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インフレとデフレの説明

経済学は私もあまり得意ではないので、鵜呑みにせずに読んで頂ければと思います。また指摘すべき点かあれば是非お願いします。

あと以降、私が感想を削除されたエッセイを「某エッセイ」、その作者を「某作者」などと書きます。

 インフレーションの定義は以下です。


 "物価水準が継続的に上昇する現象"

 

 デフレーションの定義は以下です。

 "物価水準が継続的に下降する現象


 さて、某エッセイの説明と比較すると、まず継続的にという言葉がに抜けていますね。当然、物価水準は流動的ですから上がったり下がったりするわけですが、これがある程度の期間、上がりっぱなしのことをインフレーションというわけです。デフレーションは逆に下がりっぱなしなわけです。一応、物価というのは、財、つまりモノの総体的な値段のことです。

 もし仮に、某エッセイの説明で考えると、例えば毎日スーパーに行って買い物をするときに、商品の値段が違うことがインフレやデフレになってしまう可能性があります。だから継続的にという言葉をきちんと入れないと不適切なんです。

 さらにもう一つ、某エッセイには説明されていない点があります。それは、貨幣市場の存在です。経済学的にはマネーサプライ、貨幣供給量でも物価水準が変動していきます。

 イメージがあまり浮かばない人は、単純なモデルで考えるとマネーサプライと物価水準の関係が見えてくると思います。例えばこんなのはどうでしょうか。

 

 あなたはオモチャ屋さんの店長です。あなたのお店にはオモチャが一種類だけあります。あなたのお店に来るのは子どもだけで、彼らがお客さまです。さて、お店に来る子どものお小遣いの平均は月に一万円だとします。あなたはオモチャを何円で売りますか?逆に、子どものお小遣いの平均が月に千円だとしたら、あなたはオモチャを何円で売りますか?オモチャ本来の価値はあまり考慮せずに値段を決めて見ましょう。


 普通だったら、お小遣いが一万円の場合と千円の場合では、一万円の場合の方が値段が高くなりそうですよね。マネーサプライが子どものお小遣いで、オモチャの値段が物価水準です。あまりイメージが浮かばなかった人も、なんとなくイメージがつかめてきたかと思います。一応、マネーサプライが増えると金利が下がるというのもあるのですが、そこは銀行の概念なども入り、貨幣の概念も拡張しないといけないのでここでは指摘しておくだけにしておきます。

 さて、ここまでの説明で、インフレとデフレにマネーサプライが影響を及ぼしそうなことは納得して頂けたかと思います。ちなみに、財市場とインフレデフレの関係は某エッセイの説明でもいいような気もしますが、もう少し分かりやすい例を上げておきます。


 あなたはとても飢えています。周りには他にも百人、飢えていている人がいます。近くにはパン屋さんがあります。さて、パン屋にはちょうど百個のパンが売っています。あなたは何円でパンを買いますか?またもしも、パンが十個しか売っていなかったとしたら、あなたは何円でパンを買いますか?考えてみてください。


 この例で、財の需要と供給のバランスが、すなわち財市場が物価水準に影響を及ぼしそうなことは納得して頂けたかと思います。

 ちなみに、インフレの例としては、第一次世界大戦後のドイツが有名です。たぶん皆さん聞いたことがあると思いますし、ちょっと調べるだけでもたくさん情報が出てくると思うので、興味があれば是非調べてみてほしいと思います。

 

 さらに、インフレとデフレに関して、一般的に誤解が多そうなものも指摘しておきたいと思います。一般的に


 "インフレ=好況"  "デフレ=不況"


というような認識をされている方が相当数いらっしゃるのではないでしょうか。基本的にはこの認識で問題ないのですが、特殊なケースとして、インフレにもかかわらず、不況の場合があります。これをスタグフレ-ションといいます。有名なのは、オイルショックによるスタグフレ-ションでしょうか。通常、不況のときは、簡単に言えばみんながあまりお金を持っていないので前述したオモチャ屋の例をみてもわかる通り、物価水準は下がるはずなんですね。けれども、オイルショックで石油価格は下がらない、むしろ上がっていったので、高度経済成長期で石油に大きく依存していた社会では、物価水準は逆に上がってしまったんです。これも有名なので簡単に調べられると思います。特にこのオイルショックによるスタグフレ-ションで経済学は大きく転機を迎えることになったので、是非調べてみてほしいと思います。


 以上で、インフレとデフレに関する簡単な説明は終わりです。経済学は主にミクロ経済学とマクロ経済学に分かれていますが、インフレとデフレの話はマクロ経済学の方なので興味がある人はぜひ学習してみてください。

 ちなみに、ミクロ経済学は、簡単に言えば狭い視点での経済学で、家計や企業の行動を分析していくものです。ミクロ経済学と言えばアダム・スミスの「神の見えざる手」が有名です。あと、私の知人は、ゲーム理論の「囚人のジレンマ」という言葉が大好きでした。

 マクロ経済学は、簡単に言えば広い視点での経済学で、GDPとか、政府の行動などを分析していくものです。2017年現在、政府発表いわく上向きではあるそうですが、決していいとは言えない日本経済をより深く知るために、マクロ経済学を勉強するのもまた一興かも。


 

 

 

つまり、某エッセイの作者は、本当に経済学を学んだのかとても疑わしいし、仮に学んでいたとしても、たぶん全然理解できていない可能性が十分あります。本当に学生に教えることができるほどの人物なのかが危ぶまれる……。

この時点で某エッセイの説得力が一気に下がっただろうことは容易に想像できますが、まだまだ指摘していくつもりです。次は消費税です。


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