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第103話:あ~~、癒されるわ~

皆様、新年あけましておめでとうございます。


年末年始に投稿が出来ず、申し訳なく思っております。


本日から投稿を再会させますので、宜しくお願い致します。

イースなのか?


「俺の実力を見せてやる!」


バカが俺への対抗意識剥き出しで飛び出した様だ。


土煙がオークリーダーの姿を隠している所にイースが向かって行く。


あのバカがフライングをした形なので俺は出遅れた様にも見える。実際はヤツの飛び出しは無謀でしかない。


約30メートルなんて距離は一瞬で詰める事が出来る距離だ。

俺程のステータスがなくてもイースだって、一瞬でオークの元へ着いてしまう。


煙が収まっていない所へイースが突っ込むが、煙の中からはオークリーダーの声が聞こえている。


それも傷みと怒りの籠った声。


「ガハッ!」


先に煙の中に入ったイースの声がした。


その声に反応し、俺は足を止めて様子を窺うと地面にイースが倒れていた。


土煙が収まりオークリーダー達の姿を確認すると、3体ともダメージを負っており、大小様々な傷が身体中にある。

仕留めきれてはいないが魔法での一斉攻撃の効果は大きかった様だ。


土煙が立ち込める中、イースの気配を察知して怒りに任せた棍棒の一撃がイースに当たったのだろう。


バカなヤツだ……。


「おーい、イース、大丈夫かー?」


軽く声をかけると反応がある。


「クッソ……」


無事な様ではあるがこのままにしておいたらオークリーダーにタコ殴りにされそうだ。

現に奴等はイースに視線を向けている。助けるか……。


再度走り出し、一気に距離を縮める。


「フンッ!」


ダメージを負っているオークリーダー3体を神気刀で切り伏せるが、俺の肌が強者の接近を知らせてくる。

しかし焦る事なく、確実にオークリーダーを倒していく。


「ハァ!」


最後のオークリーダーを倒し終え、視線をオークジェネラルへと向ける。


レイライン達の一団は数名を残して奥のオークへと向かっているのが分かった。

俺の後方ではユインとシュウにイースの仲間と数人が俺の援護をする為に構えている。


今日の俺の最後のノルマであるオークジェネラルとの距離は約10メートルか。

その姿は逞しくて大きな体格をしている。顔は豚のままだが、脂肪よりも筋肉が目立つその身体は、ステータスの高さも相まって並の冒険者からしたら脅威でしかないだろう。(豚の顔も見飽きたな……)


(オークの肉は普通に美味かったが、上位種の肉はまだ食べてなかったな。オークジェネラルの肉はどんな味がするんだろうか?)


「ブフォォーーーー!!」


俺が不謹慎な事を考えているのが分かったのか、オークジェネラルが雄叫びを上げて突っ込んで来た。


「イースを頼む!」


近くにイースが倒れているので、後ろの連中にイースの事を頼み俺も突っ込む。


覇気を持たないジェネラルなんて、俺にとっては二足歩行する豚でしかない。ハッキリ言って雑魚に毛が生えた程度だ。


「ブゴーー!」


大振りな棍棒をかわし、その腕を切り落とす。


「ビギィィーー!」


痛みに声を上げたのか疑問だが、俺の攻撃は止まらない。


反対の腕を肩から切断し、思いっきり蹴飛ばす。


「ウォラァ!」


両手が無いのでバランスが取れず、盛大に地面へと倒れ込むオークジェネラル。

意識はシッカリとしているので、視線は俺に向けて来るがどうしようもないだろう。


「エリアス、任せた」


バッシュッ!


「えっ?!」


俺の視線よりもやや上から雷の槍が生み出され、オークジェネラルへと飛んで行く。


ボシュ!


オークジェネラルへと放たれた槍はその顔に直撃し、頭を粉砕した。


……。


…………。


(今の……何!?)


誰かの援護かと思い周囲を見渡すが、魔法を放った者は見当たらない。俺の近く、それも視線の中から放たれたサンダーランスなのだから、魔法を放った者は限られる。


神眼で雷魔法のスキルを持つ者を確認しても該当する者はいない。


イースの元に駆け寄っていた連中の表情はポカンと呆けており、マヌケな表情をしている。


考えられる可能性は唯1つ。


俺の頭の上にいるエリアスを掌に乗せ、俺と目線を合わせる。(エリアスに目があるのか知らんが……)


「今のサンダーランスはエリアスがやったのか?」


ぴょん!


おう、力強い返答だ。


確かにエリアスには火魔法と雷魔法のスキルがあった。


しかし、至近距離からとはいえ、オークジェネラルクラスの魔物の頭を粉砕する程の魔法をエリアスが放った事になる。


(ウチのエリアスって凄いのかも……)


親バカ的な発想ではない。


いくら俺が深傷を与えていたとしても、【一応】スライムのエリアスが魔法で止めをさしたのだ。驚かずにはいられない。


現にエリアスのステータスは物凄く上昇している。



ーーーーーーーーーーーーーーー


名前:エリアス

性別:無

年齢:0才

種族:スライム?

LV:12

体力:57/78

魔力:32/71

攻撃力:62

防御力:32

俊敏性:43


<スキル>

[魔法]

火魔法(初級)・雷魔法(初級)


[特殊]

溶解・吸収・触手・知性(低)


<特記事項>

ヨシタカの加護・転生


ーーーーーーーーーーーーーーー



格段に成長しとるな……。


相変わらず種族に【?】が付いてるが、今日1日でレベルが11も上がっている。

俺がオーク共を倒した際の恩恵と、先程倒したオークジェネラルの経験値がデカかった様だ。


それと、俺の【加護】とやらの恩恵も大きい事は間違いないだろうな。

取得する経験値が1割も増え、尚且つ俺が持つ【クラウちゃんの加護】の恩恵も受けているのだから、レベルが上がらない訳がない。


ゲームでもそうだが、レベルが高くなるにつれて雑魚を倒してもレベルは上がり難くなる。こんなに順調にレベルが上がるのは今だけだ。


それでもこの成長速度と内容は著し過ぎる。正直なところ、将来が怖い……。


あっ! そう言えば、ガランに預けているカルロだが、アイツのステータスをエリアスは優に越えている。

決してカルロが弱い訳ではない。エリアスが強すぎるのだ。スライムにしては……。


「エリアス~、随分と強くなったな~。あんな魔法を使えるなんて思ってなかったぞぉ~」


おでこをエリアスにくっ付けて軽くグリグリと押し付ける。


うにゅうにゅ


エリアスもお返しとばかりに、身体を押し付けて来た。


(あ~~、癒されるわ~)

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