第20話:このスピードは徒歩じゃないな
本日はこれで打ち止めです。
宜しくお願い致します。
もしかして、この世界でもスライムは万能なのか?
アホな事を考えるのはやめてメシを作ろう。
サンドイッチは簡単に作れるからいいとして、朝と同じじゃ味気無い。
ここは食材の追加だ!
出すのは、バター・牛乳・砂糖・塩だ。
1つ1つ出して消費魔力もメモる、4~7とリーズナブルだったよ。
いざ調理! と思いきや、調理器具が無いことに気付き、慌てて出す。
ボールと菜箸だ。ついでに紙皿も出す。こちらも消費は2~5。
よし、作るか。
ボールに卵を4つ割り入れ、牛乳に砂糖と塩をそれぞれ少量加えてよく混ぜる。
熱したフライパンにバターを落として軽く溶かす、先程の卵液を半分流し入れて、素早くかき混ぜる。
ある程度、玉子が固まりだしたら食パンのサイズに合わせて形を整える。
食パンを2枚用意し、それぞれにマヨネーズを薄く塗って、フライパンの厚焼き玉子を挟めば完成。
関西では比較的メジャーな厚焼き玉子サンドだ。(マヨを塗ったのはオリジナルだが、本当は辛子マヨがベスト)
同じようにもう1つ作って紙皿に載せ、エリアスの前に置く。
「出来たぞ、エリアス。この白い紙皿は食べたらダメだぞ?」
ぴょん!
ひと跳ねしてから、身体を伸ばしてサンドイッチをくわえる様に身体に取り込む。
水饅頭にサンドイッチが突き刺さっている様に見える。
取り込んだサンドイッチは、じわじわと溶けていく。
よく観察すると小学生の頃、理科の実験で塩酸の中に生肉を入れたのを思い出した。
気にせず食べよう。
エリアスとは永い付き合いになりそうだからな。慣れなければ。(スライムの寿命って短そう…)
パク
簡単だがちゃんと美味い。
玉子に牛乳と砂糖を加えているので、全体的に優しい甘さに仕上がっているが、薄く塗ったマヨがコクを補っている。
おっと、コーヒーを飲もう。
「エリアス、水でも飲むか?」
ふるふる
「いらないのか?」
そう訊くと、俺の缶コーヒーの方に身体を伸ばしてきた。
「この缶コーヒーがいいのか?」
ぴょん!
俺と同じ物がいいのかな?
可愛いヤツだ。
新しい紙皿に少し注いでやると、身体を伸ばしてコーヒーに浸けた。
途端に【ビクン】と弾け、コーヒーから離れていく。
どうやら不味かった様だ。
やっぱり、産まれたてのエリアスに苦いコーヒーは無理だろうな。
口直しにリンゴジュースを出して、新しい紙皿に注ぐ。
「エリアス、こっちを飲みな、甘くて美味しいぞ?」
するとエリアスはササッと寄ってきた。
リンゴジュースに身体を伸ばして、勢い良く吸収していく。あまりの勢いに、一瞬で無くなった。
元々、紙皿は薄っぺらいのでたいした量は入らない。
直ぐに追加してやった。
やっぱり甘い方が良いみたいだな。
そんなこんなでメシを食っていると、街道を軽快に進む複数の気配を感じた。
(このスピードは徒歩じゃないな)




