友人の頼み
【星霜の女王】に新たなスキルや魔法が追加された。
ユミナ自身で習得したスキルや魔法は変化がなく、レベルも上がっていなかった。
オフィュキュースとの戦いは、モンスターと戦った後に得られる経験値やスキル変化などが適用されていなかった。
NPCN:【アリエス】
性別:【女性】
種族:【星霊】
職業:MAIN:【星聖】
SUB:【聖女】
Lv:90
HP:180
MP:800
STM (スタミナ):130
STR(筋力):110
MAT(魔法攻撃力):600
DEX(器用さ):200
AGI(敏捷):250
VIT(耐久力):300
LUC(幸運):250
CHR(魅力):400
〜装備欄〜
頭:牡羊の星衣
上半身:牡羊の星衣
下半身:牡羊の星衣
足:牡羊の星衣
右武器:星光の祝杖
左武器:
装飾品
①:牡羊座の指輪
②:ウラニアの指輪
③:先駆者の眼鏡
〜スキル欄〜
・聖女の賜針【極】
・運命の光翼
・形態変更
・波動霧消
・接触禁止
・慈愛の聖姫
・会心の鉄拳
・剛腕の巨人
・呪いの救護
・信念の囁き
〜黄道スキル〜
・ペルセウス
・サンカク→LOCK
・アンドロメダ→LOCK
・カシオペヤ→LOCK
〜呪文欄〜
・イヌーレ
・スーリエ
・テラス
・ソフィーア
・ファーマル
・ソルフィーア
・カルピテス
・ジブヌーリ
・エリミカス
・マニフィーカ
・アーメント
・スクーパー
・ディベルカルぺ
・ディスパ
・リニアータ
NPCN:【タウロス】
性別:【女性】
種族:【星霊】
職業:MAIN:【星匠】
SUB:【炎鍛治神】
Lv:90
HP:500
MP:500
STM (スタミナ):300
STR(筋力):350
MAT(魔法攻撃力):80
DEX(器用さ):400
AGI(敏捷):120
VIT(耐久力):400
LUC(幸運):300
CHR(魅力):50
〜装備欄〜
頭:牡牛の鍛装星
上半身:牡牛の鍛装星
下半身:牡牛の鍛装星
足:牡牛の鍛装星
右武器:製造の金槌
左武器:
装飾品
①:牡牛座の指輪
②:ウラニアの指輪→(破損中)
③:雷火の手袋
〜スキル欄〜
・波動霧消
・形態変更
・接触禁止
・メンテナンスユニット
・リペアキッド
・サーチアイ
・アナライズサポート
・オブジェクトリカバー
・炎力上げ
・装具損傷
・武装延命
・創造装度
・簡易金床
・新具連結
〜黄道スキル〜
・エリダヌス→LOCK
・ウサギ→LOCK
・オオイヌ→LOCK
・ハト→LOCK
・チョウコク
・ロー→LOCK
〜呪文欄〜
・モバー
・テレレ
・スーマー
・リモリモ
・スプーコン
・ドンーボ
・キャスナン
二度あることは三度ある的な気分だね。私って一応、三人の主と思っている。もし、これから会うアクイローネに皆のスペックを見られたら、いくら払ったって言われるかもしれない。それだけの差が私たちにはある。
「お嬢、大丈夫かぁ~」
「少し考え事していてね。ありがとう、タウロス」
「何かあればいつでも言えよな。そこの二人よりかは役に立つから」
タウロスの言葉に異議をとなえるヴァルゴとアリエス。
「鍛冶しか能がない奴が何をほざいているのでしょうか」
「話なら、元人間のあたしの方が適任です」
「アリエスは頭がお花畑になっているし、ヴァルゴも宿屋の様子を見た感じポンコツに成り下がっていることだし。ここはアタイがお嬢の相談相手に相応しいのは明白だ」
「少し見ない内に偉そうになったわね、タウロス。それにあれはユミナ様を愛しているから行った行動。他の者にやるほど堕ちていないわ」
「さっきのを見せつけられて、”成る程、納得した”とは考えないかな~」
「いい度胸です。この場で決着をつけましょう!」
ヴァルゴは彼岸の星剣を抜き、タウロスは小さな……けれども私から見たら大きいサイズのハンマーを構えている。
アリエスが私のローブ裾掴む。
「単細胞たちはほっといて、行きましょう。ユミナ様」
アシリアさんで慣れたと思ったけど、聖女と並ぶのは変な緊張感がある。
何て言うんだろう。有名人と歩いているような気分。
白陽姫ちゃんとは義理ではあるが姉妹になっている。それは学園では周知の事実。
なので、やましいことは考えていないけど、学園では有名人の白陽姫ちゃんと一緒に登校すると今まで経験したことがないって位に緊張してしまう自分がいた。そんな私を心配する白陽姫ちゃんが可愛いと思うのは義妹の特権。なんだかんだで仲は進展していっているので素直に嬉しい。
アリエスと歩いていて違和感が生じる。
なんだか、私の腕がヒリヒリしていた。これも私の緊張をゲームが読み取ってアバターに反映させているのかな?
