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初めての『冒険』 後編

やっと出来上がったです。


1ヶ月かからないで次が書けるようになりたいです(>_<)

 『師範システム』を使ってのレイド攻略……

カナミさんもとんでもない事を発案したものです……

まぁ、私はレベルに関係無いですが、ほかの皆さんはかなりの制限を受けることになりそうですね。


「さぁ、細かい事はシロ君に任せて私たちは準備だよ〜」


「はぁ……仕方ない……皆、こうなったら準備だけはしっかりとしておいてください。いつも以上にアイテム類の準備をしっかりとしてここに再集合という事で……」


カナミさんが言い出して、シロエさんが必要な事を纏めてから皆に告げた。

準備自体はすぐに終わった。

ポーション類やその他のアイテムを買い足すだけの私と違い、ほかの皆さんの方は装備の変更やアイテムの作成等の色々な準備で時間が必要な人もいるようだった。

買い物が終わると一部の人はもう既に集合していた。

しばらくすると皆さんが再び集合した。


「集まったみたいだし、チーム分けを発表するよ〜」


と、カナミさんは告げて、


「それでは、班編成を発表します……先ず、Aチーム、これは主にヘイトを集めたりして、Bチームの援護が主になります」


シロエさんが説明を始めた。

これはきっと、私とルミアースさんにわかりやすいように説明してくれているのかと思った。


「では、Aチームです……直継、忍冬、ぎんがみ、KR、ルミアース、シロエの6人です」


説明してもらっていた通り、守護騎士ガーディアンと回復職が比較的多めでしょうか……


「Bチームは……カナミ、秧鶏、にゃん太、ソウジロウ=セタ、ナズナ、サクラの6人です」


確かに、攻撃担当のチームだけあって攻撃力が高そうな編成だった。


「それでは、パーティを組んで師範システムを使用してください」


シロエさんの指示のもとパーティを組み師範システムを使った。

皆さんのレベルが私より少し多いくらいのレベルまで下がった。


「さて、それじゃぁ、はりきってこ〜」


カナミさんの号令と共に皆さんで出発した。



 レイドエリアに行くまでに皆さんから今回行うハーフレイドについて話を聞いておいた。(主にシロエさんから)

