消費税増税について
そもそも増税する前に、政府は税金の無駄使いをなくすことからはじめるべきだと思いますが。
特に政治家や官僚の税金の不適切使用には憤りを覚えます。
某エッセイでは、消費税増税には断固として反対していました。その理由は、消費税が増税すれば、国民の可処分所得が減るので国民全体の消費が減ることになる。それは、経済活動の消極化を意味し、それは景気の悪化につながることは容易に想像できるからだと述べています。
まず、増税により可処分所得が減って国民全体の消費が減ることは確かなのです。ですが、某エッセイの作者は、増税により増えた国家財政の支出の変化を考慮していませんので、短絡的な主張と言わざるを得ません。
例えば、増税した分だけ公共事業を増やせば、最終的なGDPは増加することがマクロ経済学では知られています。しかもこれは、マクロ経済学の超有名な数理モデルの公式を使って説明ができます。つまり、一応は数学的根拠のある理論なんですね。もちろん、この数理モデルはマクロ経済をある程度単純化したものですから、現実はまったく数理モデル通りとはいかないかもしれませんが、一定の信憑性は確保されていると思います。
本当は、その数理モデルも解説したいのですが、どうやって数式をなろう上で表現したらいいのかがわからないのでやめておくことにします。気になる人は、「ケインズモデル」「ケインズ 公式」「均衡財政 公式」とかで調べると、いろいろ出てくるかと思います。
それに、消費税が2%増加したからといって、当然に消費が2%分だけ減るとは限りませんよね。生活必需品の消費量は大きく変化しませんし、それこそ、某作者が主張した消費税の個人の所得による実質的な負担割合の違いを考慮すれば、裕福な人は2%くらいでは消費が減らない可能性も十分ありますから。なので、某エッセイの議論は考察不足と言わざるを得ません。
しかも、この実例として、橋元内閣の話をしていますが、これは明らかに不適切です。そもそも、まず当時の景気の後退と消費税増税の合理的関連性についてまったく述べられていないですし、景気は税金以外にも、様々な要素によって決まってくるものですから。しかも、橋元内閣の時は、行政改革などが盛んに行われたので、その混乱の影響も十分考えられます。なのに消費税をピンポイントで取り上げるのは、作為的なものを感じます。
結局、増税が当然に景気に悪影響を及ぼすとは言えないわけです。
さて、某エッセイ批判はこれくらいにして、本題を議論していきましょう。消費税増税の是非でしたね。これを議論するために、まずは増税が景気に与える影響を考察してきたわけですが、これがまず難しいというか、たぶん経済学者の中でも意見が別れているところだと思います。数理モデル的には、均衡財政を仮定すれば、増税は肯定されるんですが、あくまでモデルですし、そもそも均衡財政という前提が成り立たない場合も考えられます。また、現代社会はかなり複雑な要素が絡み合っているので、それらを考慮しながらでないと結論を出せないと思います。
ですので、この問題に関しては、皆さん自身でいろいろ情報を集めて、それを分析して自分なりに結論を出すことをおすすめします。こんなに長々と議論したにもかかわらず、こんな結論になってしまいたいへん申し訳ありません。
一応私の意見としては、2%の増税は仕方ないかなと思います。まず大きな理由は、たいへん申し上げにくいのですが、社会問題的な観点からです。実は経済学的な理由ではありません。これの説明は長くなるのでしません。あと一応経済学、財政学的な理由として、法人税は下がっており、金融緩和が行われているからです。法人税が下がれば、企業の利益は増えますから、賃金の上昇や、モノやサービスの価格の低下が期待できます。金融緩和が行われると、主に利子率が下がるので、企業はお金を借りやすくなりますし、利子も減りますよね。なので、そのぶん市場が活性化して、GDPにいい影響を与えるのではないかと考えているからです。また、2%くらいなら、そこまで消費量は変化しないだろうとも考えているからです。
ただ、これらの大前提として、政治家や政府が真摯な態度で努力を尽くすという、もっとも大きいハードルがあることは非常に悲しいですが。
某エッセイの作者は正しい経済理論についてどうこう言っていますが、かなりのブーメランだと個人的には思っております。
2017/5/7 金融緩和の話を追加




