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黒蛇縛鎖

星なる領域(スターリースカイ)Lv.2】と【燃やす命(テンション)】を発動。


俊敏値(AGI)】に補正がかかる【ダブルアクセル】と文字通り、初速度。

 人間で言えば一歩目の速度が上昇するスキル【初速の(ファースト・)行進(ブースター)】で瞬間的に詰める。



 オフィュキュースは高速で移動している私に驚くことなくただ立っていた。


 余裕の笑みを見えるオフィュキュース。

「バカにして……」


 開幕一発目に強化されたファイディで吹っ飛ばす。そう意気込みながら距離を縮める。


「『ファイディ』……」


 ファイマの強化版。火の玉ではなくなり、火炎放射のように火属性の攻撃を放つことができるようになった。

 一直線に放たれた『ファイディ』はそのままオフィュキュースに直撃するはずだった。


 しかし、途中で消えた。まるで初めから存在しなかったみたいに。


 驚く私だが、追撃の準備をする。


 だが————————












 全身の力がなくなる感覚を味わう。そしてそのまま部屋の中を転がる。

 顔を上げると私を嘲笑い見下すオフィュキュースがいた。


「アンタみたいな小娘は地面がお似合いよ」



「どうして……」


 理解ができなかった。何かに邪魔された覚えはない。

『ファイディ』も消え去り、身体強化していた自分の体が強化する前の自分の体に戻ったようだった。

 頭が混乱することだからだった。




「はぁ〜 貴方はつまらないわ。少しでもワタシの糧になりなさい、魔力吸収ウワバミ......ッ!?」


 オフィュキュースが私に怪しげな光を浴びせる直前。

 危険を察知したオフィュキュースは跳躍し、上で回転しながら部屋の入り口に着地した。


「まだそんな物騒な武器を持っていたなんてね……ヴァルゴ」


 私に駆け寄ったのは彼岸の星剣(ノヴァ・ブラッド)を握っていたヴァルゴだった。


「ヴァルゴは範囲外だったか……しくじったな」


『範囲外』? やっぱり何かしらの攻撃を私は受けたんだ。でも一体、どんな攻撃を受けたのか見当もつかなかった。


「同じスキルを持っているので当然でしょう」


 ヴァルゴの言葉にうなづくオフィュキュース。同時に疑問顔を出していた。

「そういえば、そうだね。でもさぁ……」




 私を起こしてくれたヴァルゴ。

「大丈夫ですか、お嬢様」


「ありがとう。ヴァルゴ、あれ(オフィュキュース)は何をしたの」


「私のは【波動霧消(ザヴィヤヴァ)】で名前違いですが効果は同じで、オフィュキュースも持っているスキルに【波動霧消(ラサルハグェ)】があります」


「【波動霧消(ラサルハグェ)】?」


「【波動霧消】は敵にかかっている補助系スキル・魔法の効果を打ち消すことができます。範囲が決められていますが【波動霧消】は必中のスキルです。お嬢様は【波動霧消】を受けたことで強制的に身体強化されるスキルがなくなり、戦闘開始前の何も発動していない状態に戻ってしまったんです」


「それでか……ヴァルゴ、確認だけど『補助系』の効果が打ち消されるのよね」


「はい、そうです」


「『ファイディ』はただの火属性の魔法よ……その【波動霧消】の対象外じゃない」


 私の疑問にヴァルゴではなくオフィュキュースが答えた。

「アンタの火属性の魔法を使えないようにしたわ。私の魔法でもある『呪縛ロック』でね!!」



 私は自分のステータス欄の呪文一覧を見た。


 〜呪文欄〜

 ファイディ(15)LOCK 

 ウォーディー(15)

 アイディ(15)

 ポイズディー(22)LOCK

 サンダー(15)

 ハリケーン(15)LOCK

 シャイン(15)LOCK

 吸血・改(9)LOCK

 吸魔・改(9)

 軽壁・改(9)LOCK

 強勢・改(9)LOCK

 回復(ヒール)(10)

 回復の舞(エナジーシャワー)(15)LOCK

 脳天落とし(コンフューズ)(4)LOCK





 習得した呪文が並べられているが一つだけ、燻んだような色合いで支配されている呪文があった。

 たとえば、私が先ほど発動した火属性の『ファイディ』だった。『ファイディ』の名前の隣にはヴァルゴの黄道スキルと同じように”LOCK”が入っていた。


「『LOCK』ってそういうことか……」




 睨む私を見てオフィュキュースは嗤う。

「ランダムだけど、魔法使いなのに魔法が使えないなんて……どんな気分〜 教えてよ……小娘ちゃん♫」


呪縛ロック

永続ではなく、15分"LOCK"状態になる。その間は全くスキルも魔法も発動できない。

魔法はランダムでいくつか使用不可になる。

黄道スキルとは別物。黄道スキルは星霊が起こす特定の条件で解除されるもの。


プレイヤーは敵に勝つために勝利の方程式などが少なからず存在する。プレイヤーだけではなく、モンスターも野生の勘で獲物を倒すために無意識に行なっている行動。

プレイヤーは敵との力の差を広げるために加重にスキルを付与して己を底上げする展開をやっている。

オフィュキュースが保有している『呪縛ロック』はそのリソースを削ぐことが可能となっている。

行動が不足したプレイヤーは思い通りに動けずオフィュキュースに負ける、となる。


呪縛ロック』できる数に制限はない。何か制限があるとすれば集団の場合は誰か一人の力を削ぐことしかできない点と魔法の括りなのでMPを消費してしまう点くらい......



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― 新着の感想 ―
[一言] いやそんな大事な敵の情報は先に共有しようよ
[一言] 主人公が正統派の魔女だったら怖いですが、そんなことはありません(笑)
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