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EVOLUTION  作者: らるりる
第一話
2/3

地獄

目を開ける。

部屋の隅に置かれたデジタル時計は15:45を表示している。

知らない天井、知らない部屋。

状況が理解できない。

何も思い出せない。

「どこだ…ここ…」

なるほど、自分はこんな声なのだな。 

ベッドから起き上がる。

右を見る。

左を見る。

「やっぱり、知らない部屋だな…」

とりあえず情報収集だ。

まずは自分について知らなくては。

クローゼットを開ける、手帳らしき物が落ちてくる。

乘閲(じょうえつ)高等学校2年 黒河 綠絽(くろかわ ろくろ)

自分の通う学校と自分の名前らしい。

「ふーん…」

ふと、クローゼットの中に置いてあった鏡に自分の姿がうつる。

自分は何故か寝巻ではなく、洋服を来ていた。黒のロングパンツに、クリーム色のパーカー。中には白いロング丈Tシャツを着ている。

「なんでこんな格好で寝てんのか…」

まぁ、いい。

一度、外に出てみよう。

部屋を出て、階段を降り、自分の物なのだろうか、緑色のスニーカーを履く。ドアを開けようとドアノブに手を伸ばす。


ガチャ



「…………何だ…これ」


そこに広がるのはさながら地獄のようだった。

人が倒れ、建物は倒壊し、ミサイルでも落とされたとしか思えない。

「ん?」

足元に違和感、ケチャップにまみれたピンク色のチューブのようなものを踏んでいた。ぐにぐにと奇妙な感触だった。

ふと、チューブを目でたどる、すると…

横たわっているヒトの腹から出てきているものだった。


「は?」


これは、腸だ。

ヒトの腸。

それを理解するのに数秒かかった。

とたん、吐き気が襲ってくる。

「ウェエエェエェェエエ!」

胃の中身を全部外に出してやっとの思いで呼吸を整える。整える。整える……

「ハァ、ハア、ハァ」

頭を掻きむしる。

「なんだ?なんなんだよ!」

男は、走っていった。

地獄と化したその惨状を。 

「誰かいないのか!」

タチの悪いドッキリにしてもタチが悪すぎる。

ドッキリ大成功のプラカードを持った奴が現れたら顔を拳で殴ってやる。まぁ、そんな程度で済むことなら良いのだが…と考えていると


じゃり、と音。


間違いないこれは足音だ。

全速力で音の元へ向かう。

「おーい!生きてる奴がいるのか?!返事しろよ!」

右足で急ブレーキをかける。

「え?」

それは、人を見つけたから ではない。

ソレを見てしまったからである。





















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