 レイド名は『北より来るもの』という大層な名称だが、初心者用に作られたレイドイベントらしい。

レイドエリアにてレイドエネミーよりドロップするあるアイテムを12人分揃えるとボスエリアに入れるらしい。

ボスを倒すと先のエリアに行けて成功の報酬を手に入れられるとの事だそうだ。

初心者用とのこともあり、イベント自体は凄くシンプルに作られているらしい。

因みに、このエリアでのレイドエネミーのレベルは多いと35らしい。ボスは40あるらしい。


 しばらく進むと看板が見えてきた。


『危険、この先行くべからず』


と、書いてあった。

この先が先ほど聞いておいたレイドエリアらしい。


「さて、みんな〜いくよ〜準備はいい?」


とカナミさんが皆さんに確認すると、


「準備OKです」


私が答えるのと同じように皆さんは口々に準備ができていることを告げた。


「基本的に各チームだけでもレイドエネミーとは戦えるようにはしておいたけど、気をつけて戦ってください」


「それじゃぁ、しゅっぱ〜つ」


シロエさんが告げて、カナミさんの号令でレイドエリアに私たちは足を踏み入れた。


 エリアに入るとそこは凄い吹雪が吹き荒れるエリアだった。

入ると直ぐにレイドエネミーが左右に並んで2体現れた。

ダイアウルフに似ていたが、名前が違った。

『ブリザードウルフ』というらしい。レベルは28だった。


「このエネミーは各チームで各個撃破」


シロエさんの指示が飛んで


「それじゃぁ、わたしたちはこっちいくよ〜」


呑気な感じでカナミさんは告げて左のエネミーに駆け出した。


「カナミ!ソウジがヘイト取るまで待って!」


シロエさんは叫んだがカナミさんは聞かずに突進していた。


「あ〜……もう!ナズナ、障壁を!」


「あいよ」


「こっちは直継を中心に!直継!」


「あいよ、まかせとけ祭りだぜ!」


「ソウジも、ヘイトを取るように戦闘をよろしく!」


「はい、シロ先輩、わかりました!」


シロエさんは自分のチームの指示をしながらこちらのチームの指示を行っていた。


「ちょいや〜」


カナミさんが掛け声をだしながらウルフを2本の剣で攻撃する。

やはり、レイドモンスターだけあり、そんなにダメージは与えられなかったようだった。


「おっとっと……うひゃ〜」


すかさずウルフは牙で反撃しようとするが、

鈴の音とキィンという音によりカナミさんにダメージはなかった。

ナズナさんの『禊の障壁』らしい。


「ありがと〜ナズナちん助かった〜」


「『武士の挑戦』を使いますね」


ソウジさんが言いながらウルフの前に飛び出し、

ヘイトを上昇させる特技を使いながらカナミさんの援護にはいっていた。

その傍ら、にゃん太さんは相手に『ヴァイパーストラッシュ』で攻撃していた。

命中率を低下させての援護を狙ったのでしょうか?

それなら、私は……


「いきます」


言いながら私は『ブラッディピアッシング』で攻撃してウルフの回避率の低下を狙ったが……

無情にも『MISS』の表示が出てしまった。


「失敗してしまいました……」


その横から炎の矢が飛んでいっていた。

確かあれは『フレアアロー』だった。


「ギャン!」


ウルフに大ダメージを与えたようだった。

攻撃したのは勿論、妖術師ソーサラーの秧鶏さんだった。


「サクラさんも落ち着いて攻撃するといいんですにゃぁ」


にゃん太さんは言いながら『ブラッディピアッシング』を使いながらそう言っていた。

攻撃は命中して回避率が落ちる。

ウルフはソウジさんに飛びかかった。


「なんの」


攻撃を受けながらソウジさんは『木霊返し』でヘイトを維持しつつ攻撃も行っていた。


「なら、今度こそ……」


私は援護するために『アーリースラスト』を使いダメージマーカーを設置する。


「サクラちゃん、ナイスだよ〜」


と言いながらカナミさんは『デュアルベット』を使い連続攻撃を行う。

二発とも命中したようで、ダメージマーカーが消えて追加ダメージを与えたようで、結構なダメージを与えたようだった。

そして、秧鶏さんが無言のまま高速で移動していた。

そして、ナイフを使い攻撃を行った。

その一撃は雷のエフェクトをともなっていた。

その攻撃が敵に当たったらしく、敵に電光のエフェクトが表示された。

『ルークスライダー』と『サンダーボルトクラッシュ』という特技を組み合わせて攻撃したらしい。

妖術師ソーサラーを使う人で、近接戦闘をする人がいるということを聞いたことがあったが、見られるとは思っていなかったです……


「ナイスです、秧鶏っち」


とにゃん太さんは言いながら攻撃を行う。

にゃん太さんも『デュアルベット』を使い攻撃した。

攻撃はクリティカルしたようでかなりウルフのHPを削っていた。


「そんじゃぁ、アタイもいきますか〜」


ナズナさんは刀を持ってウルフに近づき攻撃を行う。

命中したようで、まだ『サンダーボルトクラッシュ』の影響が残っているようでクリティカルヒットしてダメージを与えた。

相手のHPがあと少しだけ残ってしまった。


「トドメはもらった〜」


と言いつつカナミさんは再度攻撃を行いウルフに止めをさした。


「ほい、終わり〜シロ君、そっちはどう?」


とシロエさんに声をかけて向こうの状況も確認する。

そうでした。私たち以外にシロエさんたちも戦闘でした……


「あぁ、カナミ、こっちも今終わったよ」


とシロエさんは告げた。

あっちは防御よりの編成をしたと言っていたと思ったのだが、ほぼ同時に倒していたらしい。

それだけでも、皆さんの凄さが何かしら伝わってきた。


「それじゃ、回復よろしく〜」


とカナミさんは回復職ヒーラーの皆さんにHPの回復をお願いした。

ステータスを確認すると、攻撃されていない私もHPが減っていた。

不思議に思っていると、


「ほいほい〜サクラちゃん、これ」


「え?はい」


カナミさんから何かが手渡されたので咄嗟に受け取った。

アイテムを確認すると、アクセサリのようだった……『氷結晶のお守り』?


