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第73話:断る理由が無いわな

ギリギリ本日の2話目です。


宜しくお願い致します。

めんどくさいが約束は約束だ。食堂に行くか…。


「じゃあ、食堂に行ってくる。」

「あのカレーライスを食べたら驚くだろうな♪」

「そんなに美味かったか?」

「ああ!カレー粉とは違う形だったが、確かにカレー料理だったし美味かったぞ。」

「今度、俺が出ていく前にカレールウも渡すよ。キノコや新鮮な魚介類にも合うぞ。」

「それはありがたい、楽しみだ!」




食堂に入ると、みんな準備万端で待ち構えていた。


「お待たせしました。」

「いやいや、気にしないでくれたまえ。君も明日の準備で大変だろう?それで何を食べさせてくれるのかな?」


期待のこもった目で問いかけてくるバルム子爵。

よく見ると、子爵家の全員が同じ感じだった。


「持ってきた食材を色々と調理しましたからね、面白い料理をご披露しますよ。」


仕上げ用に準備された調理台にカセットコンロをセットして、寸胴を温め始める。


「この匂いはカレー料理かね?」

「はい、カレーライスと言います。後でお出ししますね。」

「そうか、先ずは何が出てくるのかな?」

「ヨシタカさんの料理は知らない物ばかりで楽しみですね。」

「ありがとう、ベルハルト。」


さてと、何を食べさせようか…。



よし!


「先ずはこちらからお召し上がりください。」


料理を取り分けてメイドさんに配ってもらう。


「ヨシタカ君この料理は?」

「はい。八宝菜と麻婆豆腐という料理です。」


今回の俺のチョイスとしては、野菜料理に相等する八宝菜、メインに相等するであろう麻婆豆腐、スープは準備してないので割愛させてもらう。

八宝菜は汁気があるし、麻婆豆腐は飲み物と思えば大丈夫だろう。


「八宝菜と麻婆豆腐かね?」

「そうです。両方とも故郷の隣の国の料理でして、八宝菜の八宝とは沢山の食材を使った料理という意味です。麻婆豆腐は先日、湯豆腐でも使用した豆腐を美味しく食べる料理です。どちらも汁気が多いのでスープは用意しておりません。どうぞお召し上がりください。」


皆が興味津々といった顔で2つの料理を見比べている。


今日、俺が作った全ての料理は若干ではあるが、味を薄めに作っている。カレーにしても、若干ではあるが水を多めにして作った。

これからの事を考えれば、俺も基本的にはこちらの料理を普通に食べられる様にする為である。

いきなりは無理があるので、少しずつ薄味に慣らしていこうとしているのだ。


普段からコショウ等の香辛料に慣れた子爵達が食べても、ちょっと濃いかなと思う程度だと思う。


「ではいただくとするか。」

「ええ。」

「そうですね。」

「楽しみです。」


パクッ×6


どうだろうか?


口に合わなかったか?


「美味いな!」

「ええ、本当に美味しいわ。」

「八宝菜でしたか?いろいろなお野菜が入っていて、食感も豊富で美味しいですね。」

「母上、麻婆豆腐も美味しいですよ!」

「ちょっと辛いですが美味しいです。」

「か、辛い…。けど、美味しいです。」

「麻婆豆腐だったか、私にはそんなに辛くないがこれも美味しいな。」

「やっぱりお豆腐は美味しいわね。」

「湯豆腐も美味しかったですが、こちらも美味しいですね。」


お子様の2人には中辛の麻婆豆腐も辛かったか。

他の人達には好評みたいで良かった。



カレーもだいぶ温まったし、配ってもらうか。


土鍋のご飯をよそって、ルウをかける。横にシャドーバードの唐揚げを2個添えて完成だ。


生野菜のサラダと唐揚げカレーをメイドさんに配ってもらった。


「米にカレースープをかけているのかね?」

「いえ、確かに米にかけていますが、スープではなく濃厚でとろみのついたカレールウをかけていますので、米とルウを一緒に食べてください。横にはシャドーバードで作った唐揚げという料理も添えています。お口直しに生野菜のサラダをどうぞ。」

「うむ。それにしても良い香りだ、いただこう。」


パクッ!


「!」


パクッ!パクッ!


「これは美味い!本当に美味い!」


パクッ!


「ええ美味しいわ。」

「少し辛いけど、嫌な辛さじゃないので、手が止まらないわ。」

「ヨシタカさん!お代わりを貰えますか⁉」


早いなベルハルト、ちゃんと噛めよ?

いくら【カレーは飲み物】という言葉があるからってよー。


「お代わりはあるけど、よく噛んだ方がいいぞ?」

「美味し過ぎて噛むのを忘れてしまいましたよ。」

「私にもお代わりをください!」

「私もです!」


おっ!お子様がたもお代わりか、少なめにしたからな。


「ええ、どうぞ。ご飯もルウもまだまだありますからね。」

「ヨシタカ君!この唐揚げも美味いね!これも貰えるか?」

「すみません。唐揚げはそんなに用意できなかったのです。」

「そうか、残念だよ…。」


ごめん子爵、嘘をつきました。

本当は唐揚げも大量に作ったが、カレーに比べれば作るのが面倒なのでお代わりはなしだ。




結局、子爵達は全員がカレーのお代わりをした。


喜んで食べてくれたのは嬉しいが、明日からの討伐作戦に参加せずに、子爵邸で料理を作らないかと言われてしまった。

勿論断ったが、子爵は本気で残念そうにしていた。


子爵一家が嬉しそうにカレーを食べていると、エリアスも食いたそうにしているのがわかったが、少し前にメシを食ったばかりなので我慢させた。

最近のエリアスは食欲旺盛でビックリするよ。


子爵達の食事が終わったので、調理場に戻ろうとしたら子爵に呼び止められた。


「ヨシタカ君、明日の事で伝えたい事がある。談話室に行かないか?」


断る理由が無いわな。

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