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ソロプレイ中に人外NPCを助けたら、女型ユニークモンスターだけに囲まれるVR女王に就任した件  作者: 麻莉
シーズン1 2章 絶望は断ち切れ、希望は繋ぎ紡がれる
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深い森の中にある古い豪邸はホラーの定番ステージ

50話、キリの良い数字です。

皆さんの感想や評価のお陰でここまで来ました。

ありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

「ねぇ、今更なんだけど......帰らない?」


 私、ユミナの提案にその場にいた全員の目が点になる。


「ここまで来て、どうしたんですか。お嬢......ユミナ様」


 もう、私はツッコまない。ヴァルゴは私の名前を直さないと心で結論付けた。

 いや、だって......


「怖いじゃん」


 ヴァルゴ以外のみんなは理解した顔を浮かべる。


「古城は大丈夫でしたよね?」


「いや、あれは......アシリアさん救出とかでテンションがおかしかっただけで。本来の私は怖がりなのよ」


「それではあたしたちがユミナ様を囲う状態で中を探索しましょう」


「それはありがたいんだけど......なんで平気なのよ」


「お化けなんて......過去に戦いまくったからな。この洋館以上に不気味な場所で」


「墓地とか地下室とかありましたよね」


「中でもめんどくさかったのは......」


「「「不死鳥の幽霊」」」


 なんでそんなに女子会みたいに思い出話をやっているのよ、星霊さんたちは。

 てか、不死なのに幽霊って言ってて不思議に思わないのかな。

 星霊の具体的な仕事は知らない。けど、これだけは確信してる。


 私は星霊にはならない――――――絶対に。




「アクイローネは平気なの、あれ」


 私が指差す方を見るアクイローネ。


「まぁ、怪談番組とか良く見るし。耐性はあるよ。ユミナだってスプラッター映画を一緒に見たじゃん」


「あ、あれはみんなを盾にして見ていただけ。それにやばいシーンは目を瞑っていたし......」


 古びた洋館。いかにも何か出ますよと全面に押し出している不気味な建物。所々、壁や屋根が壊れている。

 寂れた館は三階建ての大きさ。探索しがいがあるけど、それだけ私の精神が下落する証拠。

 ゾンビパニックが起きた日には全魔法をバフ系スキルをモリモリにして辺り一面を火の海にしてしまいそう……


「なんでこんな森の奥に館が建っているのよ」


 どんな理由で建ったかは、定かではないけど建物がある以上......誰かが住んでいたのは明白。

 その何某はもうこの洋館には居ないが、代わりにお化けなど良くないものが棲みついた。それが分かってしまう状況が私の目の前に広がっている。


 洋館の壁には蔦などが生えている。それとは別のモノが生えて、こっちを見ていた。


「オバケが壁とくっついて、コチラに手招きしているんだけど」

 無数のオバケがそこにいた。定番の体が白色のオバケ。

 何で、罠満載の洋館に入らないといけないのよ……


「い、行きますか」


「もの凄い怯えていますね……お嬢……ユミナ様」


「最悪の場合は、ヴァルゴを盾にするから」


「ふふう、やはりお嬢様を守れるのは私だけってことですね」


「このポジティブ思考なら問題はないか……」



 門をくぐろうとした瞬間、【気配感知】に反応があった。

 後ろに振り向くと、白黒のタキシード風を着ている女性がそこにいた。

 よくよく見たら、アニメとかで見たことがある怪盗服に、見えなくもない装備だった。


 怪盗服を着ている女性。腰まで伸びている真っ白な髪、モデル体型のような細い体は烏の羽のような艶のある黒色のワンピース・ドレスに包まれている。ドレスの上に羽織っている純白の白コート。目元は、白色のベネチアン風マスクで覆われており、素顔は分からないようになっている。



「た……」


 全員が武器を構える。さっき戦闘で戦ったプレイヤーキラーの仲間だと感じた。

 疑心顔になるが、すぐに解消された。


 女性は倒れた。


「た、助けて………」


「え、えぇぇぇ」

 オバケの恐怖が一気に消し飛んでしまった。














 ◆


「と、言うわけでクイーンが件の女騎士を見つけることになりました」

 パチパチと拍手するヴェイン。


 それを見た私はつい口走ってしまう。


「このギルド、脱退していいかしら」


 私のこの言葉に周りのギルメンが阿鼻叫喚になり、私の怪盗服にすがられ涙目になっている者が多かった。


「やめてください。クイーンさんが抜けたら、私死にます」


「そうです。無理矢理にでも止めます」


「もし脱退するなら、せめて体を触らせてください」




 誰かしら、変態発言したのは…………


「貴女たちの気持ちは嬉しい。私を敬愛しているなら、そこのアホ団長を一緒に倒しましょう」



「「えっ!?」」


 私の服から手が次々、離れていく。後ずさるメンバーたち。


「私の威厳には勝てないわ」


「恐怖の間違えじゃない?」


「う~ん。聞こえないな~」


「てか、私は興味ないんだけど」


「そうでしょうね。本来なら私が直々に捜索するのがいいんだけど、立場がね」


「…………ッ」


「それに()に負けたじゃん。勝者が正義なのよ」


 ギルド:シューティング・スター。中々にヘンテコな名前で何度も変更しようとヴェインに言ったけど、頑なに変えようとしなかった。理由は知らない。



 で、話は戻る。

 私、弓永白陽姫(かすみ)はアホの命名者でもあるヴェインこと、風見瑞穂(かざみみずほ)にテストで負けた。順位は私が6位、瑞穂が5位の結果となった。定期テスト前に何か賭けようと提案したがそれは瑞穂に恥ずかしい格好をさせようと計画をしていたからだ。そんな悪巧みは失敗に終わり、瑞穂の言うことを一つ聞くことになった。


 でもさぁ……これはないって。後で恨んでやる。









 私、クイーンは目が覚めた。空は夕方となっていた。どれくらい経ったのか分からない。

 自慢じゃないが私は迷いやすい。現に例の女性騎士が三番目の街にいると情報があった。目撃して思った。



 あっ、これは女性として勝てないと直感した。


 その後も女性騎士がいる集団を見守りながら観察し続ける。決して、ストーカーではない。




「気付きましたか?」


 私の顔を見て、状態を確認するロング桃髪の女の子がいた。






 この時に初めて、私はユミナと出会った。


まだ、お互いが義姉妹だとは気付いていない

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