ついにドロドロの一端が見え始める
夏場の暑い中、入り口前に制服の女の子が立っていた。あの子かな?
「えっと、山本文香さんですか?」
彼女は、声をかけられこちらに振り向いた。
「うん。川野翔真君だよね?待ってたよ。」
背は俺より一回り小さく髪は高めの位置でまとめてある。歳は俺と同じくらいか。
てか可愛い!何この子可愛いんだけど。やばい緊張してきた。
えっと確か、こういう時はまず相手を気づかって。
「えっと、暑い中外で待ってなくてよかったのに。」
「ううん、中にいたら私見つけらんないでしょ。それに、いきなり呼んどいて私だけ涼しいとこにいるわけにもいかないしね。」
なんかすごく優しいな。しかも何だろ。見たことあるような顔だな。
とりあえず暑いな。
「そっか。じゃあとりあえず中入ろ。暑いしね。」
そう言って俺たちは店に入った。
ちなみに、俺の隣で文香さんの胸のあたりにかなりデカいものが二つ揺れているが、あえて視界には入れてない。
席に座って、とりあえず適当に腹溜まりそうなものを注文し、ある程度食べたあたりで、彼女は俺に向き直った。
「えっと、ごめんね。急に呼んで。あったこともなかったのにさ。」
「それはいんだけどさ、あの、話ってなんですか?」
「敬語なんて使わなくていいよ。同い年なんだしさ。あと文香って呼んでくれて構わないから。」
「じゃあ、俺も翔真でいいよ。えっと野坂のことで話があるんだっけ?」
この時点で、緊張はほとんどなくなっていた。なんでだろ?
「うん。そうなんだ。実はさ、夕奈のお父さんが亡くなっちゃってね。」
「え?マジで?」
「それにほら、夕奈ってお母さん離婚しちゃっていないじゃん?」
「あー、確かそんなこと言ってたな。そういえば山本さ、文香さんは野坂とどういう関係なんだ?」
「従姉妹だよ。外向きはね。」
「ん?外向きはってどういうこと?」
「腹違いの姉妹らしんだ。そもそも夕奈と血縁だったこと自体最近まで知らなかっんだけど。」
「なんか複雑そうだな。」
「亡くなった夕奈のお父さんがね、私のお母さんと不倫してたみたいでさ。全く知らなかったんだけどね。高校で同じクラスに私そっくりな顔の子がいて、その子が夕奈だったの。」
そうか、だからさっきこの顔に既視感があったんだ。
「二人で話して親に内緒でDNA検査行ってみたら、案の定父型の方が同じだったんだ。」
「それで姉妹ってわかったのか。」
それにしても、よく俺にそんなペラペラ喋るな。大丈夫なのか?
「そんなに喋っていいのかって顔してるね。」
「顔に出てたか?」
「結構わかりやすいよ翔真。その、お願いもあるって言ってたでしょ。だから包み隠さず言っておく必要があるんだ。かなりハードなお願いになるから。」
なんだろう。こんなこと話すぐらいだから、そのお願いってのが気になる。
「そのお願いってなんだ?」
そう聞くと、文香は少し心苦しそうに下を向いて、そして再び顔を上げた。そして、
「えっとね、簡単に言うと、私と夕奈と一緒に暮らして欲しいの。」
とんでもないことを言い出した。
どうも佐久間真ヒロです
やっと女の子出てきました
でも、メインヒロインじゃないんだよなー
そして、やっとタイトル詐欺じゃなくなってきた
でも結局は、バカの思いつきです
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次回は、少し開きます