「……これは?」


私はよく確認しないでつい聞いてしまった。


「あ〜それはね、ここのレイドボスのエリアに行くために必要なんだよ〜あと……なんだっけ?」


「カナミはまったく……それと、入って直ぐに戦闘になってしまって説明できなかったですが、このエリアはこの吹雪の影響でほんの少しずつHPが削られていきます。それを防止するためのアクセサリでもあります」


カナミさんの説明にシロエさんが説明を追加する形で説明をしてくれた。


「なるほどです……ありがとうございます」


そう言いつつ私はアクセサリを装備した。

向こうのチームでも同じようにレミアースもアクセサリを受け取ったようだった。お礼をいう声が聞こえた。


「こんな感じで出てくる敵を倒してお守りを集めながらボスのいるエリアまでいくんだよ〜」


と最後にもう一度カナミさんはこのレイドの説明をした。


「さて、HPの回復も終わったようなので、先に進みます」


全員のHPの回復するのを確認してシロエさんは先に進む事を促した。




ここから先は最初の戦闘のように役割分担して順調に撃破していけた。

モンスターも私たちのレベルよりも高いブリザードウルフ・ブリザードベア・イエティ等が出てきたが、最初の戦闘と同じように皆さんで問題なく倒していった。

そして、必要なアクセサリも順調に集まっていった。

いつの間にか、日が落ちて夜になったようだった。

そんな中、もうボスの出るエリアも手前になって吹雪を凌げる洞窟もあったので、皆でHPとMPの回復のための休憩をしようという事になった。


「皆さん凄いですね……レベルとかそういうのではなくて、なんと言えばいいのか……」


「そうですにゃ……まぁ、こればっかりは経験や今までの戦い等での息の合った戦い方によるものですにゃぁ〜」


先日聞いた答えがこうして実体験として目の当たりにするとレベルの差も関係無いように見えたのでついそのまま


「何か、こうして皆さんをみているとレベルの差なんか関係無いように見えてきますね……」


とつぶやいてしまった。

すると、シロエさんが


「そんなことはないよ、流石にレベルの差が大きければ戦っても負けますよ。因みに、今回のレイドだとボスが最大で約2倍近いレベル差になるかな……正直そのあたりのレベルで出られると勝つのも難しかもしれないですね」


