第4話:万物創造‼
「だが断る‼」
スパーーン!
「モッカイ死ぬか? 正真正銘死ぬか? 魂すら死ぬか? アアァン?」
「ゴメンナサイ、無理っス、謝るから首を絞めないで……」
そう、俺は恒例(?)の便所スリッパで叩かれたあと、こめかみに青筋を浮かべた神様に、首を絞められ体が浮いてる宙ぶらりん状態だった。(怒った神様怖い~)
◆◆◆◆◆
「ハァ、ハァ、どうして嫌なんだ? ファンタジーだぞ? ケモノ娘だぞ?」
「ハァ、ハァ、ファンタジーは好きだけど、そういった世界は飯が不味いって決まってるじゃん? 飯が不味いって俺には無理っス」
お互いに軽い酸欠状態で向かい合いながら問答が再開され俺は本音を言った。
食は大事だ。何を隠そう俺は食べることが大好きだ!
オタク的な趣味以外にも、料理や食べ歩きが趣味でもある。(仕事も食品・飲食関係)
異世界モノを読んだことがあればわかると思うが、大抵の場合は料理のレベルが低い。味付けが基本的に塩オンリー。
多少の香辛料(主にコショウ)があっても高価なのが相場だ。醤油の無い飯なんて3日でドロップアウトする自信しかない。
ファンタジーに憧れててもそんな環境では生きていく自信がナッシングだ!
「飯か?」
「飯!」
「………」
「………」
「………………」
「………………」
…………。
「フフ、フフフ、ハァーハハァ!」
「?」(神様が腹抱えて笑いだしたよ)
「それならそうと早く言えよ!」
ガシッと、タナトス様は俺の肩に腕をまわしてご機嫌さんになった。(why?)
俺達は何時からマブダチになった?
そんなタナトス様は、不適な笑みで何処ぞのヤマトな技術班長みたいな台詞を言った。
「フッフッフ、こんなこともあろうかと……」
「……あろうかと?」
「こんなこともあろうかと、転生する際には何かしらの力を転生者に授けているのだよ!」
と、どや顔で言い切った!
「それってチートってヤツっスか⁉」
「ああ、お前達の言うチートだ」
マジか!
やっぱりチートって貰えるんだ~。
最近のラノベやネット小説って役に立つわ~。
「流石に我々も神とはいえ、こちらの魂を無責任に送り出す訳にもいかんからな~」
「で! で! どんなチートを貰えるんですか⁉」
「基本的にその者が望む力を授けておるが、お前の希望は食事なのだろう?」
「ちょっと待って‼ 料理を出すチートとか貰っても嬉しくないんで~、何かもうちょっと良い能力みたいなのでお願いしますよ~タナトス様~」
「……」
「……」
「……。ちょっと待て、考えてみる……」
「お願いします!」
「……」
「……」
「! 良いのがあったぞ、これならば文句はあるまい」
「……」
タナトス様は鼻の穴を拡げどや顔をしているが、ダンディーな神様のどや顔なんて、俺にとっては何の食指も動かない。(誰得?)
「お前に授ける力は……」
「力は……?」
「万物創造だ‼」