「それに関してはあなたに任せます。それと一つだけ言いたいことがあります。これが大事な話です。ぜひこれだけ覚えておいてください」
「はえ?」
間抜けのように返事をした男、この男は天川|闇音。天使だ。
目を覚ましたら、そこは白だけの世界………ではなく、ただ白い壁に囲まれた部屋にいた。
なんだこの世界。全くわからない。なんにも思い出せない。もしや誘拐?それのショックとかで記憶喪失になったとか?いや待て、もしや異世界転生の類のやつとかか。
しかし、自分が何者かわからない以外どうしてこうすうすう出てくるのだろうか。ご都合主義的な何かなのか。だとしたら今ここで私に課せられたものは贖罪か…。
「想像力が豊かなことだ。こりゃ」
目の前に急に現れた黒髪短髪の少しやせた男が話してきた。
「君さ、ちと失礼じゃないかい?しかも、ずっとそばにいたし、何ならしっかり扉からはいってきたからね。もしや君死ぬ前ライトノベルと呼ばれる書物の類が好きだっただろう?」
なんなんだこの男いちいち詮索するな。あと、記憶ないから覚えてない言うたやんさっき。
いや言ったのか?覚えていないな。こやつ、どうする?
「気がすんだか?そろそろ心の声が聞こえなくなるから本題に移らせてもらいたいのだが。ま。今からはなすんだがな。」
何を言うんだろうかこいつは。唾をのんだ。そして、また溜まった。
「汚いから飲み込んでね。じゃ本題に移るよー。」
少し息を吸い込んで何か落ち着いたかのように見えた。
「君は死にました。これは変わらない事実だ。君は死んだかもしれないが、君は死ぬ運命にある人間を転生界、まあ日本では天国というところに死者を導く仕事をしてほしい。拒否権ははっきり言おう。ないよ~ん。」
この男のテンションはどうなっているんだ。全く読めん。
「おい、聞こえてる言うてるやん。まあいいや。」
少し真剣そうにこちらを見つめる。あと、まあいいや多くね?
「死者を送るものである天使と屋ばれる存在に君はなるんだ。
君の創造する天使のように羽が生えたり、魔法と呼ばれるものは使えなし、存在しない。
天使というものについての細かい説明は後でゆっつくりしてやろう。
天使になるためには少なくとも修行が必要であるんだ。あ、必要があるんだ。学校のようなところに通う必要があるんだが、修行は1年で終わる。が、ここで問題が発生した。今回少しばかり天使になる者の数が多い。
寮があるのだが、今回その選考に落ちたものが数名いる。その中に君が含まれていたんだよ。そこでこの俺が君を1年間預かることになった。
理由は単純だ。家が近いからだな。あと、俺は天使局の職員でもある。まあ、理解が追い付かないのは分かる。俺もそうだったからな。」
うん、理解できん何言ってんだこいつ。夢なら、少しばかり複雑すぎん?でも夢な気がするし、抵抗してもこいつまあまあ背が高いから無理やり連れていかれそう。いや、夢ならここで抵抗すればいいんじゃないか。そうだそうしよう。
「抵抗しても無駄だよ。さっき言ったことを覚えているかい?君の記憶を書き換えることも可能なんだよ。こちらは」
え、いっちどもその言葉聞いていないよ。書き換え可能?こっわ。何そのご都合主義的超能力。死後の世界というものは怖いな。ほんと。ん。死んでいるなら怖くはないのか?
「おーい。そろそろ行くぞ空。」
「空?それは誰のことですか?」
「お前の名前だ。ここでのな」
「ああ、そうなの…ですか?」
「残念そうにするな。お前の目、空色だから、俺が今思いついた。そして、名付けた」
「単純すぎないですか?」
だが、いい名前であるな。うん。なぜか前世よりもいい気がしなくもないのかもしれない。
「どっちだよ。あと、本当に死んでるからそこんとこはよ理解してくれさきにすすまんからな」
こうして、俺の異世界生活が始まったのだ。
「いやね、死後な」
こうして(怒り気味な感じで)俺の天界生活が始まりました。
「おいおい、投げやりだな」
初めまして。がめんぱと申します。初めての小説、投稿です。まだまだ読みにくい点など多数あると思いますが楽しんでいただけたら幸いです。一応連載とさせていただきますので、気長にお待ちいただけたら幸いです。