【第二十二話】ほんとにそれで良いのか？：春野千春.txt
愛と別れた。
まあ、なんて言うか、そうなる気がしてた。
浮気が原因じゃないけど、理由の一つではもちろんある。
それに、あのまま愛に付き合ってたら、落ちるところまで落ちちゃうってのがわかってたから。
いや、すでに落ちるところまでは落ちてるのは自分でもわかってるよ？
けど、愛のはなんていうか、際限がないって言うか、一線超えちゃってるというか。
多人数でって言われたときから、心の奥底ではそう思ってたのかもしれない。
今回のことで踏ん切りがついた。
だって、多人数の次は何？ 愛のことだからどんどんエスカレートしていくに決まってんじゃん。
薬でもやりかねないでしょう、アイツ。
そして、それを断るたびに浮気されてたんじゃ、こっちの精神が持たないよ。
それに、おはぎの君の旦那さんの写真を見て、指さして笑い転げるとか。
そういうのはね、流石にね。私無理なのよ。
まあ、それが一番の理由ね。
確かに、なんていうか、とてもふくよかな方だったけども。
なんか、なんていうかホケモンに居そうな人だった、けども。
それを指さして笑うような奴とは流石にね。
それにしても、その時のおはぎの君の目、ぞくぞくするくらい怖かったよ。
わ、私もあんな目を向けられたい……
ど、どうしよう、私本格的にそっちに目覚めちゃったかも？
と、言ってもそう思えるのは相手は、おはぎの君と愛くらいなもんだけど。
何なら愛が三人でやろうって言ったとき、ちょっと期待しちゃったけれども。
それでも、おはぎの君に手を出すのは無理だよ。
本当に刺されるよ、本気の目をしてたよ。
でも、あの時のおはぎの君の目も素敵だったなぁ……
まあ、そんなわけで愛と別れたのよね。
あー、本当に好きだったんだけどな、愛のこと。
で、冬至君と、一応婚約しちゃったのかしらね？
そうなるのよね？
本当にあれでよかったのかしら？
まあ、あの状況でたたないってのは、少しはわかるけど。
私の過去知って、過去一殻に閉じこもってたし。
にしても、私が結婚するまでに治ってるかしら？ どれくらいで治るもんなの？
というか、本当に冬至君、いや、唯中君と結婚するのかね？ 私なんかで良いのかね？
そもそも本当に四季大にまた合格できるのかね？
けど、今年は受かってたって言うし……
まあ、唯中が、良いというなら良いか。
そんなに、こんな私でも好きって言って言ってくれるなら、私の未来は安泰だよね？
私もあんまり期待しないで遊んで待ってるよ。それまでに遊びつくさなくちゃね！
いや、ほんとにそれで良いのか？ 私でいいのか？ 冬至唯中？