と、シロエさんは教えてくれた。


「そうなんですね……ありがとうございます」


と私はお礼を告げて今回、同じように低レベルのメンバーとして偶然選ばれてしまったレミアースを探してみると一人で休憩しているようだった。

それでも、時折皆さんから声をかけられてそれに答えるという事もしていた。

私は、彼に声をかけにいった。

それは、今回同じ境遇の彼はどう思っているのかという事も気になっていたからだ。


「レミアースさん、お疲れ様です。最初に挨拶しただけで後は別チームになってたので話せませんでしたね」


「あ、サクラさんお疲れ様です。そうですね、サクラさんの方のチームはどんな感じですか?」


「私の方は皆さん凄いですね……とてもレベルが私と同じくらいまで下がっているとは思えないです」


「あ、それわかります。皆さん凄いですよね……特にこちらではシロエさんの指示が逐一的確にされていますから」


「そうなんですね……こちらは皆さん特に何も言わなくても互の動きがわかっているというか、もう阿吽の呼吸という感じでした」


と、お互いにここまでの戦闘等の感想を一通り話した。

ついでと言ってはなんだが、今後の約束でもしておこうかなと思ったので、つい


「そういえば、今度もし問題なければクエストにでも行きませんか?」


なんて聞いてしまった。

すると、レミアースは


「僕でよろしければ、よろしくお願いします」


と、返事をしてくれたので、


「それじゃぁ、フレンドリストに登録しておきますね」


本人に了承を貰ってフレンドリストに登録をした。


「さて、それじゃぁ、そろそろボスと戦いにいきますか〜」


カナミさんがそう言った。


「そうだね。それじゃぁ、皆さん、ボスエリアに行く前に装備やアイテムの点検をしておいてください」


シロエさんの的確な指示の後に私たちも点検や準備をしてからボスのエリアに移動した。




ボスエリアは、更に吹雪が強かった。

いままでのゾーンよりか雪の量が多くて視界が少し悪い。

しかし、吹雪によるダメージはアクセサリのおかげで問題なかった。


そんな中、吹雪の向こうから『ドシン、ドシン』と大きな地鳴りがして、吹雪に大きな影が映る。


「ボスがきました。攻撃チームはボスの背後を取ってください、こちらはボスの攻撃を引き受けます」


「りょうか〜い、こっちはまかせてシロくん。皆、いくよ〜」


シロエさんの指示とカナミさんの号令で皆は一斉に動き出した。

私も遅れないように皆さんについていった。

回り込む際にボスの姿や名前等をを確認すると……『ブリザードマンモス』レベルは40とあった。

……マンモスって……ひねりが無いのかどうなのか……とはいえ、レベルは40……先ほどシロエさんが言っていた厳しいだろう数字だった。

しかし、皆さんはそんな事を気にする様子もなく位置取りをする。

まぁ、今更考えたところでやることは変わらないのだったら、動いてしまった方が早い。


「先ずは直継から、その前にレミアースは直継に『リアクティブヒール』をしたあと、チームメンバーに『リアクティブエリアヒール』を」


「おう、任せとけ!」


「は、はい」


「ナズナさんはそちらの皆さんに障壁をお願いします」


「あいよ〜まかせときなって」


シロエさんの指示に答えるレミアースさんと直継さん。

ナズナさんにも指示がでていたが、彼女はもうキャストタイムに入っていた。

レミアースさんは、あたふたした感じで返事をしていた。

そして、直継さんは『タウンティングシャウト』を使い、レミアースさんは指示された通りに特技を使った。

私たちは無事マンモスの後ろに回り込めた。

マンモスはパオーンという感じで鳴いたあと、鼻を振り上げた。


「鼻の攻撃がきます、攻撃班と直継以外はマンモスから離れて」


シロエさんの指示のもと、鼻を躱す皆さん。

今の一撃で直継さんのHPはかなり減ったようだった目測で半分かな……が、レミアースさんのかけた『リアクティブヒール』と『リアクティブエリアヒール』の効果で8割まで回復したようだった。


「ぎんがみさんは、直継に脈動回復」


「おう」


と答えて『ハートビートヒーリング』を使うぎんがみさん。

そして、直継さんはヘイトを稼ぐために『タウンティングブロウ』で攻撃していた。

そろそろヘイトもあちらが稼いでるかな……と思っていると……


「攻撃班は攻撃を開始してください」


シロエさんからの号令によって私の周りの皆さんが一斉に動き出した。

皆さん何故か口々に言葉に出しながらだった……それでも、皆さんの攻撃は少しずつボスのHPを削っていた。

が、まだ1割……先は長そうです……私は『アーリースラスト』を使いましたよ?

