そして平凡な高校生活が終わる
7月24日、高校一年の一学期が終わる日。
終業式を適当に聞き流し、担任のありきたりな話を聞き流し、とっとと帰路につこうと教室を出ようとした時、後ろから拳が何かがの衝撃を俺の後頭部を襲い、それに続いて妙にカッコいいうざい声が聞こえてきた。
「おい翔真。なぁーにとっとと帰ろうとしてんだ。これからクラスの野郎どもで夏休みの計画を立てるんだぞ。お前もこっちこいよ。」
見ると、教室の窓ぎわにクラスの半分ほどの男子が集まって、何やら楽しそうに話していた。
「はぁ?何で俺も入ってるんだよ?卓也、俺はな、そうゆうむさ苦しいのは嫌なんだよ。そんな、非モテの集まりみたいなところに居られるかよ。」
「どうせお前は、一人でいてもモテないだろ。いいからこいって。」
そう言って卓也が俺の肩を引っ張り連れて行こうとする。
夏川卓也。高校にきてすぐに俺に話しかけてきた、それなりにイケメンで、それなりにモテそうなクラスメイトだ。
入学早々机に突っ伏し誰とも話そうとしない俺に声をかけてくれたいいやつなのだが、たまに余計なおせっかいをしてくる、気がきくのかきかないのかよくわからないやつ。
「だから行かないって。俺は夏休みはダラダラと一人で過ごすのが好きなんだよ。深夜アニメ見たり、ゲーセン行ったり、ラノベ読んだり、宿題したり、ネトゲやったり、やらなきゃならないことがいろいろあるんだ。遊びたいならあいつらと遊んでろ。あんな見るからにアウトドアみたいなやつらとつるむ気はないんだよ。」
そう。俺はもっぱらなインドア派。ほぼオタクじみた生活を送っている。
せっかくなので自己紹介しておく。
川野翔真、16歳。私立武宮高校に通う一年生だ。さっきも言ったとうり半オタク・・・いや、少しそうゆうのが好きなだけであって別にオタクじゃないな。まぁ、そんなやつたくさんいるよな。うん。
そんなことはどうでもいい。中学のころ好きだった子に告白出来なかった経験から、女の子ににどう向き合えばいいのか分からなくなってしまい、そのせいで高校に入ってから女の子の友達が一人もできなくなってしまった、ヘタレだ。何言ってんだろ・・・
「とにかく俺は帰る。せいぜい楽しい夏を、送ってくれ。じぁな。」
そう言い捨て、俺は逃げるように教室を出た。
終業式ということもあり、今はまだ昼。帰っても親はいないし、コンビニでも寄って飯を買って帰ろう。
「えーと唐揚げ弁当に妹の分の菓子パンっと」
と、カゴにいろいろ入れていたら、突然ポケットで携帯が鳴り出した。
「誰だ?えーと090-57…知らない番号だな。誰だろ。」
とりあえず出てみる。
「もしもし?」
『あ、もしもし?どうも。えっと川野翔真君ですか?』
やば、女の子だ。声的に。
「はい、そうですが」
焦って声が上ずってしまった。
『あの、私山本文香ってゆうの。』
知らない名前だな。
『今から会えない?』
は?ちょっと待て。
「いやあの、急に言われてもすぐには。妹の昼飯とかあるし。」
『あ、別にいいよ。妹さんにご飯食べさせてからで。あ、でも君は食べないで。一緒に食べよ。』
いやだから待て。いきなりなんだ?
知らない女の子から電話が来たと思ったら、あったことも無いのに一緒に昼飯食べよって。
「いやあの、知らない人といきなり食事しようだなんて。ちょっと・・・」
『安心して。君のことは夕奈から聞いてるから。』
ん?夕奈?まさか野坂夕奈か?俺が中学の時好きだった。てゆうか、それだけで安心なんて・・・
『君に話しとお願いがあるの。お願い。来てくれない?場所は○△駅前のファミレスで。』
結構必死だな。どうしようか。
「一応聞いときますけど、変な人とかいませんよね?なんかの勧誘だったり。」
『それは大丈夫。絶対そんなこと無いから。夕奈のことで話があるだけだから。』
まぁ、行ってみるか。悪い人ではなさそうだし。
「わかりました。じゃあ30分後に。」
『ありがとう!待ってるね。』
大丈夫かな。主に女の子相手というあたりが。
それから30分後、妹に昼飯を渡し、適当に着替え指定のファミレスに行ってみた。
どうも、佐久間真ヒロです。
今回もバカの思いつきです。
できれば、前話からお読みください。
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