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オリエット伯爵の跡取り息子  作者: あだち
第三章 過去への旅路

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兄弟旅行(初日の宿)

「ダンリールの封印にしろ、森の境界にしろ、代々のロッドフォード当主だけが引き継いでいくものだ。お前たちのどちらにも、今それを教えることはできない。今回は、異変がないか、それだけ確認してこい」


 そう言われてから五日ほどで、ブランデンの辺境の地、のどかな田園風景と暗い森、そしてそれらの背後に古城のそびえたつ土地ダンリールに、オリエット伯爵の二人の息子とその従者たちは到着していた。今度は兄弟別々の馬車に乗って。


 ***


 話は少々遡る。


 アランが話を持ってきた翌日には、出発の準備が整った。

 従僕たちが荷物を二つの馬車に運び込む横で、セシルは自分の目で妖精除けの道具を確認した。塩と水で作った聖水、盗賊などへの護身用とは別の、対妖精用の術紋が弾丸に彫られた銀の短銃、妖精除けに部屋に提げられる鉄製のオーナメント、マッチ、油の入った小びん、羊皮紙。

 小さな鞄に詰められたそれらを確認するセシルに、エリックが話しかけた。


「昨夜仰られた通りのものをご用意しましたが、何か不足しているものはございますか?」

「ん、大丈夫。……だけど、じゃあ僕の金のカフスとかボタンをあるだけ持ってきてくれる? 旅先で無くしたらヤバいものだけ避けてね」


 エリックがわかりましたと言って屋敷の中に戻っていく。

 今回、妖精と取引をすることはないとアルバートは言っていたが、彼らとの取引道具を備えるに越したことはないと思っていた。


 慣れていない土地にこれからアレックスと二人で旅行することを思えば、セシルは憂鬱で仕方がない。自然とため息も出た。


(……でも、気がまぎれていいかも)


 時間があると、あの紫色の瞳を、思い出してしまうのだ。


 セシルは並んだもうひとつの馬車に近寄ってきた人影に気がついた。

 アレックスもまた、黒と銀の二種類の銃を確認し、鞄ではなく懐に入れた。

 その脇をすり抜けて、キーラがまっすぐアレックスの馬車に飛び込んでいった。セシルが止める間もなかった。


「……ラスター、部屋に懐中時計を忘れた。すまないが、取ってきてくれないか」


 馬車のなかできらきらした目で自分を待つ幼子を見ても、アレックスの顔はちっとも緩まなかった。

 そばに立っていた従者を屋敷の奥に追い払うと、御者が二人ともこちらを見ていないのを確認してから、馬車の中にいたキーラを、しがみついたクッションごとセシルに渡してきた。

  セシルが咄嗟にクッションごと妖精を受け取ると、アレックスはやはりキーラのことを見もしないで言い放った。


「女じゃないんだ。こんなにクッションばかりいらない」


 彼がいらないのはクッションではなく、それにしがみついた妖精の方だというのは明白だった。キーラはクッションを放り投げてセシルの腕の中で暴れたが、アレックスは黙ってコートのポケットから小さな包みを取り出した。


「ぎゃっ」


 開かれた包みにキーラがぎょっとかたまった後、想い人に手を伸ばすのを諦めた。アレックスはそのまま包みの中身を口にいれる。


「アレックス様、申し訳ありません。懐中時計とは、その、部屋のどのあたりに?」


 戻ってきた哀れな従者に「悪い、勘違いだった。詫びだ」というと、もうひとつ包みを渡してさっさと乗り込んだ。ラスターは怪訝な顔で受け取ったチョコレートを見つめていた。

 ちょうど鍵付きの小箱を抱えたエリックも戻ってきた。セシルはこの旅路にまたひとつため息をついて、地面に落ちていたクッションを拾い、己の馬車に乗った。腕の中の妖精は名残惜しそうに隣の馬車を見つめていた。


「セシル様、この前の舞踏会の時から持ち歩いてらっしゃる模様の無い金貨、あれもいっしょにこちらへ仕舞いますか?」


 馬車の外から金のカフスやボタンの入った小箱を指し示されたが、セシルは首を振った。


「あれは別にしておく。キーラがくれた幸運のお守りだから」

「おや、小さな妖精のお嬢様は金貨をお持ちでしたか」


 長く仕えていても妖精のことは詳しくないエリックに、セシルはふとしたいたずら心で伝えた。


「あの金貨、うちの厨房で小麦粉と卵とバターから作られたんだよ」


 さらなる驚きに目を見開いたエリックに、「あと大量の砂糖」と言い添えると、小箱を受け取って馬車の扉を自分で閉めた。従者は馬でついてくるから、不機嫌なキーラが窓の外にケンカを売らないよう見張らないといけなかった。


