表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/125

第99話:流石はレイライン、かな

昨日も投稿出来ず、申し訳ありません。


昨日でだいぶ落着きましたので、年内は無事に投稿を続けて行けそうです。


今後とも宜しくお願い致します。

「魔法の合図はヨシタカがやる! 新人にだけ任せる様なヤツはいないハズだ! ここは先輩の意地を見せるぞ!」


『オオ‼』

『やってやるぜぇ‼』

『俺らをナメんな‼』


威勢のいい声が聞こえる。無茶な魔法を試した甲斐があった様だ。


(タナトス様、クラウちゃん、ありがとう)


感謝の想いが届くか分からないが、2人の神様に感謝せずにはいられなかった。


どういう理屈かは解らないが、さっきの魔法の消費魔力は100を余裕で超え、残りの魔力は100を切った。体力も5割強といったところだ。

時間さえあれば魔力回復強化の恩恵もあり、目に見えて魔力は回復するが、今はその時間が無い。もっと魔力が欲しいと切に願ってしまう。


俺の現状では火装炎武は使えない。使ったら魔力が底をつくだろう。

A班での戦闘を考えれば、魔力は温存しておくべきだろうな。



オークとの距離が50メートルを切る。


「魔法使い! 攻撃用意! ありったけの威力をこの1発に込めろ! 最大火力でぶちかませ‼」


魔力感知のスキルを持たない俺でも分かる程に、周囲にいる魔法使い達の攻撃用の魔法に魔力が込められていく。


「まだか⁉」

「まだなのか⁉」


しびれを切らせたヤツが声を発する。(焦るなよ)


「撃てーーーーーー!!!!」


『アイスアロー!』

『ソニックブーム!』

『ウォーターランス!』

『ストーンバレット!』

『ウインドランス!』


10数人の魔法使い達がそれぞれに攻撃魔法を放つ!


それと同時に俺は飛び出した。


「ヨシタカ!」


『ルーキー!』


「先に行くぞ! オークの死骸を回収しに戻って来るから頑張れよ!」


俺は全員で同時に突っ込むとは言ってない。


「ヨシタカに遅れるな! 突撃! 突撃! 突撃ー!!」

「あのヤロォーー!」

「ざけんなぁーー!」

「ぶっ殺してやらぁ!」

「覚えてろぉ!」


先程の魔法による一斉攻撃は先頭を進んでいた数体のオークを倒し、直ぐ後ろにいたオークの足止めになっていた。

この一団の数は20ちょい。決して多くはないし、俺の役割りは上位種のみ。


さっきの無謀な回復魔法を強行出来た大きな要因は、この集落の上位種にある。


雑魚であるオークの先に待機している上位種は3体。種別は3体ともオークリーダーだ。

オークリーダーならば、覇気の心配は無いだろうし、神気刀の一振りで両断出来る。


さっさとヤっちまおうか!


横たわるオークの死骸を踏みつけ跳ぶ、更に目の前のオークの頭を踏み台にして一気にオークの一団を飛び越えた!


膝を使い、着地の衝撃を和らげて後ろを振り向き、置き土産がてら1発お見舞いする。


「サンダーアロー!」


俺の存在に気がついていないオークの後ろから、6本の雷の矢が襲う。


倒したかどうかも確認する事なく、オークリーダーのいる場所に向い駆け出した。


今回は避難しているオークはいないので、後ろのオークとこの先にいるオークリーダーを倒せば終わりだ。

20体を切ったオーク相手ならば、70人もいる冒険者連中で大丈夫だろう。


(見えた!)


3体のオークリーダーが並んでゆっくりと進んでいた。

1体は少し身体が大きく見えるが、神眼によると3体共がオークリーダーで間違いなかった。


俺の中での予定よりも時間を食っている、ここは死骸の状況なんぞ気にせず瞬殺だ。


「ブフィーーーー!」

「ブゴォォーーーー!」

「ブビィィーーーー!」


アチラさんもやる気に充ちている様だ。俺にとっては好都合だな。倒したい相手が逃げずに向かって来てくれるんだから。


「ウオラアァーーーー!!」


飛び上がり、神気刀を上段に構え右のオークを唐竹割りで真っ二つにして後方へ跳ぶ。着地と同時に真ん中のオークへダッシュ。

2体のオークが俺に攻撃をするべく棍棒を振り上げるが、それを最小限の動きで避け、標的にしていたオークリーダーの左腹を深く切り裂きつつ通り抜ける。


(あと1体……)


「ボゴォオーーーー!!」


(凄い声だな)


相当怒り狂っているようだ。顔や身体が興奮して赤くなっている。


「お前なんかに時間を取られる訳には、いかないんだぁ‼」


真っ直ぐ突っ込み、豪快に袈裟懸けの様に斜めに深く神気刀を振るう。


「ブ、ゴッ」


オークリーダーが口から血を吐き出し絶命する。


「終わっ、た……。ハァハァ、ハァハァ」


体力の消費が著しいからか、息が荒く身体が重い。ここまでの疲労感に襲われたのは、この世界に来てからでは始めてだ。


ぴと


エリアスが肩に乗り、その身体を俺の頬にくっつける。


ちょっとひんやりして気持ちいい。


「どうした?」


すりすり


「心配してくれてるのか?」


なでなで


可愛いヤツだなぁ。


「エリアス、俺は大丈夫だ。ありがとな」


アイテムボックスからぶどう味の飴を出してエリアスにあげる。


ふるふる


「俺も栄養補給しとくか」


万物創造で栄養ドリンクを出す。


ファイトが1発でお馴染みの栄養ドリンク。ちょっと奮発して高いヤツを出した。

コンビニで買ったら400円弱もするヤツだ。消費魔力は7と、今の俺にとっては少なくないが、もうひと踏ん張りするから良しとしよう。


栄養ドリンクを飲む際に、プラシーボ効果ではないが、自分自身に言い聞かせて飲むのが効果的らしい。


ゴクゴク


(これを飲んだら体力が戻って元気になる。高い栄養ドリンクだから効果抜群だ)


ゴクゴク


(これを飲んだら体力が戻って元気になる。高い栄養ドリンクだから効果抜群だ)


ゴクッ


(よっしゃ! やったるぞ!)


「行こうか、エリアス」


ぴょん


エリアスが定位置に戻り、脳内マップでレイライン達のA班の場所を確認し走り出す。


森の中でも、普段の俺なら10分程で到着で出来そうな距離ではあったが、脚が重いので10分よりも少しかかりそうだ。(もっとレベルが上がっていれば!)


昨日は魔力が直ぐに回復する事を残念に感じたが、今は魔力の回復にかかる時間がもどかしくてしょうがない。




森を駆け、A班に少し近付いた事で戦況が少し掴めた。


(流石はレイライン、かな)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