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第12話:何を食おう

戦闘シーンに苦戦しました。

頑張った結果をご覧ください。


10月18日17時40分頃に文章を訂正しました。

皆様、申し訳ありませんでした。

そして、内容がおかしい事を教えて下さった読者様、ありがとうございました。


以後、気をつけてますので、これからも宜しくお願い致します。

そうと決まれば、1発ブチカマス‼


距離は約6メートル。相手は3体、食事中の様。

ここは森の中、使う魔法は雷魔法。(火魔法は森では危険だ、火事が怖い)


魔力はあと38。足りるだろう。


ゴブリンは魔物といえど、最底辺の雑魚だ。

俺のステータスなら相手にすらならないハズ。1発当てれば倒せるハズ。



……駄目だ!上手く呼吸が出来ない、喉が渇く、刀を握る掌が汗で濡れている。


大丈夫だ。俺は強い。奴等は雑魚だ。


やれる! やれる! やれる!


よし! いくぞ‼


「サンダーアロー!」


その一言と同時に、3本の雷の矢がゴブリンを射抜く様にイメージする。

刹那的に、俺の視線上に雷の矢が生まれた。


「ギ、ギャ?」


俺の声で1体のゴブリンは此方に気付いた様だ。一斉に声のした方に身体を向ける。


(遅い!)


俺が生み出した雷の矢は3本の軌跡を残し、ゴブリンの身体に吸い込まれてゆく。


6つの瞳が俺の姿を捉えたときには既に、雷の矢がゴブリンの身体を貫いた後だった。


「ハァ、ハァ、ハァ……」


刀を持ったまま思わず座り込む。


ゴクッ、


心臓が異常なまでの振動を伝える。まるで自分が生きている事を主張している様だ。


呼吸も荒い、身体が綺麗な酸素を欲している。


喉の渇きに気が付き、急いでギフトで水を造り出す。

刀を手放し、2リットルのペットボトルを抱え、浴びるように喉に流し込む。


ングッングッ、ングッ


2割程飲んだとこで落ち着いた。


魔物とはいえ、命を奪う事にビビったのか? 違う!


これはゲームでも妄想でもない、現実だ。昨日までの生活には戻れない。

意気揚々と浮かれていた自分が、単純過ぎてマヌケに思える。


情けない……。


強烈な鉄の匂いに顔を向けると、ゴブリンの屍と血の海が目に入った。


(ゴブリンの血も赤いのか……)


ゴブリンを殺した罪悪感は無い。


たった一言。


そう、俺のただ一言の後で、3つの命が消え去った。そんな理不尽な世界に恐怖した……。


早くこの場所から立ち去りたいが、やることがある。

魔石の回収だ。異世界モノのお約束は健在なのである。


俺の事情なんてお構い無しに……。


魔物の身体の何処かに、必ず魔石がある。これは絶対だ。


魔石を持たない魔物はいない。


例えばだが、この世界にもウサギが存在する。また、ウサギの様な魔物もいる。数は少ないが、魔物の様な大きなウサギもいる。


これらを区別するのは魔石の有無だ。

魔石の有り無しで、動物か魔物かに分類される。


俺が嫌々ながらも、魔石の回収をするのも訳がある。


魔物の死体から、魔石を取り出さず放置しているとアンデットになる。要はゾンビだ。

これを防ぐ為に必要な処置だが、魔石は金になる。


こっちの世界では、電化製品の代わりに魔道具が普及している。生活には必要不可欠で、電気や電池の代わりに魔石がエネルギー源として利用されている。


金持ちも庶民も魔石を消費する。いくらあっても困らないそうだ。


強い魔物程、魔石が大きくて魔力の内包量が多いそうだが、魔石ならなんでもいいらしい。


質より量か……。


魔物から取り出した魔石は街で売れば金になる。

ゴブリン程度の魔石は、売っても安い。


もっと魔物を倒して魔石を手に入れないとだめだ。


生きていくために!


