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第40話:冒険者について説明を受けた

(タバコ吸いてー!)


酒を飲んだからか、心に余裕が出来たからか、タバコが吸いたくなった。

これまでは吸いたいと思わなかったに……。

万物創造で出すことは可能だろうが、吸えばクラウちゃんにバレるだろう。


(ガマンしよ)




◆◆◆◆◆




翌朝、日の出を告げる鐘の音で目覚めた。


時刻は6時過ぎ。


エリアスは俺の枕元で寝ていたが、その姿はちょっと平べったい。


どうやら、リラックスしていると身体が平べったくなり、嬉しかったり興奮すると若干だが、身体が硬くなる事に気付いた。


2度寝はせず、缶コーヒーを飲んで朝食を待った。




◆◆◆◆◆




トマスに呼ばれて食堂に行くと、昨日の朝とは違い全員が揃っていたが、その全員が目の下にクマをこさえていた。


(何時までやってたんだろう?)


「おはようございます。昨晩は楽しめましたか?」

「ああ、おはよう。昨夜も随分と楽しかったよ」

「お身体は大丈夫ですか?」

「正直に言うと朝が辛いね。こんな事はこれまでなかったが、夜が楽しくて仕方がないよ」

「そうね、アナタ」

「レーティングボードは頭が痛くなりそうでしたが、オセロは楽しめますわね~」

「双六もそうですが。ヨシタカさんの故郷というのは随分と楽しみが充実しているようですね」

「双六もオセロもお譲りしますので、皆さんで楽しんでください」

「本当かね⁉ それはありがとう」


そんな会話の中、朝食が運ばれてきた。


今日のメニューは目玉焼き・ベーコン・コンソメっぽいスープ、パンにはバターが添えられていた。

見た目は日本で食べる朝食と変わらない内容に安らぎをおぼえる。


朝食が終わる頃に子爵から、今日の事について話題があがった。


「ヨシタカ君、今夜の晩餐を頼めるかい?」

「それは俺に作れという事ですか?」

「そうだね。醤油という物の興味が押さえられんのだ。頼めるかい?」

「料理長のラオンは良いのですか?」

「それならば心配はいらない。彼も興味がある様で、もっと君の料理を知りたいそうだ」

「わかりました。では、腕を振るいましょう。このあとに冒険者ギルドに行こうと思っていたので、ついでに食材も見てきます」

「冒険者ギルドに行くならちょうど良い。バトラ」

「はい、旦那様。ヨシタカ様が先日捕らえました盗賊の件でご報告があります。件の頭目には懸賞金がかけられており、金貨20枚が報酬として支払われる事になりました。受け取りは冒険者ギルドですので、このあとトマスを一緒にギルドに向かわせます。ヨシタカ様も宜しいでしょうか?」

「ああ。お願いするよ」

「ではトマスに手紙を預けておこう。晩餐を楽しみに待っているよ」


そう言って子爵は出て行った。


「ふふ、晩餐が楽しみね」

「そうですね、待ち遠しいわ」

「ヨシタカさん、私も一緒に冒険者ギルドに行きますよ!」

「お兄様がギルドに行くのですか?」

「私も行きたいです」


ベルハルトが無茶な事を言い出した。


「どうしてお前がついてくるんだ?」

「父上も街に行くようにと言っていたじゃないですか、ヨシタカさんとトマスがいれば危険ではないでしょう?」

「俺を護衛に使うなよ」

「いいじゃないですか。これも見聞を広めるためですよ」

「バトラはどう思う?」

「ヨシタカ様とトマスがいれば危なくはないでしょう」

「わかった、連れて行く。ベルハルト、着替えろ」

「もう着替えていますよ?」

「そんな金持ちの服じゃないのはないのか? いかにも貴族って感じがするだろ? ギルドに行くなら目立ち過ぎる。地味な服装に着替えてくれ」

「成程。バトラ、急いで着替えます」

「かしこまいりました」


二人は食堂から急いで出て行った。


「ヨシタカさん、本当に双六やオセロを頂いてもよかったのですか?」

「貴重な物なのではないのですか?」

「貴重と言えば貴重ですが、昨日のうちに子爵とは話がついているのでお気になさらず」

「そうなのですか?」

「でしたらお姉様、オセロで勝負です!」


仲の良い姉妹だね。


「お待たせしました、行きましょうか!」


ベルハルトのテンションがタケー。


「馬車も用意しております」


トマスも揃ったか。


「んじゃ、行くか」




◆◆◆◆◆




馬車に揺られ冒険者ギルドに到着した。


馬車から降りると周囲の視線を集めたが、仕方がないと思う。


ニードラング子爵家の馬車から降りて来たのが、若者2人と執事なのだから。


馬車はギルドの裏手にある駐車スペースに御者が移動させた。


ギルドに入るとその広さに驚いた。


見えている範囲だけでも、学校の教室4つ分はあろうかと思うし、階段もあるので2階もある。


「どうしたんです?」

「いや、広くて驚いただけだ」


半分ウソだ。


俺の目には受付カウンターに依頼書が貼られたボード、飲食スペースにたむろする冒険者の姿が映っている。


正に冒険者ギルドだ!


俺の本当の意味での異世界ライフは、今日ここから始まるのかもしれない!


受付には見目の良い女性が4に男性が1人が対応にあたっていたが、無人の受付があることから、この程度は忙しい部類になはならないのだろう。


並ぶとしたら女性の受付に並ぶが、列の減りが速いところに並ぶ事にした。


「ヨシタカさんは歳上の女性が好みなんですか?」


受付の職員は全員が俺よりも歳上だが、並んだ列の受付嬢は4人の中で年長っぽかった。

それでも20代半ばくらいだぞ。(当然守備範囲)


俺の番が来た。


「おはようございます。ご依頼ですか?」


トマスを見てそう判断したのだろう。


「いや、俺の冒険者登録と懸賞金の受け取りだ」

「ニードラング子爵家当主、バルム・ドン・ニードラング様からのお手紙です。ご確認ください」

「失礼します」


受付嬢はトマスから手紙を受取り、内容を確認すると、


「ヨシタカさん、少々お待ちください」


と、席を離れた。


暫くすると、袋を持って戻ってきた。報酬の金貨が入っているのだろう。


「こちらが盗賊捕縛の報酬、金貨20枚です。お確かめください」


確認せずに受け取ると、


「中を確認されないのですか?」

「こっちには領主がついているのに誤魔化すのか?」


と訊くと、納得の表情をしていた。


「ヨシタカさんは冒険者登録もされるのですね?」

「ああ、頼む」

「はい。それでは冒険者登録とギルドについてご説明致します」


それから色々と、冒険者について説明を受けた。

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