明日への準備
「明日の8:30には出発しますので、今日中に準備を済ませておいてください」先生が夕食後にそう言った。「じゃあ、また明日。」結崎がそう言った。 「じゃあな。」宮坂がそう言って席を立った。「光四郎?」「あぁ、どうした沙希?」「どうしたのじゃないでしょ。夕食の時間はもう終わりよ。」「あぁ」「ぼーっとしてたけど大丈夫?」「なんか嫌な予感がする」「あなたがそれ言うと、だいたい当たるからやめてくれない」「そうだな。じゃあまた明日。」
その日の夜私がスマホを見ていると、
「おい、雨夜!」「何?」二段ベッドの下から宮坂に呼ばれる。「おい、ちょっと待て」「どした?」「お前なんか、目の色変わってなかったか」「寝ぼけてんだろ。はよ寝ろ。」「そうするわ。じゃっ、おやすみ。」「おやすみー」
明日の校外学習中にはくるか。面倒だが、アイツと邂逅するための犠牲と割り切ろう。数は分からんが、まぁいいだろう。
「それじゃ、全員集まったみたいなので出発します。」先生が言い私達はバスに乗って起動エレベーターの周辺施設へと向かった。
「しっかしデカいな。あのトカゲ。」「あれで毒持ってるなんて末恐ろしいわね」シンガポールミズオオトカゲを観察しつつ、バスに揺られること30分。
「そろそろ検問だな。降りる準備しとけよ。」「わかってるわよ」私はペットボトルをリュックにしまいつつ時間を確認する。「今の時刻は、10時すぎか、まだ大丈夫だな。」降りる準備を終わらせる。