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第97話:間に合ったか

昨日は投稿が遅くなるどころか、投稿自体が出来ませんでした。


申し訳ありません。


今後とも、宜しくお願い致します。

「無事だったか‼」


「オークジェネラルをヤったのか⁉」

「此方は片付いた! 俺達も加勢するぞ!」


おい!


「さっきも言っただろうが、お前らは手を出すなと。それにオークジェネラルならもう倒した」


…………。


『はぁ?』


……………………。


「ちょ、倒したのか、オークジェネラルを?」

「俺達があの8体を倒す間に?」

「まじかぁ……」


この中では比較的、年輩の男が俺と会話するのを他の連中も聞いているが、皆が呆れた表情になっている。


「だから言っただろうが、上位種は俺に任せろと。それよりも、お前達はB班の所へ行くんだ。作戦を忘れたのか!」

「おう、そうだったぜ」

「折角お前さんの活躍でここが片付いても、他の場所はこうはいかねぇ」

「よし! このままB班に合流するぞ!」


『オウ‼』


「B班のいる場所はアッチだ」


マップで場所を確認し、その方角を指す。


「真っ直ぐ進めばいい、頼んだぞ」

「お前はどうするんだ?」

「俺はこの集落の死骸を回収してから向かう。たぶん、途中でお前らを追い抜くが、構わず進むぞ。B班の上位種を倒したら、そのまま次のC班の元に向かう」

「お前、本当に人間か?」


最近よく聞くな、それ。


「いいから! 行け!」

「お、オウ」

「お前ら! 行くぞ! 全力で走れ!」


C班の連中には目立った怪我が無かったので、そのまま向かわせた。

ここから普通に走っても、20分もかからんだろう。




◆◆◆◆◆




オークの死骸の回収に5分程かけ、B班の元へと走り出す。


幸いにも、俺とC班の連中とB班の襲撃地点の間には、魔物や動物がいなかったので、邪魔をされずに進めそうだった。




3分もしないうちに先行していた連中を見つける。

彼等も頑張って走っているようだが、このまま追い越して俺がB班の場所へ先に行かせてもらう。


「先に行かせてもらう! この先には魔物はいない!安心して走れ!」


横を通り過ぎる際に、一言かけて前に出る。


「俺達も直ぐに合流するぞ!」

「そうだ!」

「レグさんにも言っといてくれよ!」


彼等も気合いは十分の様だ。

あのペースなら、合流までに10分程ですむかもしれないな。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




俺達は凄い速さで小さくなるヨシタカの姿を見ながら、自分がちっぽけな存在の様に感じた。


俺だってニードラングじゃあ結構、名の知れた冒険者のつもりだ。自分で言うのも何だが、俺の率いるパーティーだって実力者揃いで有名だ。


それなのに、アイツはほぼ1人でオークの集落を潰しやがった。オークジェネラルだって、かかった時間はオークと変わらなかっただろう……。


俺達が本気で走っているのに、アイツは更に上回る速さで追い越して行きやがった。


「ハァ、ハァ、チャット、どうした、の?」


声をかけてきたウチのパーティーの女魔法使いのリエル。だいぶ息が上がって辛そうだ。

俺達、前衛組に比べたら体力が無いのに頑張って走っている。


「あのルーキーの凄さを考えていたんだ」

「か、彼は、別格よ。あの威力、の雷魔法なん、て、ハァ、並の冒険者の、威力じゃ、ないわ」


リエルも雷魔法の適正はあるらしいが、風魔法の方が得意らしく雷魔法を使う事はない。


「それに、ハァ、ハァ、あれだけの、魔法を同時に使う、魔力なん、て、レイライン様、く、らいよ」

「分かったから無理してしゃべるな」


アイツの剣の腕も凄かった。噂でレグさんに勝ったと聞いたが、あながちウソではないと思える強さだ。


アイツがいてくれて良かったと思える反面、自分が無力に思えて仕方がない……。




◆◆◆◆◆




追い越してからも全速をキープしているので、数分でB班の戦いの音が聞こえて来た。


脳内マップで集落の全体を確認し、大まかな戦況を視る。


(上位種はまだ動いてないのか……。それに上位種の周辺に結構な数のオークがいるな)


B班の冒険者達が襲撃を始めて20分程、乱戦と言う言葉が似合う程に敵と味方が入り乱れた位置取りではあったが、B班のが相手にしているオークは集落の約半数でしかなかった。


倒すのが難しくないオークとは言え、数人で囲めばの話だ。

1対1で圧倒するほどの実力者はあの中にはいない。

集落の半数でも20体はいると考えれば、50人規模の冒険者には十分な脅威と言える。


(後ろの20人が着くまでに5分はかかるだろうな。少しは数を減らさないとB班の消耗が大きくなりそうだ)