私の異変に気付くアリエス。慌てて手を離す。
「ご、ごめんなさい。アタシったら」
「私は気にしていません。むしろ嬉しいです!」
私が思ったのはこんな金髪美少女と一緒に腕組みしながら歩くなんてお金を払わないと実現できない。なのに無償でやるアリエスは嫌な顔せず私と腕組みをしてくれた。感謝で胸が一杯の気分という意味として話した。
だったのだが、アリエスの顔は違った。
「アタシはもしかして、とんでもないお方の従者なってしまった……」
一瞬、私を見るアリエスが引き攣っている表情を浮かべる。確認したかったが、ヴァルゴとタウロスに阻まれた。
「やっと追い付いた!」
「お嬢、先に行かないでくださいよ」
「あはは、ごめんね~」
「アリエス……退きなさい。そこは私の定位置です」
「ヴァルゴは……止めといた方がいいわよ」
「どういう意味ですか?」
「その無駄な脂肪がユミナ様の進行の妨げになるからよ!」
「……あの時から言うようになりましたね、アリエス。それにしてもアリエスを変えたのは誰なんでしょうね?」
「…………やっぱり、覚えていないか」
アリエスの言葉に反応した者は誰一人いなかった。
「ハイハイ、夫婦漫才はそこまで」
ヴァルゴが顔を赤らめ、体捻りながらモジモジしていた。
「お嬢......ユミナ様、私はアリエスと夫婦にはなりません。どちらかというと……ユ、いえ、なんでもありません」
私とヴァルゴが進むのを後ろから観察する二人。
「やっぱり、おかしくないか」
「ですね……あたしたち同様に石化状態からの解放だけなら、あのようにベタベタくっつくことはないはず」
「まさかだと思うが、真名を教えたんじゃね~か」
「あり得るようでありえない……現状では判断できませんね。ユミナ様もヴァルゴを信頼しているから、ヴァルゴのあのような行動を黙認しているかもしれません」
前方から呼び声が聴こえた。
「二人とも、置いてくよ~」
私たちは鐡重の跡震を進んでいく。
新藤真凪こと、 アクイローネは三つ目の街でもある「ティーグル」の入り口の門にいた。石で造られた階段でボーッと青空を眺めながら目的の人物が来るのを待っていた。
学校でせつなが二つ目の街にいて即、次の街に行く予定だったこと、久しぶりにせつなとゲームがしたいことが重なり、 アクイローネは「ティーグル」にいる。
暫く待っていると、こちらへ来る集団の声が聴こえる。
「やっと、来たか~」
体を伸ばすアクイローネ。
「あれが噂の女騎士さんか……確かに凄い、色々と」
アクイローネは掲示板で何個もスレが立っている件の人物を目撃して、自然とため息をしてしまった。
そして、以前ユミナの進行ペースが遅い理由も何となくであるが理解した。
あんな美女と一緒にゲームしているんだ。寄り道してヨロシクやっていても不思議ではない。
「で、残りの二人は攻略のための臨時パーティーメンバーかな?」
一人は修道服の金髪美少女。清楚が似合う雰囲気纏っている。
もう一人は人間サイズの牛さん。上半身は牛がらビキニと、中々に攻めている格好となっている。
金髪美少女はなんだか聖女アシリアちゃんに似ている気がするがゲームなんだからそんなこともあるかの認識だった。
まぁ、それを抜きにしたとしてもユミナがどういう経緯で知り合ったのか非常に気になる。
ユミナの周りにいる三人を見るにプレイヤーではないと確信した。
