革命
さっきまであんなに余裕かましてたのに何だこのザマは。
めちゃくちゃ怖いよ。
「なあ、何なんだ?この雰囲気」
思わず聞いてしまった。
「ああ、多分悪魔神様の気配ですね。」
意外と平然とした感じで言われた。
無駄に階層が多いのが恐怖を煽ってくる。
今何階くらいだろう...。
「到着しましたよ。ここが悪魔神様のお部屋です。」
ヤバい。ガチでちびりそう。
こんなに恐怖を感じたのは初めてだな。
「どうしました?さあ、入りましょう。」
くそ、もうやけだ!
中に入ると、部屋の奥に黒い鎧をまとった「悪魔神」と思われるやつがいる。
「...セレナか。連れてきてくれたのか?」
「はい。この方で間違いありませんか?」
ん?何だ?もう考えるのめんどくさい。
「.....うむ。確かに私の探していた男だ。」
何か俺は悪魔神に探されていたらしい。何故?
「...突然ですまなかったな。私はガープ。悪魔神と呼ばれる者だ。」
「ああ...どうも。」
「望みを単刀直入に言おう。お前に悪魔神を継いでほしい。」
.....!?
この世界にきて最もパニックになった。
「で、でも俺は神とか特殊じゃなくて...」
「そうか、今の下界の者は知らないのか。神と言うのは元から神だったものに加え、神に認められれば、その神と同じ存在になることができる。私も人からの転生で神となった。」
なるほど。でも納得いかん。
「では何故僕なんですか?」
「素質が良いのだ。もとの世界で残酷な扱いを受ければ受けるほど悪魔神としての転生後の力が高まる。」
こんなとこでも嫌なこと思い出させるな...。
「私も力の衰えで悪魔神としての活動がしづらくなってきてな。後継者をさがしていたのだ。」
「ということなのですが、いかがですか?」
いかがですか?と、言われてもだな。
でも、答えはひとつ。やるに決まってる。
もとの世界でまた最悪な暮らしを続けるくらいなら、いっそここで悪魔神としていろいろして過ごそう。セレナかわいいし。
「ああ。いいよ。あんたの後継者は、オレがなる。」
「本当か。ではこれで私も休めるな。」
「では、あなたは今日からこの世界の悪魔神全てを束ねる魔王となります。」
え?悪魔ってたくさんいるの?
それ全部?何体くらい?
かなりこの世界広そうだから多いだろうな...。
...今更ながら少し後悔してる。
でも、立ち止まりはしない。
.......あ。