 ***


 日も傾いてきたころにその日の宿に入った。

 客室で荷ほどきをするエリックの邪魔をさせないために、椅子の上でキーラの気を引くポプリをちらつかせていた。


「エリック、久しぶりにディフレッドに会うんだろう。向こうに着いたら暫く親父さんのところにいていいよ」


 本来貴族に仕える従者に臨時の休暇など余程の時以外は与えられないものだが、主人たるセシルがいいといえばいいのだ。


「しかし、それでは身の回りのお世話は……」

「数日しか滞在しないし、着替えとかは自分でできるよ。帰りの荷造りするころに戻ってきてくれると助かるけど」


 整理整頓が苦手なセシルが笑ってそう言うと、エリックも困ったように笑って言った。


「お気遣い、感謝いたします。しかし、それは私の父が許さないでしょう。元気に働いているとわかれば、お互いそれで充分なのです」

「そ? 気が変わったら言ってね」


 それを聞いて、エリックがにっこり笑った。


「ありがとうございます。セシル様」


 それから目を荷物に戻したが、ほどなくして再びセシルに向き直った。膝の上からずり落ちかけている妖精を抱え直したセシルは、エリックの顔がいつになく険しいことにわずかに面喰らった。 


「セシル様、さきほどラスターから聞き出したのですが、アレックス様はお亡くなりになった先代伯爵のことを気にしていらっしゃるそうです」


 突然話題が変わった。膝の上のキーラはバラの花の詰まったポプリの匂いを嗅いで微睡んでいる。


「従者が仕える主人のことを話すのも、それを聞き出すのも恥ずべきこととは承知しています。ただ、差し出がましいことでありますが、どうにもこの度の騒動には、使用人の間でも戸惑うものがありまして……」


 セシルは視線を泳がせた。それは仕方ないだろう。自分の人生もかかっているが、使用人の人生もかかっている。とりわけエリックからしてみれば、将来は伯爵の従者になる可能性が高かったのだから。


「今は何も決まってないから、僕からもおまえにほとんど何も言ってやれないんだけど」

「いえ、申し訳ございませんでした」

「もし、もし万が一、ほとんどあり得ないけど、この世の可能性の一つとして、アレックスが次の伯爵になっても、僕に仕えているエリックやその家族を冷遇するようなことはさせないよ」


 ごくごく稀なケースだ、と念押ししながらそう言うと、エリックは苦笑して「私個人のことは心配ないのです」と控えめに言った。

 それもどういう意味かと思ったが、エリックは部屋の外に声が漏れないよう配慮しながら話をつづけた。


「我々ロッドフォード家に仕える者は、皆、ほかの貴族の方々に仕える者より自分たちが恵まれた待遇と主家の寛容さを享受していることを承知しております」


「……そりゃ、まあ、他所に行ってほしくないし、部外者に話されちゃ困ることが多い家だしね」


 セシルは目をそらしたまま何でもないことのように返した。少し照れくさかったからだが、待遇がいいのも、言いふらされたくない事情が多いのも、事実だった。


 セシルは十年前、今のセシルより少し若い年齢でエリックが雑用の従僕として働き始めたときに、妖精立会いの下で『ロッドフォードに連ならない者に、家のことを口外しない』という誓約を父と交わしていたのを知っていた。そしてその一年後、セシル個人につく従者として、再度妖精立会いの下、同じ誓約を交わしたのだった。

 嘘を嫌う妖精が立ち会う誓いには魔法の拘束力が生まれる。破られれば、それが相手に即伝わる。使用人のほとんど全てが、この誓いを経てから主家に仕えていた。


「アレックス様には、そのような関係性が、理解いただけていないような気がしているのです」

「……アレックスから何か言われた?」

「いいえ。ただ僭越ながら、拝見する限り、アレックス様は我々使用人を、ラスターも含めてかなり警戒しておられるご様子。何か言われたかというより、何も言わないようにしているように見受けられるのです」


 セシルは迷った。おそらくアレックスが妖精の見えない人間の前で、自分も見えていないふりをしていることが原因だと予想はついたが、それを自分が言っていいのだろうか、と。


「まだ、うちにきて一カ月かそこらだろ。時間がたてばかわってくるよ、きっと」


 アレックスの印象が悪くなろうとセシルには痛くも痒くもなかったが、使用人が煽りを食らっているのは見過ごせなかった。


「でもエリック、ラスターにはもう何も聞き出さなくていい。あの不愛想な奴のせいで、お前たちが品位を落とすようなことをするな」


 ポプリを持ったまま完全に眠りモードに入ったキーラを抱え、セシルは一旦寝室に入った。シーツをかけて寝かせてやると、もとの部屋に戻る。扉を完全に閉める前に様子をうかがえば、横たえたはずの幼子はもう跡形もなく消えていた。次に会うのは、彼女が目覚めたあとだ。