考えている間に肉眼で戦いの様子を確認出来る距離まで来た。


やはり冒険者達が押されている。


(やはり50人で集落を潰すのはキツいのか……)


そうなると、A班の様子も気になる。


いくら長い年月を生きるレイラインが指揮を取り、回復役を多めに用意したA班でも、オークの物量の前では辛いだろう。(持ちこたえてくれよ)


レグはオークと戦いながら指揮を取っている様で、マップでは位置を掴めているが、その姿は見えない。

詳しい情報を得る前に、この状況を何とかする方が先の様だった。


1体のオークに2~4人の冒険者で対応しているが、この乱戦模様では意識の外にいるオーク攻撃が怖い。


冒険者達が押されているのはそのせいかもしれない。


「エリアス、しっかり掴まってろよ」


うにょん


(アッ! おでこが冷たい、どんな風に掴まってるんだ?)


頭の状況は気になるが、悠長に考えている暇はない。


「サンダーアロー!」


挨拶代りの魔法を放つ。


狙うのは近くのオーク3体。

一般的な冒険者よりも頭1つ以上はオークの方がデカイので、やはり頭を狙う。


狙い通りに3体のオークの頭を潰し、仕止める。


「何だ⁉」

「誰の援護だ⁉」

「雷の魔法だぞ⁉」


俺が仕止めたオークを相手にしていた冒険者達が驚いて周囲を見渡す。


「余所見をするな戦闘中だぞ! C班のヨシタカだ、加勢する!」


大声を上げながら、激しい乱戦の戦場に斬り込んでいく。


他の冒険者の邪魔にならないように走りつつ、オークとすれ違う度に顔や首を豪快にはねて進む。


「レグ! レグはいるか!」


レグの名を叫びつつ、レグがいるであろう場所を目指す。


(あのジイサン、歳のクセにこんな奥で戦うなよ)


冒険者と魔物が入り乱れる戦場の中心でレグは闘っていた。


5体のオークを仕止めた辺りでレグの姿が見えた。


「レグ! 大丈夫か!」

「おお! ヨシタカ!」

「C班は此方に向かってる、もうすぐ着くハズだ。B班の状況は?」

「もう終わったのか⁉」

「そんな事よりB班の状況は!」

「見ての通り苦戦してる」


やはり苦戦してるのか……。


「サンダーアロー!」


レグの声を聞きながら近くのオークを2体倒す。

俺が加勢した事で流れが変わり、冒険者達が纏まった数でオークを囲みだした。これで一旦は大丈夫か。


「お前がこんなにも早くに来てくれて助かった。そっちはもう終わったのか?」

「ああ、オークリーダー1体とジェネラルが1体いたが、10分程で終わらせた。他の連中も直ぐに追いついて来るだろう」

「さっきの魔法はお前のか?」

「ああ、聖魔法の他に雷魔法も使える。サンダーアロー!」


少し苦戦していた連中の援護に1発放った。


粗方戦闘が終わったので、俺の魔法を見て周囲の連中が目を見開いている。


「雷魔法は珍しいのに、アローでオークを1撃か。どおりで早く終わらせた訳だな」


うん。俺の雷魔法の熟練度は中級だから威力も結構あるぜ。(あまり他人には言えないが……。)


それよりも奥のオークだ。


「この奥にいるヤツ等を何とかしないとな」

「ああ、だがお前にはA班にも行ってもらわんといかんからな。お前頼みで悪いが、大丈夫なのか?」

「俺は大丈夫だが、A班の状況を考えれば急がんとな」

「スマンな。最初の作戦で挑めば全滅していたのは俺達だっただろう……」

「弱気になるな、ジイサン歳か?」

「ふっ、歳かもな。これが終わったら、ギルドの職員も引退して孫の世話をするのも悪くないかもな?」


死亡フラグか⁉


「そんな事を言ってるヤツから先に死ぬんだよ。寝言は寝て言え」

「ハハッ!そうだそうだ、恋人や家族の話は戦場じゃあ縁起が悪いんだったぜ。俺も耄碌したな!」


やはりこの世界でも死亡フラグは健在だったか。


「レグ、連絡係をA班に向かわせてくれ」

「内容は?」

「俺がそっちに向かっている、と」

「速すぎないか?」

「このタイミングでいい。俺の移動速度なら、下手をすれば連絡係を追い越してしまう」

「お前ホントに人間か?」

「その言葉は聞き飽きた、早くしろ」

「分かった、おい! ナクファ! キップ!」


連絡係であろう名前を呼ぶ。周囲では戦闘も終わり、冒険者達が息を整えている。


この先から、残りのオーク約30体が近付いている。


(間に合ったか)

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