第〇話 ○○ ○○
むか~しむかし、あるところに――
<○○視点>
夜を、歩く。
「いろは坂」
砕け崩れた道。
「モンシロチョウ」
薄れていく感覚。
「ネオン街」
火花を散らす電線。
「ひじきのマリネ」
まだ開かれていない缶詰の川。
「モンシロチョウ」
ケージが破れたペットショップ。
「夕暮れの帰り道」
ひっくり返った自動車。
「モンシロチョウ」
黒く染まった液晶。
「作用点」
圧し折れた電波塔。
「ゴッホ」
日の目を見ない才能。
「堕天使」
秩序を忘れた営み。
「蒲公英」
人がいない観光地。
「モンシロチョウ」
血に濡れたブランドバッグ。
「作用点」
誰にも干渉されない環境。
「裸の王様」
何者でもない、一般通過未成年。
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ハハッ……
オリジナル『14の言葉』を唱えたところでどうなるわけでもなく……
どこもかしこも瓦礫の山。マネキン廃棄場かってぐらい死体が転がっている。人がゴミのようだ……!
そこら中に血の池ができてる。割と履き始めのシューズだったんだけどな。血泥で真っ黒けっけ。
何日歩いたっけ……
スクリーンタイムが0になる日が来るなんて。
当選地獄にこんな形で開放されるとは思わなかったなぁ。
夏アニメ、あと1ヶ月で終わるのに……よりにもよって話題作がいくつもある時に限って……
最高に最悪。
私に伸びていた影が遠のいたから、後ろを振り向く。
「センセー……? 疲れちゃった?」
道路のど真ん中に、何も言わずに座り込んじゃってる。
私も隣に座る。
センセーの頭が肩に乗る。
もう、年齢とか、職業とか関係なくなっちゃった。
空を見上げる。
マジで光害ってヤバかったんだな。
一等星だけじゃない、光の粒も黒い海に漂っている。
あーーー……
目に入っちゃった。
見ない方が無理って話だよね。
月。
真ん丸のきれいな夜の灯。
なのに、おかしいよね?
もう何日も夜を過ぎている。
それでも、形は一切変わらない。
地上は何もかもひっくり返ったってのに、空に張り付く月輪は1ミリも歪まない。
満月を、悪夢の象徴に据える日が来るなんて……
ワッ! ダッ! ファーーーーーーーッ!!!




