第69話 一発屋になりたい
どうでしょう、今日のお題。
一発屋になりたい。
だってそうじゃないですか、わたしはまだ一発屋にすらなれていない。ゼロ発屋ですよ、どんなに撃鉄を引こうがスカばかり。
だからなりたいんです、一発屋に。次弾など贅沢は言わない。一発だけでいい。
もし選り好みできるのなら新作じゃないほうがいい。処女作がいい。あれが何かのまちがいで大ヒットしたなら、今すぐに死んでも困らない。
実はわたしには密かな予定がありまして。願い叶わず寿命などで筆を置くとき、処女作を一番最新の文章で磨き上げて終わるつもりです。
構成など大筋には手をつけず、切り貼りもしない。ただただ文章を最新のものにする。
それこそがあの作品の真の完成であろうと捉えています。だから今はまだ未完成なんですね。
だって読めば直したい。端的に文章が下手くそ。文にねじれがある。緩急がない。リズムがガタガタ。言いたいことはギリギリ伝わるけれど下手すぎて読みにくい。
読みにくいから読まない。だって読めば直したくなる。でもいま直したらそれは真の完成じゃない。いま直しても何年も先でどうせまた直すから。
だから今は読まない。
未来ならきっと使える表現がある。文にねじれはなく、緩急があり、リズムは心地よく、言いたいことは過不足なく、なにより読みやすい。
ですから今は、その来るべき将来へ向けて文章力を磨いているところ。繰り出す新作が常に来るべき未来への鍛錬になっているんですね。
おれごん未来の最高傑作はたぶん処女作です。あれを超えるのが目標ですがどうでしょう、難しいと思います。




