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第84話:今夜が楽しみだ♪

いつも【いわゆる異世界転生】をお読みいただき、誠にありがとうございます。


ここ数話、戦闘シーンが続いておりますが、皆様方に楽しみ、納得して読んでいただける内容になっておりますでしょうか?


以前にも触れましたが、戦闘シーンは苦手です。

食べ物の話題の方が筆?が進むのです。


拙い文章ではありますが、今後もヨシタカ君にお付き合い頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。

この俺が圧倒してやるゼ!


エリアスから離れる為に俺も走り出した。


オークジェネラルの勢いは変わらないが、腕を上げて攻撃の体勢に入った。

一応、奴も走ってはいるがそのスピードは決して速くない。

オークジェネラルという上位種であっても、軽快な動きは出来ないのだろうか?


「サンダーランス!」


牽制で1発お見舞いする。オークリーダーにだって十分効いたのだからランスで良いだろう。(これ以上、強力な魔法になると扱いが厄介だ)


単体の対象に対しては、ランス辺りが一般的には最も強力と思われている。

実際にはもっと強力な攻撃魔法の使い方や、広範囲に同時に攻撃する為の魔法があるが、そういったモノとなると熟練度や消費魔力の関係で、魔法使い達が手を出したがらないのだ。(もっと精進しろ!)


今はぶっつけ本番になるので控えているが、試してみたい思いはある。


よし! 胸の辺りを狙ったサンダーランスは、左腕でガードされたが、確実に腕にはヒットした。


(嘘だろ……)


オークジェネラルの左腕は黒く焦げてはいるものの、大きなダメージにはなっていなかった。


ランスが当たった瞬間、左腕を潰せたと確信し、あわよくば胸にもダメージがいけばいいと思ったのだが、結果は大きくかけ離れている。多少のダメージはあるが、腕はちゃんと機能してる。


クソッ!


お互いに至近距離まで接近した。


向こうは大きな棍棒らしき武器を振り上げるが、神気刀で受け止める様に見せかけて真っ二つにしようと構える。


ガキンッ!


えっ⁉


今の音何⁉ オカシイよ⁉ 棍棒を受け止めただけだし、神気刀と棍棒が当たった時の音って、金属同士がぶつかった時の音っぽかったぞ!


【総てを断つ】んじゃなかったのかよ!


うおっ! オークジェネラルの動きが速い。

走る姿からは想像出来ない程の軽快な動きで棍棒を振ってくるし、たまに左手で殴ってもくる。


棍棒と何度か打ち合ったが、これまでの様に神気刀が触れた瞬間に切断する事にはならない。


(何でだ! クラウちゃん! 話が違うぞ!)


心の中で、軽くクラウちゃんに抗議するが、返答なんてある訳がないので、全力で後ろに飛んで距離を取り、神眼でオークジェネラルを視る。


これまでの俺の闘いは、ステータス値・スキル・神気刀の3つを頼りに立ち回ってきた。

しかし、オークジェネラルは俺よりも若干ではあるがステータス値が高く、俺は神気刀を持っているおかげでその動きについていけている。(剣術のスキルの効果だ)


それなのに唯一、明らかに勝っている手持ちの武器がその効果を発揮しないのであれば、現状は全くの互角と言ってもいい。


ステータスの内容を見終わらない内に、オークジェネラルが距離を詰めて襲いかかってくる。


?、そういえばさっき神眼で視た際、オークジェネラルの魔力がだいぶ減ってたな? 何でだ?


お互いに決定打に欠け、何度も武器で打ち合う。

隙を突いて身体の一部を狙っても、ガッチリと防がれてしまう。俺も奴も。


何かしらの手を考えようと思い、再度距離を取る。


俺も向こうも肩で大きく息をし、大粒の汗をかいている。


もう1度神眼で奴を視ると、さっきよりも魔力が減っている。


(奴は魔法を放っていないが、何かしらの魔法を使っているのか?)


ちゃんとスキルまで確認すると、その謎がハッキリした。奴は強化スキルの【覇気】を持っていたのだ。


【覇気】のスキルとは、自身の魔力を肉体や武器に纏わせ、身体能力や武器の性能を一時的に引き上げるというモノだった。


(クソッ、何でもアリの便利な世界だな!)


この世界の主神に怒りを覚えたが、タネさえ解ればこっちのモノだ。時間を稼いで奴の魔力を使い切らせれば俺の勝ちだ。そんなに時間はかからんと思うしね。


元々、オークという種族は魔法を使うイメージのない種族である。結構な上位種であるこのオークジェネラルですら、魔力量は多くない。


神気刀の効果には疑問が残るが、それは後回しでいい。今はコイツの健気な闘いに付き合おう。

魔力が尽きた瞬間、コイツの命は終わるのだから。


そう思ったら心にゆとりが生まれる。


自分からオークジェネラルに近付いて、再度打ち合う。


空は少し薄暗くなり、エリアスは腹を空かせている頃かもしれない。

そういえば、俺がこの集落を襲い初めて20分は経っていないと思う。


目の前にいるオークジェネラル達、上位種が現れるまでには5分もかかっていないし、オークリーダーとの戦闘ですら直ぐに終わった。

このオークジェネラルとの打ち合いにのみ、時間を費やしている。(もうすぐ終わるけど)




オークジェネラルと打ち合い始めて10数分、待ちに待った瞬間が訪れた!


俺が降り下ろした一撃が、オークジェネラルの持つ棍棒をぶった切り、奴の左肘から下を切り落とした!


「ブゴォーー!」


(キターーーー!)


こうなれば此方のモノだ。


「サンダーアロー!」


超至近距離からのサンダーアローを顔面にくれてやる。


「ブオッ!」


一瞬怯んだオークジェネラル。ダメージなんて期待してない。

この隙に、奴の右腕も二の腕辺りから切断する!


「ブゴ! ブゴ!ブゴー!」


痛みに声をあげているのかな? 兎に角、声が大きくて五月蠅い。


脳内マップでエリアスの位置を確認すると、俺達の方に向かっているのが確認出来たので、コイツもエリアスの肥やしに決まった。


相変わらず五月蝿いオークジェネラルにダッシュで近付き、横をすり抜ける様に駆け抜けつつ、奴の右太股を切断した。


通り越して奴に視線を向けると、バタバタと地面でのたうち回っていた。

流石にこの程度で簡単にくたばる程、ヤワな生き物ではないので放っておこう。


「エリアスー!」


エリアスに向かって声をあげ、小走りで近付く。


ぴょんぴょん!


飛びついてきたエリアスを両手でキャッチ。


「ちゃんと倒せたか?」


ぴょん!


「そうかよくやったぞー」


なでなで


ぷるぷる


エリアスを神眼で視たら、レベルが16になっていた。


「エリアス! レベルがだいぶ上がってるぞ!」


ぴょん


超格上であるオークリーダーの経験値か、俺が倒したオーク達の経験値なのかは判断出来ないが、これで最優先課題は達成したな。


今夜が楽しみだ♪

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