「少し、アレックスと話してみるよ。その間は、おまえの部屋の前にこれを提げて、その中にいるといい」


 そう言って例の鞄から薄い鉄のオーナメントを取り出し、従者に渡した。

 妖精は鉄が苦手と教えたことはなかったが、エリックにはそれが伯爵夫人の部屋の前に提げられているものと同じだとわかったようで、礼の言葉と引き換えに受け取った。


「それがよろしいかと存じます。ご兄弟なのですから、お二人はもっと話し、互いをお知りになって、力を合わせるのが最良ですとも。……私相手に話すよりも、それがずっと大切なことでしょうから」 


 ***


 斜め向かいの部屋に宿泊するアレックスの部屋で、兄弟は二人きりで向かい合っていた。部屋の隅にキーラ同様の小妖精がちらりと見えたが、この宿屋に住み着くものなのだろうとセシルは頓着しなかった。

 セシルに頼まれるまでもなくラスターを部屋から追い出したアレックスは、腰を片手でさすりながら、「で、何」と相変わらずの冷たい声と視線で促してきた。


「……今回の件、ダンリールには僕も一回しか行ったことがないんだ」

「知ってる。俺も伯爵に言った通り、ダンリールの森周辺や村は知っているが、森の中や城のことは、よく知らない」


 意外とすんなり会話が進んで内心安心していた。最初にいつもの癖で自分の弱点をさらすような物言いをしてしまったから、また皮肉で返されることを覚悟していた。


「その一回っていうのが、僕のお祖父さん、先代が亡くなったときなんだけど、父さんからはどこまできいた? 先代のこと」


 いきなり「ラスターに先代伯爵のこときいてるらしいね」と言うわけにもいかず、回りくどく確認しようと試みたのだ。

 ここはセシルの予想通り、アレックスが先代のことに食いついてきた。


「老いてのちは、実権を息子に譲ってダンリールの城に隠居した、ときいてる。死ぬまで爵位は譲れないが、ダンリールのような特殊な城にこもれば、妖精の事情に疎い王家も口をはさめないだろうと考えたんだろうって、あんたの父さんの見立てだ」


 おおむね合っている。なんだ知っているんじゃないか、とセシルは拍子抜けしたが、次の言葉で居心地が悪くなった。


「まぁ、奥方とも仲が悪かったんだろうよ。跡継ぎとほとんど年のかわらない子供を愛人との間に作って、面倒見てたんだから」

「……そうだね」


 祖母は祖父と共にダンリールにはいかなかった。アルバートとアランは仲のいい異母兄弟だが、奥方からしたら微妙な気持ちだろう。


「十年前、ダンリールで亡くなったのか」

「うん。城の中には最低限の年老いた使用人しかいなかったけど、祖父の体調が悪かったなんて聞いてないから、老衰だったんだって」

「……神の思し召しか。全く、よかったんだか、悪かったんだか」

「え?」

「いや、何でもない。それより、一応確認しておくが」


 灰色の目が真剣にセシルの緑の目を射抜く。


「先代には、ほかに女がいなかったか?」

「……ほかって、おばあ様と、アラン叔父さんの実母の他に、てこと?」

「もっと言うなら、ほかに隠し子はいないのか」

「はぁ!?」


 予想だにしていなかった質問に、セシルは面食らった。


「アレックス、おまえ、貴族にはひとり隠し子がいれば百人隠し子がいると思ってない!?」


 キーラをアルバートの隠し子だと勘違いしたという話を思い出して、セシルは呆れ、思わぬ大声が出た。


「貴族に限らず子どもなんて複数よそにいてもおかしかないと思ってっけど。じゃあ、いないんだな?」

「きいたことないね! だいたい、もしいたら父さんがほっとかないよ」

「そうか」


 そう言ったきり、アレックスは俯くと、黙って考え込んでしまった。

 セシルはのぞき込むように問いただした。


「なに、どうしたの」

「別に」


 目をそらして素っ気なく答えたアレックスに、セシルも追及の手を緩めない。


「ちょっと、こっちは聞かれたことに答えてやったんだけど?」

「それだって、あんたどうせ確信が持てないんだろう。十年前、のんきなボンボンだったあんたが祖父の周りの大人たちの話を聞いてるとも思えないし。……ただ、まぁ、確かに今の伯爵が異母兄弟を放っておかないだろうな」


 視線も寄越さず、俯いた顔のまま言い放つので、セシルにはアレックスの表情もわからない。


 相手のペースに乗せられてはいけないと頭でわかっていても、ここでがんがん乗ってしまうのはもうセシルの性格だった。


「のんきなボンボンとは言ってくれるね!」

「じゃあ、当時先代に仕えていた使用人は今も生きているのかどうかは把握してるか?」

「みんな高齢で召されてるよ!」

「そうか、わかった」


 素直に聞かれたことに答えてしまってから、セシルはすっと自分に嫌気がさした。


「……アレックス、妖精に関することは、僕の方が詳しいって、分かってるよね?」

「あれから気を付けて、チビの渡してくる菓子は受け取ってないぜ。……あれには感謝してる」

「そー。ふーん。で、今何考えてんの」


(おまえっおまえっ僕に命を救われてることを忘れんなよ!!)


