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お礼の機会がやって来た⁉

「みんなー!今日もダンジョン配信始めるよ!」

:待ってた

:今日はなんか高校の宣伝みたいなことやるんだっけ?

:プリズム☆ステラっていくつかの探索者養成学校と提携してるみたいだもんな

「そうなんだよね。学業の一部免除の代わりに時折こうやって宣伝をすることが私がプリズム☆ステラに所属するってなった時に学校側と交わした契約だからね。」


と言っても、一人でやるんじゃ普段の私の配信と変わらないので今日は助っ人…というか同級生の友人に出演してもらっている。彼女は普段のダンジョン演習なんかでもよくパーティを組んでいるので私も変に気を遣わなくていいのだ。


「それで一人だといつもと変わらないから今日は配信出演Okしてくれた私の友人にも出演してもらってまーす!それではご挨拶どうぞー」

「ハロハロ―使い魔さん達ー!天音ちゃんの強敵()であり相棒の黒狐ちゃんだよ!」

:随分キャラ濃い子が来たな…

:ん?黒い狐面…?

:最近どっかで見たようなスタイルだ。妙だな…?

:探索者養成校の制服に黒い狐面……これまたカオスってますね~


使い魔さん達こと私の視聴者たちも既視感を覚えたみたいだね。…正直私も彼女のこのスタイルを見たのは初めてだから戸惑っている。彼女の名前は狐崎葵ちゃん。普段の演習なんかじゃあんな狐面してなかったのに…白狐さんのファンでもあるのかな?だからか今日の配信中黒狐ちゃんって呼んでと頼まれている。あ、そうだ。私たちは今日は制服でダンジョンに潜っている。宣伝のためだから制服じゃないと意味ないしね。


私達の通う学校は探索者養成学校でもあるけど普通の公立高校でもある。だから私達探索者を志している人たちはダンジョン科という学科に所属という扱いになるのだ。そしてこの制服というのが特別製らしくダンジョンでの実践にも耐えうる素材で作られている。そのため制服でダンジョンに潜っても余程無茶しない限りは防具代わりになるのだ。


「きっと今私を見てこう思ったでしょー?アレ?誰かに似てる?って!正解だよー!なぜなら私は~?探索者白狐さんの実妹なのだー!わっふい!」

:な、ナニィィィィィ⁉

:なんつー巡りあわせだーww

:世間は狭いなw


うんうん。葵ちゃんは白狐さんの実妹なん…だ…実妹⁉

「ええええええええ⁉」

:おや?

:天音ちゃんも知らなかったのか⁉w

:天音ちゃんは絶叫してても可愛いなぁ


知らなかった…!葵ちゃんがまさか白狐さんの妹さんだったなんて!そんな素振り微塵も…と、思ったけど私、白狐さんの本名も教えてもらってないことに気付いた。でも葵ちゃんの話が本当なら白狐さんも苗字が狐崎であることになる。思わぬ情報だ…


「こ、こほん!それで黒狐ちゃん。今日はどこのダンジョンに潜るのかな?」

「今日はねー!ひばりが丘ダンジョンだよ!目的は中層だね!」

:急に台本に戻ったなw

:まぁまぁ、あのままじゃ進行しなかったしね?

:ひばりが丘ダンジョンか。そんなに難しくないと聞くし、こういう時にはピッタリか?

:まぁ、安全マージン取るなら妥当じゃね?


「それで、どうしてひばりが丘ダンジョンなのかな?」

「そ・れ・は・ねー?今日ここに潜っていたらきっと面白いことが起こると思うからだよ!使い魔さん達もどんなことが起こるのか予想してみてね!もちろんただのあたしの勘だから外れるかもしれないけど!」

:おっ、期待してええんか?

:中層だしモンスター的トラブルじゃなさそう

:うーん。なんだろう黒狐ちゃんの反応的にそんな悪い出来事じゃなさそうだけど…


葵ちゃんの言う面白いことの正体は私も知らない。ダンジョンの選定に関しては葵ちゃんが任せてほしいと言うので一任したのだ。でもひばりが丘ダンジョンは初心者向けの難易度だけど何かあったかなぁ…?


そうして私と葵ちゃん…黒狐ちゃんとの連携してのモンスター討伐をしながら中層を目指す配信がスタートした。


:黒狐ちゃん、白狐さんと同じようなスキル持ってるっぽい…?子狐が傍に居るし

:でも武器とか使ってるし前衛の戦い方だな

:黒狐ちゃんが敵に一撃当てて注意を惹いて天音ちゃんが魔法で撃破か。良いバランスしてるな

:ほえー、今の養成学校って結構レベル高そうやな

:いやでもこの二人が上澄みってだけの可能性もあるぞ

:この二人と学園生活できるかもってだけで入学の価値あるだろ

***

上層5層。ボス部屋


「ここのボスは確かモフールシープだったよね。」

「確か攻撃は激しくないけど物理耐性と火耐性がかなり高いんだよね!ありゃりゃ…これじゃ私はあんまり役立たないかも?」

「そんなことないと思うよ。黒狐ちゃん、支援魔法も使えるんだよね?」

「うんー。天音ちゃんがキーパーソンだから支援かけたらひたすらヘイトを稼ぐことに専念するねー?」

「分かった。黒狐ちゃんの負担を出来る限り軽くできるように頑張るよ」


***

「ふぅ!終わったね天音ちゃん!」

「そうだね黒狐ちゃん。お疲れ様、怪我とかしてない?」

「だいじょぶだいじょぶ!このとーり元気満タンだぜぃ」

:黒狐ちゃん役に立たないどころか大活躍でしたねぇ!