と、そんな最初の最初の事は置いておいて……皆さんがバッドステータス等の付与をしているので、私もそれに続いて攻撃をする。

今回は『マルチプルデッツ』を使い皆さんの付与したバッドステータスの援護を行う。

時折、シロエさんからの注意や指示を受けて、そのように私を含めた皆さんで動く。

そんな風に皆さんで攻撃をして、シロエさんたちのチームがヘイトを稼ぐ……そんな風に安定して戦闘をしていた。

……シロエさんが難しいと言っていたのも言いすぎではないか……そう考えていた時だった……


「みなさん、そろそろマンモスの攻撃パターンが変わるから注意して……」


シロエさんが言い終える前に今まで鼻だけで攻撃していたマンモス雪煙をあげてがシロエさんのチームに向かって突進をした。

煙が収まったあと、シロエさんのチームのHPは……なんと、直継さんが倒れていただけだった。

恐らく、『カバーリング』を使って皆さんを守ったのだろう……あの一瞬でそこまでできるなんて……


「二人共、直継の回復を……忍冬さんはしばらく一人で耐えてください」


シロエさんはつげて、体勢の立て直しを図る。


「ふうっ……助かったぜ祭りだぜ……サンキューな」


復活した直継さんはお礼を言っていた。


「私たちはまたまわりこむね〜」


カナミさんが言って、私を含めて皆さんまわりこもうとする。


「待って!マンモスのブレスが来……」


駆け出した皆さんにシロエさんが注意しだすのと同時にマンモスが鼻から大きく息を吸い込み、一気にブレスを吐いて攻撃してきた。

複数回のダメージ判定があったらしく、最初に張ってもらった障壁が一回目に消えてなくなり、2度くらいダメージが入った……

それだけで私たちのHPはほぼ無くなっていた……


「カナミたちは一旦引いて回復を!」


指示を受けて皆さんマンモスから距離をあける。


「こっちの二人もあちらの回復を!」


「は、はい!」


「おう!」


ふたりも私たちの回復にまわってくれた。

そのあいだに直継さんのHPはほぼ回復していた。

私たちが回復している間、シロエさん達だけで戦っていたが、守りを重視して戦っていたので損害はほぼなかった。

私たちが回復したあとで、シロエさんは


「あのブレスは直ぐに使用できません。次のブレスをしのいだらみんなで総攻撃します」


そう告げたあと、マンモスの様子を伺うシロエさん……

マンモスが再度大きく鼻で息を吸い込んだ……ブレスが来る……


「直継、カバーリングとキャッスルオブストーンを!」


「おうよ!」


直継さんは返事をしながら両方の特技を使用した。

ブレスの一撃を直継さんだけで凌ぐと、


「今です!」


シロエさんがタイミングを告げると皆一斉に移動開始した。

私たちはまた、マンモスの裏側にまわって一斉に攻撃を開始した。

先程の総崩れした事が嘘のようにあのあとは問題なくボスのHPを削っていく……

シロエさんたちのタウンティングはもう、凄いとしか言い様がなく、あのブレスの攻撃以外、大して攻撃をされていない。

しかも、そのこっちにくる攻撃はソウジさんが受け持ったり、ナズナさんの障壁により阻まれて大ダメージはなかった。

マンモスの残りHPが残り1割を切り、再度鼻を振りかぶり、息を大きく吸い込んだ……


「ブレスが来ます。後ろにいるメンバーは大丈夫なので、そのまま攻撃を。こちらは、忍冬が前進して、カバーリングと完全防御で」


と、シロエさんから指示が飛んできた。

なので、こちらは攻撃を継続する。

向こうは指示どうりで攻撃をいなしたらしい。

もう、MPもほとんど残っていない、HPだって、多分一撃貰えばダメでしょう……実際、そうでしたし。

私たちはもう残り無いMPを使って畳み掛ける。


「みんな〜あと少しだよ〜がんばれ〜」


カナミさんが激励?をしながら攻撃する。

みんなも続いて持てる攻撃力の最大の攻撃をだす。

なんとかマンモスのHPを削り取り、倒すことが出来た……マンモスが倒れると吹雪も止んだ。

しかし……多分、危なかった……少しの失敗で全滅もありえたかもしれなかった……


「では、ドロップアイテムは戻ってから分配ということでいいですね?」


と、シロエさんが確認をすると、皆口々に賛成していた。


「では皆さん、ドロップ品の確認をお願いします」


皆さんでドロップ品の数や種類を確認して、シロエさんはマジックバッグに仕舞った。


「さて、これからが一番見せたかったんだ〜サクラちゃん、レミ君、こっちだよ〜」


と、カナミさんは私たちを呼んで奥のゾーンに進んでいった……

みなさんも口々に行く事を勧めたので私たちはカナミさんについて行った。


そこは、浜辺だった……しかも、流氷が漂っていて、丁度朝日が昇るところだった。


「じゃ〜ん、とってもいい景色でしょ?」


カナミさんは自慢げに私たちにこの景色を誇った。

実際ゲームの画面だったが、今までの景色と違い何か輝いては見えていた。

何かをほかのみんなとやり遂げると何か凄く嬉しかった。


「どう?やっぱ冒険って云うのは初体験って訳よ。だってこんなにすごいもん見れたんだもん」


確かに、今回のこの景色は初めて見た。そもそも、このレイドをクリアしないと見ることもできない景色だった……


「綺麗ですね……」


私はつい口をついて感想が出ていた。


「そうでしょ、そうでしょ〜」


「「はい」」


私たちはそろって返事をしていた。

あとから来た皆さんも揃ったところで、


「それじゃ〜宝箱をあけよ〜と、いうわけでサクラちゃんよろしく〜」


「え?」


「今回はサクラちゃんがあけて〜」


カナミさんが私に開けるように促した。

私は、宝箱の前まで行き、箱を開ける……中には、アイテムがある程度の数と種類があった。

そして、これも皆さんで分けようと思い、それをシロエさんに渡した。


「わかりました。戻ったら皆で分けましょう」


シロエさんは私がなにも言ってないが、察してくれたらしく、受け取ったあとにそう言った。


そのあとは、ススキノからアキバへと戻り、街の中の一角で皆さんと戦利品の山分けになった。

皆さんである程度分けていると、ある刀が目に入った。

性能的にも今の私が装備出来そうなレベルの品だったのだが……よく調べると『秘宝級』だった……私なんかが貰っていいのかと思うと、どうしても、ほかの人に渡した方がいいのではないか……そう考えていた……


