第18話 エイティシックスのサイン会当日ゥ!
旅の恥はかき捨て!
旅の恥はかき捨て!
旅の恥はかき捨てえええええええ!
……3度唱えたんですから大丈夫でしょう。
なにが?
あああ、やってしまった!
おれごんは恥ずかしいやつ!
サイン会って、先生と会話するのがデフォなんです???? そんなガッツリお話しせねばならんのです????
おれごんは人生初のサイン会参加だったので知らなくって。お声かけどころか会話!?
どうして神との対話を強いられて?? 新手の拷問?
「ここに置いてあるサイン色紙を1枚ずつ持っていってくださいね〜」
これでいいじゃないですか。どうして神との対話ができる時間なんてものが存在する?
ニワカファンが。他にいくらでもいる好きで好きでどうしようもないファンを押しのけて、なぜか当選してしまったニワカファンごときが、その物語世界すべてを掌握している神とどうして対話ができよう?
読んだのは既刊14巻中の11巻まで、しかも1巡目。弱き者、その名はおれごん。
「8月から読み始めたんですよ、1週間に1冊ずつ。今は11巻です、今回当たってラッキーでした!」
きちんとお伝えし、先生は笑ってくださって。
つかみはOK、しかし熱量がキモかった。ニワカだと宣言しておいて妙に熱が鬱陶しいやつ。
だって幼少期より血道をあげてきたロボの、ブレイクブレイド完結後唯一シリーズ継続中の追いかけているお作品、平静でいられるわけない。
ですから、こんなニワカファンが花束とか差し入れとか謎行動、いっそ手ぶらで、応援していますのひとことだけお伝えして乗り越えようと。
甘かった。おれごん甘かった。
だって先生は丁寧にお書きになっている。ご自身のご芳名のみならず、私のような民草の名前まで手ずからお書きになられている。
どうしても時間はかかる。時間がかかるじゃないですか。だから沈黙が苦しくて苦しくて。
やっちまった、聞かれてもいないことをめったやたらに雨あられ。
先生も、隣にひかえる編集のかたも、最後は『あ(察し)』みたいな空気に。
なんなんスかあの、異常者をあぶり出す公開処刑は。おれごんはまんまとおっ死んできやしたぜ。
まあ変人の面目躍如といったところですか。
いいえ、よくない!
しばらくサイン会のことは思い出したくないです……。
あ、額縁買わねば。