牛さんの見た目はプレイヤーでもいるが、それは最前線での特殊なクエストをクリアした者に与えられる報酬。
こんな序盤の街では見つかっていない。それに三人の装備も同様に序盤では入手困難レベルな見た目。序盤の装備なんてどれも似たい寄ったりとなっている。五つ目の街位からプレイヤーの装備が他のプレイヤーとの区別が明確になっていく。
「なんだか、いがみ合っている?」
前方の集団、ユミナ以外が口喧嘩しながら歩いていた。
「ヴァルゴの……馬鹿」
「酷い言い草ですね、アリエス」
「いや、これは完全にヴァルゴが悪い~」
「タウロス、貴女まで……私はそんなに悪いことをしたとは思いませんでしたが」
「はい、無自覚で悪びれもしない騎士の風上にもおけないヤツだ」
「貴女たちの戦闘リハビリのために行ったことなのに、解せません」
「限度を知れ!! そもそもアタイたちは前衛っていうより後衛組だぞ、脳みそが萎んだか」
「確かにそうかも知れません。過去の記憶を残すより、ユミナ様とも日々を残しておく方がよっぽど有意義に活用できます」
「惚気を燃焼材にして、あたしたちに適切な対応をして欲しいんですけど」
「三人とも……うるさい。しばらく騒音は聞きたくないの」
「ユミナ様、あれは完全に二人が悪いです。全くボスに対して情けありませんね」
「久々の戦闘とあんな得体の知れねえ敵に動けないのはしかたがないだろ!? つうか、ボスってなんだよ」
「タウロスに同意見。いつからあんな番兵的なモンスターが蔓延るようになったのよ」
「戦う前に説明したはずですが、忘れるのお早いですね」
「うるせぇ!!! まぁ、ボスについてはこの際いいよ。どうせ今後、戦うことになるだろうし。問題はあの見た目だ」
「ほんと、似ていましたよね。タウロスに」
「四足歩行の牛モンスター。タウロス以上に気性が荒かったですね。おまけに……」
「なんで角と尻尾が螺旋状に回転するんだよ。アタイたちがいなかった間にモンスターが進化しすぎだろ!?」
「追加で角は魔法弾みたいに飛んでくるし、二つある尻尾は触手のようにウネウネ動きながら迫ってくるし」
「一応、言うが……アタイはあんな芸当できないからな」
「求めてません。あんな珍行動が味方にいては戦闘に集中できません。後、戦闘中に言い出せませんでしたが、タウロス。メイン武器はどうしたのよ? あれがあればもう少し戦いが楽になったと思うんですけど」
「それがさぁ、『ウラニア』が破損中になっていて、中に入っている物が取り出せないんだ」
「鍛冶師が物を壊してどうするのよ!? おバカっ!!」
「アタイのせいじゃねぇ。オフィが悪い。アイツの攻撃を喰らって壊れたんだから」
「壊れたんだから直しなさいよ」
「できるもんならとっくにやっているぜ。『ウラニア』に関しては未知の部分が多いんだよ」
結局、私とヴァルゴも参戦して、二つ目のボスでもある穿孔の巖牛二世を倒した。ドリルの回転音は暫く聴きたくない。ゾンビみたいにトボトボ歩いていた私、ユミナは顔を上げた。
「あっ!?」
目の前の街の門に見知った人物がこちらを見ていた。
正体が分かり、私の足が早まる。
私とアクイローネは互いに視線が合う。
「えっと、お待たせ......」
「えっと、さっきぶり......」
なんか、聖女らしからぬスキル名があったような......
ろ座→ローとなっています