 そんな思いをこめて睨みつけると、伝わるものがあったのか、アレックスが渋い顔でセシルに視線を戻し、口を割った。


「別に大したこと考えてないって。ただ、ダンリールの竜に関する封印が、先代から今の当主以外にも伝わってる可能性を考えてたんだよ」

「……それで、隠し子と使用人の可能性を?」


 現状、ダンリールの秘術はこの世でただひとり、オリエット現伯爵だけが知っているはずである。それが、他にも知っている人間がいるとしたら、ということ。


「つまり、今回のダンリールの噂は、先代に関係のある人間が、意図的に仕掛けてるって?」

「可能性な。竜の魔法にしろ、森の魔法にしろ、自然に緩むようなもんじゃないなら、誰かが後から手を加えた以外にあり得ないだろ。一応、行く先に悪意のある人間がいるなら、それなりの対策しておきたい」


 アレックスの言うことは理解できた。アルバートの術の失敗より、その後にだれかが手を出して術に影響を与えたということのほうが起こりうるように思えたからだ。


 しかし、前提となる、「本来当主だけに伝える術を、先代はほかの人間にも教えている」というのが引っかかる。厭世的になっていたとはいえ、先代が、そこまで愚かなことをするとは思えないのだった。

 だからセシルは、アレックス、と言い聞かせるような口調で呼び掛けてしまったのだ。


「きみが思ってるよりずっと、僕たちは自分達の血筋と、それに伴う能力、使命に誇りを持ってるんだよ。僕たちが最初に学ぶのは、能力も義務も、責任も、他の人とは違うっていうことなんだ」


 セシルも、顎に手をあて俯きながら、記憶の底にある微かな祖父の記憶を掘り起こしながら言葉を紡ぐ。

 アレックスはまだ、自分たちの家の特殊性を実感していないかもしれない、と思いながら。


「アレックスには、まだ他人事かもしれないけど、それは父さんも、おじい様も同じだよ。だからこそ、おじい様に三人目の子どもがいようといまいと、そんな重大なこと無責任に誰かに話すとは思え、ない……」


 そこまで言って、目線を上げたセシルはアレックスの表情から温度がなくなったことに気づいた。セシルの舌はそこで凍りついた。

 冷たさすらない無の眼差しに、自分が何か、言ってはいけないことを言ってしまったような気になった。


「そこまで言うなら、きっと今回の件については、先代はあまり関係がないのかもな」


 舞踏会に向かう馬車の中でセシルが聞いたのと同じ、なんの感情もこもらない声だった。


「……アレックス?」

「今回が、俺にとってはロッドフォードの魔法を間近で見る最初のチャンスになるかもしれないんでね、いい勉強させてもらうよ」


 整った造形の、にこっと笑った顔は、最初に邸宅の階段で向けられたものとよく似ていた。


(あの慇懃無礼な丁寧さは、今までの環境から突き落とされる僕への皮肉だと思っていたけれど)


「さて、もう遅いし、俺もさっさと休みたいから、そろそろ解散としないか。良い部屋に泊まると、食事も部屋に持ってきてもらえるのが、楽で良いよな」

「……今後の打ち合わせがてら、」


 一緒に食べる? とセシルが問う前にアレックスが声を被せてきた。


「お互い蹴落としあう仲で、他人と皿を近づけて食いたくないしな」


 セシルは自分に甘い。

 どんなに父母に厳しく言われても、使用人は優しいし友人も自分と似たタイプを選んできた。

 宮廷の庭での宣戦布告の気持ちは忘れていないが、争いなれていない(さが)は一朝一夕で変わらない。


 セシルは、作り笑いで壁を作り、冷たい言葉で敵対心をあらわにする相手と、これ以上同じ空間にいられなかった。


 流れる冷や汗を背中に感じながらも、部屋を出る間際、振り返って小さな声で聞いた。


「……道、荒いだろ。クッション、返そうか?」


  既に扉側へ背を向けていた弟は兄の問いに答えなかったが、無意識に腰をさすっていたらしい手をぎこちなく下ろした。



(アレックスは警戒してる。ずっと、僕のことも、うちの使用人のことも)


 誰もいない自分の部屋に戻れば、床に色とりどりの花びらが絨毯のように撒かれていた。その横には、茎だけが生けられたもの悲しい花瓶が立っている。

 セシルは食事が来る前に、キーラに少し説教することにした。

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