:ボスの攻撃パターン全部把握してたっぽくね?ヘイト稼ぎながら的確に敵の攻撃妨害してたし

:規格外の妹もまた規格外なのかもしれない

:おかげで天音ちゃんは詠唱に集中できたもんな。いくら上層と言えどもお前らこんな攻略できる?

:いやー、一発貰わず完封勝利は普通にきびしーぜ。


葵ちゃんはアタッカーだと思ってたけど、回避型ディフェンダーもこなせるんだなぁとしみじみ思ったよ。まさか敵の攻撃の予備動作を見抜いて的確に嫌がらせをしていくなんてね。おかげで私の事は頭からすっぽ抜けたみたいで魔法の詠唱に集中できたから一発で倒せたけど。普段は出来ない立ち回りだから新鮮。


そして中層へ。しかし未だに黒狐ちゃんの言っていた面白いことが起きる気配はない。そうして時に連携をしつつ、時に視聴者の質問に答えつつ、学校での教えに則った探索をして中層の3層に着いたときだった。配信開始からは既に45分程経過している。一応枠は1時間~1時間半で取っているのでまだ時間に余裕はある。そんなときだった。黒狐ちゃんがなぜか3層入り口付近にしばらく留まろうと提案してきた。


「なにかあった?」

「いや?ダンジョンは平和というかいつも通りだよん!でもあたしの勘は当たったみたいだよー?だからちょーっとこの辺りで待機しよっか!良いかな?」

:おー、とうとう面白いことが⁉

:マジでなんだろうな?


そして待つこと数分。突然黒狐ちゃんに動きがあった。

「ん~…?あっ!おにぃだ!お・に・ぃ~~!わっほーい!」

と言って飛び込んでいった。


私も追いかけるとそこには白狐さんがいた。あ、アレ…?なんだろうな。白狐さんの顔(お面)を見ようとするとなんか頬が熱くなってきたし。あ~~~~!あの時お姫様抱っこされた記憶がフラッシュバックしてきた!まともに白狐さんの顔(お面)を見れないよ~…


「急だね、妹よ。それと、風繰さんも。こんなところで会うとは思わなかった。」

「ふっふ~ん!私は今日ここに来ればおにぃに会える気がしたんだよね~♪だから天音ちゃんも連れてきちゃったぜ☆あと!ダンジョン内では黒狐ちゃんだよ!」

「こ、こんにちは白狐さん。私もまさか黒狐ちゃんと一緒にダンジョンに潜ったら白狐さんに会えるなんて思いませんでした…!」


素直な私の気持ちである。まさか白狐さんの配信のチャットにお邪魔する前に遭遇するなんて思わなかったのだ。私の完璧(?)な段取りではまず初めに白狐さんの配信に一視聴者としてお邪魔して、それから白狐さんのDMでお話させていただいてそして実際に会ってお礼するというフェーズに移るって考えてたのに…!心の準備がまだできてないよ⁉


:本当に白狐さんだー!

:今度こそお礼するチャンスだぞ天音ちゃん!

:すげぇな黒狐ちゃんの勘

:個人的に二窓していた価値があったぜ!


「ふふーん準備済みだぜぃ!一緒にど?天音ちゃんも良いよねー?」

「ひゃ、ひゃい!大丈夫。むしろお邪魔じゃなければぜひご一緒させてほしいなと…」


いけない。つい内心悶えていたから二人の会話を聞き逃しちゃった…何を一緒にするの私~⁉


「そ?お昼、調達しようと思ったけど…いらない?」

「いる!天音ちゃんもおにぃの料理食べよ食べよ!だーいじょうぶ!私たちの分もおにぃとシェアすればいいんだよ!」


なんという都合のいい耳なんだ私の耳は!さっきは聞き逃したけど白狐さんの手料理という部分は正確に聞き取ったぞ⁉


「え…っとじゃあ……私も……欲しぃ……です。」

(ひゃー白狐さんの手料理…⁉ま、まだ早くないかな⁉)


あ、いけないいけないつい本音が。そそそれにしても一気に手料理⁉段階飛ばしすぎ…!って何考えてるんだ私は。脳内ピンクか!……うん、認めよう。私は白狐さんが多分異性として好きだ。一目ぼれだ。

まぁ?女の子なら誰だって窮地を救われてお姫様抱っこまでされたら堕ちると思うんです⁉私が白狐さんに一目ぼれしちゃうのもしょうがないよね!(早口)


それから白狐さんの配信に協力することになった。主に白狐さんへの質問の読み上げを葵ちゃんと交代交代でやっただけだけど。


その後は白狐さんの手料理を味わっていたところに葵ちゃんがこんなことを筆談してきた。

『おにぃにあ~ん、したくない?』

白狐さんにあ~ん!?ちょ、ちょっとやってみたい…!あとで死ぬほど恥ずかしくなって部屋で悶えることが分かりきってるけど!


私は頷いた。そうしたら


「おにぃ~!あ~ん!」

と言いながら私の腕を掴んで白狐さんの前に差し出した。

「ん…あり……流石にそれは無理があるぞ妹よ」

「ちぇっ!気づいちゃったか~」


:いいな~白狐さんうらやま

:俺も天音ちゃんにあ~んされたい人生だった

:きっしょ。なんで気付くんだよ


うん。行き場の失ったこの手はどうしたらいいのだろう。ってアレ。私の手にあったサンドイッチが消えている。ふと白狐さんを見ると一瞬人差し指を口に当てているのが見えた。ナイショ…?何が…え!?


この日の配信は忘れられないものになりました。

白狐さんはあ~んを拒否したとか言いましたが。天音ちゃんが恥かいてなにもナシはかわいそうということでご先祖に取ってもらった。ん?ご先祖霊体だろ?…何言ってんのさ。数百年生きた妖怪ぞ?物体干渉くらいできるさ。

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