魔石を回収して、逃げる様にその場から立ち去った。




暫く歩けば目的の川に到着した。


今日はこの辺りで野宿だ。原始的な野宿なんて初めてだが、キャンプ感覚で木の枝や葉っぱを拾いに、周辺を散策する。


時刻は17時を過ぎているので、さっさと焚き火の火を起こさなければ暗くなってしまう。


だいぶ木の枝も集まったと思った頃、草が生い茂った辺りから魔物の反応があった。距離は5メートル程先。


持っていた枝や葉をアイテムボックスにしまいつつ、ゆっくり近づく。


膝まである草が生い茂る先に、バスケットボールサイズの【水饅頭】があった。いや、いた!


まんま【水饅頭】だ。


表面は半透明で、中心部が薄いグレーの【水饅頭】。(この夏、俺も何度か食べた。冷たい麦茶に合う)


気配感知の反応は魔物を示す。マップ上でもスライムと表示している。


ゴブリンとの戦闘では魔法で圧倒したが、今回は慎重になる。


【神眼】、と念じ鑑定してみると、俺のステータスみたいに情報量が多く、ウィンドウに並ぶ文字や数字が邪魔だった。


知りたい情報だけをイメージすると、とてもスッキリした内容に切り替わった。



スライム(Lv:4)

<スキル>溶解・吸収



シンプルでわかりやすいよね。


ステータスの能力値には興味無いので、これで十分。

ギフトは便利だ、神眼も応用が利いて使い勝手が良いな。(スキルの鑑定では、こうはいかないようだぞ)


この世界のスライムはこんな感じなのか。

流石に目や口は見あたらない。(スライムといえば、やっぱりあれを思い出す)


距離は十分にある。今回は刀でいこう!


スライムは特に何をするでもなく、プルプルしている。


ゆっくり近づき 、刀を逆手に持つ。

水まんじゅうの中心部辺りに刀を突き刺す。


スッと、何の抵抗もなく刀は地面にまで突き刺さった。


するとスライムは液体に変わり、ビー玉サイズの魔石を残し、地面に染みを作った。


(スライムも呆気ないな、魔石の回収は楽だが)


そう、ゴブリンの魔石は心臓付近にあったので、死体を切り裂き魔石を取り出した事を思えば、楽で助かる。(大概の魔物は心臓か脳の近くに魔石がある)


魔石を拾い、川の近くに戻る。




少し薄暗くなった頃、焚き火の準備が終わり、火をつける前に、ふと思い付いた事を実行する。


万物創造で【大学ノート】と【3色ボールペン】の2つを、2回に分けて造り出す。


何をするかと言うと、【万物創造】は造り出す物によって消費する魔力が違うし、【魔法】も使用する魔法の内容や規模によって消費する魔力の量が変わる。


これからの活動によっては、万物創造が活躍するかもしれないので、目安がてらメモしようと思ったのだ。


現在わかっている分を書き出す。


シュークリームやチョコ等のお菓子が2~5。

ビニール袋が1。

水(2リットル)が3。

サンダーアローが3本で24。単純に1本で8か?

ノートが2。

3色ボールペンが4。


以上。


ノート片手に火をつける。小さい火をイメージして、


「ファイヤーボール」


すると、ピンポン玉サイズの火の玉が生成され、準備していた木々を燃やし始めた。


消費魔力は2。サンダーアローに比べれば、だいぶ少なかった。


余談だが、魔法スキルで、最もポピュラーなのが火魔法だ。

適性持ちが1番多く、普段の生活でも役に立つので、水魔法と並び重宝される。


不遇な扱いを受けるのが、土魔法持ちで、あまり役に立たないハズレ魔法と言われている。


焚き火と少し距離をとり、地面に胡座をかく。

辺り一面、木々や草に覆われた森の中。静かに燃える炎が、周囲を照らす。


空を見ればかなり暗くなっている。

気付けば、18時をとうに過ぎていた。

焚き火の原始的な明かりでは、心許なく感じてしまうのは、日本人の悲しい性だろう。


残り魔力は48。


アウトドア用のランタンでも造り出そうとしたとき、感電した様な感覚に襲われた。


どうやらイメージ自体は出来たのに、魔力が足りず失敗したらしい。


魔力を確認しても48で変化は無い。(ランタンってどんだけ魔力がいるんだ?)


ランタンを諦めて食事にしよう。


「さて、何を食おう」

戦闘(?)シーンはいかがでしたか?


ご指摘、ご意見お待ちしております。

宜しくお願い致します。

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