表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/24

【第十六話】ちょっとくらい聞き耳してもいいでしょうか?:秋葉実.txt

「あっ、冬至さん、ご無事ですか?」

 特に目立った外傷はないようで一安心です。

 話し合いをした、という割にはそれほど時間もたっていないですけど、どうなったんですかね。

 どうしても気になってしまいます!

「え? はい。全然平気ですよ、何にもなかったですから」

「そう…… なんですか? でも、その…… 私なんて言っていいのか? 平気なんですか?」

 冬至さん、あんな凄い顔をしていたのに、今は本当に全然怒ってなさそうですね。

 それにしても何もなかったって、冬至さんと一夏さんはもう修復不可能ということでしょうか?

 まあ、そうですよね。あそこまでしっかりと浮気現場を見てしまっていますからね。

「平気…… じゃないですよ。でも、俺には…… 結局、何も言えることはないですし」

 やっぱり! 平気ではないですよね。

 恋人の浮気現場を目撃して平気で言われるわけないですよね!

 私だったら、包丁を持ち出しちゃうところですよ!

「そう…… なんですか? もっと怒ってビシって言ったほうが良いと、私は思うんですよ」

 うんうん、こういう時は怒ったほうがいいですよ!

 一夏さんにビシっと言って、関係を修復させるべきですよ!

「そうなんですか? そうか、そうかもしれません」

 うんうん、まだまだお二人はどうにかなりますよ!

 だって、お二人はお似合いですからね!

「では、俺は用事ができましたので」

「はい! 頑張ってください!」

「ありがとうございます、決心がつきました。がんばってみます!」

 そう言って冬至さんは一夏さんの玄関のインターフォンを鳴らしました。


 あれ?


 でも、一夏さんはまだ帰ってきてないはずですよね?

 今ここにいるのは春野さんですよね?

 でも、ここは一夏さんの部屋だから? でもいるのは春野さんで、あれ? あれれ?

 しばらくすると、神妙な面持ちの春野さんが出てきて、

「千春、話さなければならないことがある」

 って、すごい真剣な表情でそう言って、春野さんも頷いて、冬至さんが部屋に入っていきました。

 男女二人が同じ部屋で?

 あれ? あれれ? ここは一夏さんの部屋だけど、春野さんも同居なされてて、冬至さんと春野さんが二人っきりで浮気した彼女の部屋に?

 こ、これって……

 新たな修羅場なのではないですか!?

 ちょ、ちょっとくらい聞き耳してもいいでしょうか?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