「ん?サクラちゃん、それ欲しいの?」


「え?」


私が調べているのを知ってか、カナミさんがそう聞いてきたので、私は少し驚いた。


「まぁ、欲しいと言えば欲しいですが……『秘宝級』……ですよね?これ」


と、気にしていた事を訪ねた。


「そうだね〜『秘宝級』だね〜YOU貰っちゃいなよ、けって〜い」


どこぞの人のような口調でカナミさんはアッサリと決めてしまった。


「え?いいんですか?ほかの人が貰った方が……」


「いいの、サクラちゃんが欲しいって言ったんだし、ほかの皆よりかはサクラちゃんに貰って貰った方がいと思ったからね〜」


と、カナミさんの鶴の一声で完全に決まってしまった。

と、いうより、元々、皆さんは私たちが欲しいと言った物を渡そうと思っていたらしく、問題なく決まった。


「その刀自体もそこそこのレベルまで使えると思うよ。しかも、上級の制作級アイテムの刀の素材にもなっているから便利だよ」


と、シロエさんは刀の説明を補足してくれた。

同じように、レミアースさんも、回復特技の回復率の上昇し、消費MPも少し軽減されるお守りを貰うことになった。

そして、そのあとは、今回のレイドに関する事を話し合ったり、普段の皆さんの事を話したりして時間が過ぎていった……

私自身もこんな色々と話したのは久しぶりだった。

私も、こんな皆さんのように仲のいい仲間ができたらいいな……と思った。


翌日、私はアキバの街の中で声をだしていた。


「あの、誰かクエストを手伝ってくださいませんか?」


我ながら浅はかかとも思ったのだが、これしか思い浮かばなかった。

そして、このくらいしか出来なかった……


しばらく声を出していた……たまに話を聞いてくれる人はいたが話をすると、皆さん『ほかをあたってくれ』という感じになってしまう。

そろそろ今日は諦めて一人でレベル稼ぎに行こうかと思っていたそんななか……


「クエスト?どんなの?私でも手伝える?」


と声をかけられる。


「え?」


私は思わず聞き返す。それは、声をかけられたことにではなくいきなり踏み込んだ質問だったからだ。


「だから、どんなクエスト?教えて?」


「あ、はい、わかりました」


再度聞き返され、私は慌てて説明をした。


「それなら問題なしだね。よろしくね」


「あ、はい、よろしくお願いします。私はサクラといいます」


「あ、私は……」












「……ク……ラ……サクラ?お〜い、サクラちゃんや〜い」


「ん?なに?ジル?」


私が昔を少し思い出している横から彼女は先程から呼びかけていたらしい。


「なんですか?……って、『クレセントバーガー』を買って食べてたのを見てたら、急にボーッとしてたから、どうしたのかと思って声をかけたんだけど?」


「あぁ、美味しさについ昔を思い出していたの」


「ふむ、大災害前の食べ物でも思い出してたの?」


「大災害前ではあるんだけど、食べ物じゃないよ」


「そうなんだ?じゃぁ、何?」


「丁度ジルと会う前から会ったところくらい」


「ふぅ〜ん……あ、レミ君来たよ」


と、ジルが指す方を見るとレミ君がこっちに走って来ていた。

この守護戦士の女性はジリアン、あの時声をかけてきた人だった。

守護戦士だというのに、鎧からの素肌の露出は多い。詳しく聞いたことはないが、何かこだわりがあるらしい。

レミ君は、あれから一緒にクエスト等をしたりして一緒に行動することが多かった。なので、レミアースだと硬すぎるのでレミ君と呼ぶようになっていた。


「サクラさん、お待たせしました」


「レミ君もそんなに急いでこなくても大丈夫だよ?」


「そうそう、サクラは今話題の『クレセントバーガー』を食べてたしね」


「あ〜僕も食べたかったな」


「そうだね。今度みんなで食べれたら食べようか?」


「はい」


「さて、それじゃぁ、すこし戦闘訓練でもしておこうか」


ジルが促したので、私たち3人はアキバの街の外のゾーンへ歩いて行く……

※キャラクター説明


名前:ジリアン

職業:守護戦士ガーディアン

レベル:90


両手持ちの剣を持った守護戦士、鎧は普通のプレートメイル系より露出が多いものを選んでいるが、鎧の性能はほとんど変わらない物を選んで装備しているので防御力は遜色ない。クエストの手助けを求めるサクラに声をかけたのが出会いのきっかけ。それいらい一緒にクエスト等をするようになった。


※大災害後は三人ともレベルは90になっています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

読んでいただきありがとうございます。


なんとか書く事ができました。

しかし、ここまで長くなるなら中編と後編に分けるべきだったのでしょうか……

大人数での戦闘の描写って難しいですね・・・・・・(´д`)

相変わらず、指摘や指導、等を貰えると助かります。

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