第2話:ファンタジーなのだから!
「誰がオッサンだ!」
スパーーン!
と、なかなか良い音をさせてビニール製の便所スリッパで叩かれてたよ。
鋭いツッコミだったぜオッサン。
「誰がオッサンだー!」
スパーーン!!
再度便所スリッパで叩かれたが、今度は間違いなく良い音がしたぜオッサン。
そう思った瞬間、ふとオッサンが視界に入ると、既にオッサンは便所スリッパを大きく振りかぶっていた。
と、認識したときには既に遅く
スパーーン!
顔面に便所スリッパが炸裂していた……。
不覚にも俺は便所スリッパで意識を刈り取られそうになった瞬間、ふと疑問に思った。
(俺、喋ったっけ?)
と、思いつつ意識を保つと背筋がぞわッとした。
まるで全身の毛穴が開いた様なあの感覚。そして次第に色々な事が気になり始めて冷静になる。
起きてからほんの僅かな時間だが、俺はまだ喋っていない。(ハズ)
目の前にいる人物は初対面だ。(たぶん……)
今、俺は何処にいるんだ?
ここにあるすべてのモノがリアリティーが有り、現実感が無い。
夢か? 普段の俺の妄想が産んだ夢か?
確かに俺は子供の頃から漫画やアニメが好きで、未だにこの年齢でも好きだ! むしろ大好きだ!
オタク的な趣味がある事を両親すら知っているし、俺の人生で小説=ラノベだ!
最近はネット小説で異世界モノが流行っているのを良いことに
「俺も異世界でケモノ娘をモフッてみたいぜ~」
なんて風呂場で暢気に呟いたこともあった。
でも、俺は大人だからわかっている。そんなことはありえない。
だってあれは空想。
そう、ファンタジーなのだから!
某サイド3のギ○ン総帥の如く俺は断言する。
敢えて言おう、ファンタジーなのだから!(心の中で)