説明
魔王になるとか以前に、母さんのこと忘れてた。
やっぱり母さんは置いていけない。辛い生活の中での唯一無二の心の支えだったから。
「あの、ちょっといいかな。」
「はい?」
「やっぱり母さんを置いてここに居れないよ...」
「ああ、その事ですが、先ほど確認を取りましたので大丈夫です。」
...?
「確認...?」
「はい。快く承諾してくれましたよ。」
少し前
「...え?うちの息子が魔王?」
「はい。悪魔神様の直々の命令でして。」
「それで、あの子は良いって言ってるの?」
「ええ。引き受けてくれるみたいです。」
そう答えると彼女は一気に脱力し、
「よかったわ...。いやあの子ね、常に脱力してる感じで目標とかも無さそうで心配してたんだけどね。いい目標が出来たみたいで良かったわ。悪魔の世界の事はよくわからないけどあの子がやりたいなら、やらせてあげます。」
「それは、ありがとうございます。」
「ということがありまして。」
マジか。母さん直々にOKが出たってことはやらなきゃダメか。
「待て、でもオレには彼女も居るんだが...と思ったけどどうせ話付いてるんだろ?」
「お、よくわかりましたね。」
そこまでやられたらやるしかない。全力を尽くしてやる。
「では、その意気込みの中でひとつ説明をしますね。」
「ん?」
何やら重要っぽそう。
「魔王に転生した後の魔法能力です。本来、魔族は一人ひとつですが、悪魔神は2つから5つまで。そしてこれからあなたがなる魔王は無限の可能性を秘めています。」
「と、いうと。」
「つまりは上限がありません。一定の方法でしか増やせませんが、魔法能力はいくらでも種類をストック出来ます。」
なんじゃそりゃ。まさに特権だな。
「続いてはその種類です。主に炎、氷、風、土、魔の5属性に分けられます。」
おお、やっぱりパズル&何とかっぽい。
「...あぁ。本当なら属性も説明したかったんですが、夕飯を作らないといけませんので、また明日にさせてください。」
昼か夜かわからん。