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消費税について

 某エッセイでは、消費税が不公平な税で、だから廃止すべきと主張されていますが、それについて議論していきたいと思います。


 まずは、消費税の不公平性について考えていきましょう。某エッセイでは、個人の所得の大小で消費税の実質的な負担が変わるため、消費税は不公平である、と述べています。これに関してはまったく正しいと言えます。

 実際に、すこし簡単に考えるために消費税の税率を10%だとすると、一万円もっている人が千円のモノを買ったときの消費税は百円ですから、所得に対する負担割合は1%です。一方、所得が五千円の人が千円のモノを買ったときの消費税は同様に百円で、所得に対する負担割合は2%です。

 つまり、個人の所得の大小という視点で考えると、確かに消費税は不公平です。しかしながら、別の視点から考えると、消費税はとても公平な税と言うことができます。

 その視点とは、社会的サービスの享受というものです。そもそもの大前提として、わたしたちはそれぞれが、日本という国家に所属しており、つまりは社会共同体の一員なのです。そこで消費するということは、社会的サービスを取りだし享受していると考えることができます。そうしたとき、そのサービスを取り出す対価として税を払うことは十分理にかなっているはずです。このように考えたときに、取り出したサービスの量に応じて一律に税を課すことはむしろ公平そのものです。

 例を挙げて見ましょう。裕福な人と貧しい人の二人が、公共交通機関である電車を利用したとします。二人は、同じ電車に同じ駅から乗り、同じ駅で降りました。この時、裕福な人の運賃は千円、貧しい人の運賃は百円だったとします。これは公平でしょうか。確かに、裕福な人なら千円くらい払えるかもしれませんし、貧しい人は百円でも厳しいかもしれません。しかしながら、電車という公共交通機関、すなわち社会的サービスをまったく同じだけ利用したのだから、同じ料金を払うことは合理的とも言えます。

 このようにしてみると、消費税の公平不公平を議論するには、少なくともこれら二つの視点から考察を重ねる必要があるはずです。しかしながら、某エッセイでは、一つの視点からしか議論をしていませんので、非常に説得力不足、考察不足な内容になってしまっているわけですね。


 次に消費税の廃止についてですが、これに関しては某エッセイはそもそも議論の前提条件を満たしていないと言わざるを得ません。なぜなら、我が国では消費税以外にも様々な税が課せられていますから、消費税とその他の税を比較衡量しつつ、包括的な視点から議論していくべきだからです。

 例えば、仮に消費税が不公平な税だったとしても、他の税によって十分その不公平が解消されているとするならば、著しく不合理とは決して言えませんし、むしろ消費税を廃止したら、他の税で解消していたはずの不公平のぶん、低所得者に有利になってしまいますよね。これでは、逆に高所得者に不公平になってしまいます。


 結局、消費税の是非を問うには、様々な視点から、慎重に議論を重ねていくべきなんです。なのに、某エッセイはそれがなされていないため、短絡的で、説得力皆無の主張と言わざるを得ないわけです。

 さて、皆さんはこの話を聞いて、消費税をどう思いますか? たぶん、いろいろなご意見があるかと思いますが、それでいいと私は思います。これは、正解がきちんと用意されている問題ではないので、一番大事なことは、皆さんが慎重に考察を重ねた上で自分の意見を持つことだと私は思います。

 ちなみに、私は消費税を一律に課すことそれ自体は十分合理的だと思います。ですが、前述した不公平はやはり存在するので、低所得者にも大きな負担とならないような税率で消費税を課すのが妥当だと思います。


 さて、ここで慎重な読者様はお気づきになったかもしれませんね。


"大きな負担とならないような税率"


これです。それはどのくらいでしょうか。たぶん、今日本で問題となっているのはこれですよね。近々、消費税率が8%から10%に上がるようですし、かなりタイムリーな話題です。某エッセイでは断固として反対していますが、その内容が結構面白かったので、次回取り上げてみたいと思います。皆さんもちょっと考えてみてはいかがでしょうか。

本音では、私は税金は払いたくないです。

某エッセイの作者は視野狭窄の疑いがあります。

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