表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【物語】竜の巫女 剣の皇子【第二部】  作者: ヤマトミチカ
はんぶんこ
33/36

【物語】竜の巫女 剣の皇子 74 白虎の比売

挿絵(By みてみん)




 『綺羅明きらきら』という【真の名】を得たルチェイの瞳は碧から青銀の光へと変わった。

「ソロフスっ♪」

 その彼女が、愛する者の名を満面の笑みで呼ぶ。「やっと、キミの名を呼べた!」

 身体はルチェイなのだが、目つきや仕草が明らかに違う綺羅明きらきらに抱きつかれたソロフスは、戸惑った。

「今までのことは【中】で全て把握している。アタシに緋の巫女を任せたまえ!黒剣を貸して。キミは白の方がいい」

「時間がないんだろ?アタシに任せな!」綺羅明きらきらが青銀の魅惑的な瞳を剣士に向ける。

 ソロフスは「頼む」と、彼女に玄穂を手渡した。

「ありがとう!では、参宿オリオン白虎の比売ひめ!その剣の舞!とくとご覧あれ!みんなには始竜を任せたよ!」

 そう、明るく言い放つ綺羅明きらきらが黒剣を抜いたかと思うと、思いっきり飛びはね、一気に数メートル上空にいる緋の巫女に向かった。

「なんじゃと!?」緋の巫女も驚き避けようとしたが、素早い比売の跳び蹴りを受け、吹っ飛ばされる。

綺羅明きらきらが「緋の巫女!アタシとタイマンだよ!覚悟召されいっ!」不敵な笑みを浮かべて元気いっぱいの拳で緋の巫女を連打する。緋の巫女は攻撃を受け、悲鳴を上げる暇も無く、ボロ布の如く、地面に打ち倒れた。

「ぐ……っ!おのれぇえ!女めぇ!」傷だらけ、泥まみれの緋の巫女は雷撃を繰り出す。

 しかし「がお~っ♪」っと唸る笑顔の綺羅明きらきらは、攻撃を玄穂で軽く払う。「ととさまの雷に比べれば、春風なり~っ♪」比売は目を細め「緋の巫女。アタシのととさまは白虎だ!」意地悪く笑う。「アタシ、とっても強いの♪ごめんね?」

 それを聴いた緋の巫女の血相が変わる。「……くそぅ!またわらわを閉じ込める気か?」

「そんなことは、しないよ?」綺羅明きらきらは静かに微笑む。そして、彼女は「あなた、可哀相だもの」と女を見下ろす。

「なんじゃとぅ?」目を丸くする緋の巫女に

「だって、数百年以上も失恋を引きずっているなんて、哀れ」綺羅明きらきらは冷めた目で女を見る。「でも、キミの気持ち、分かるよ。アタシも失恋決定でさ……」と、遠くのソロフスをちらっと見る。

「でも、キミみたいに!七百年も!ズルズルしないさ!周りに非道い八つ当たりもして!ホントにメーワク!!同じオンナとしてカッコワルイってな!!」比売は腰に手を当て青銀の眼を燃やし、激しく、緋の巫女を怒鳴りつける。

「く、くそぅ!お前に何がわかるっ!」緋の巫女も顔を歪め、金切り声で言い返す。

「キミは、メユイが自分よりもいい子で、かわいいから、悔しかったんでしょ?

キ ミ は!さっさと新しい恋を見つければよかったのさっ!アタシもルーには完全敗北!激しく悔しい!泣いちゃう!だって、今でもソロが大好きだもん!」

「でも、新しい恋をする!しあわせになってやるさ!キミみたいにはならないもん♪」

 比売は舌を出して、美麗な微笑みを緋の巫女に向けた。

「おのれぇええぇえっ!」緋の巫女は、我を忘れ、怒り狂い綺羅明きらきらに掴みかかろうとした。

 その女を、綺羅明きらきらは玄穂で一刀両断にした。「来世で、いい恋を!」


 白虎の比売は倒れた緋の巫女のそばで、そのまま黒剣を高く掲げ、大きく叫ぶ。

「白虎参宿神拳!超奥義!大!爆!発っ!!」

 黒剣の先から放たれた鋭い青銀の光線が、一直線に天下結界を貫く。巨大な炎の半球は膨らみ、轟音と共に、はじけて消えた。

 

 みんなの上に、青空が現れた。




(つづく)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