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ソロプレイ中に人外NPCを助けたら、女型ユニークモンスターだけに囲まれるVR女王に就任した件  作者: 麻莉
シーズン4 悪魔は嗤い、被造物は踊る 【2章:【 】】
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物体Xという名の化学兵器な料理

 アシリアは名残惜しそうに聖女業へ向かった。護衛としてヴァルゴも同行していく。

 アシリア&ヴァルゴチームを見送ったユミナは移動を開始していた。



 どうして、こうなったんだ?


「エマさん! いつまで()()()()()に付いて来るのですか!」

「えぇ〜 ヴェロニカの方が()()()()のデート、邪魔してるじゃん。お邪魔虫はどっかに消えてくれないかな〜」


 ヴェロニカに強引に、腕を引っ張られた。

「な、なんですって! 貴女の方が邪魔です。わたしが先にデートの誘いをしたのです」

「ヴェロニカみたいな真面目しか取り柄のない女の子を相手にする訳ないじゃん〜」

「あ、あなたのように不真面目で能天気に修道女をやっている人よりは好感が持てるはずですよ」


「ふ〜ん。だったら......」

 エマはユミナの左腕を取る。自分の豊かな胸を押し当てた。柔らかな谷間にユミナの腕が入っていく。


 ヴェロニカは唇を噛む。勝ち誇るエマ。

「真面目だけじゃ聖女なんてなれっこないじゃん。ま、貴女は色気がないから一生無理な技でしょうけど」

「余計なお世話です。それに、色気を武器にする人は、老化と共に廃れていくのです」

「自分は廃れないと......?」

「少なくとも歩く猥褻物よりかは長生きできると自負しております」

「人生楽しまないと損だよ〜 聖女アシリアさんだって、楽しんだからユミナさんという人生の伴侶を見つけた。結果が証明してるよ〜」


 ヴェロニカはユミナの右腕に自分の体を押し付けた。呆れるエマ。

「結局、ヴェロニカも女の武器を使ってるじゃん〜 バカなの〜」

「わたしにはわたしのやり方があります。部外者は黙ってください!」


 右と左。それぞれ違う感触の少女の体を味わいながら、ユミナは船内版街中を歩くのだった。


 こうなった原因。エマ・クラユイもまた、ヴェロニカ・アーミサ同様、ユミナに依頼した。まったく同じ内容だった。


 ユミナはクエスト画面を見ていた。奇しくも同じクエスト内容。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 聖女系統クエスト


 ・《聖女候補ヴェロニカ・アーミサとの船内デート》


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 聖女系統クエスト


 ・《聖女候補エマ・クラユイとの船内デート》


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 聖女候補は残り3人もいる。2人だけ特別発生するクエストとは限らない。


「ほんとっ! ユミナちゃんを観てて飽きないわ!」


 スコーピオンが嬉しそうに微笑んだ。


「意図も容易く、少女2人をメスにするとは......感服しました」


 リブラ......覚えておきなさい



「そう言うなら、手伝ってよ〜」

「生憎、その目立つ空間に入る勇気はないわ」


 インペリアル・アペクス号、中間層。

 両手に花。しかもかなりの美少女2人で聖女候補者。ぶら下げて歩いているので非常に目立つ。次に3人の後ろには執事服のダンディーな老紳士とイケメンが付き添っている。更に執事の他に、見たことがない装備を纏う2人もいた。


 誰もが、見入ってしまう光景。


「慣れているけど、今回は状況が違うからな〜」

(あるじ)様の腕を離さない2人の少女。正体が次なる聖女になる可能性が高い2人なので、視線がより一層、キツいものでしょう」


 リブラは周囲を見ながら言う。


「聖女をお嫁さんにしたのに、速攻別の女と船内デートしている。後ろから刺されないようにね〜」

「アシリアも了承しているから問題ないわ」


 苦虫をかみつぶしたような顔だったのは、言わないでおこう。



 ショッピングモール風の中を見て回る。スラカイト大陸にある12個の街。インペリアル・アペクス号の航海中は各街で販売されているアイテムなどが全て購入が可能となっている。武器・防具は勿論、消耗品となるアイテム類も販売されている。船内限定もあるとか。


「ブランド品もあるし......」


 ユミナは陳列されているモアイ像もどきのアンティークを取る。


「マニアックな商品もあるのね」


 あれ? もしかして......!!?


「食料店あるかしら!!」


 ユミナの発言にヴェロニカ、エマは首を傾げた。


「ユミナさんはお料理をなさるのですか?」

「嗜む程度だよ!」

「ヘェ〜 エマもユミナさんの料理食べたい!」

「うふふ! 2人のために腕に振るっちゃうわよ」


 スコーピオンとリブラはユミナに近づき、頬を引っ張る。


「痛い痛い痛い痛い!! 何するのよ、2人とも」


 悲しげな顔で懇願してくるスコーピオンとリブラ。

「お願いだから、やめて」

「そうです。これ以上被害を出さないために......」


「はい......ごめんなさい」


 解せない。あれから練習したのに。それりゃあ、コーヒーは()()()&()()()()()()()()()()を提供したら、全員ノックアウトしたし、スープは()()()と言われたり、クッキーは()()()じゃないと言われたり、パスタが()()みたいになったり、ケーキが()()()()()()()()したり、カレーの色が()()()()()()じゃないとダメだし受けたり、アクアパッツァで使用した生魚をちゃんと捌いた筈なのに、()()()()()()()()食べるのに躊躇しますとか、散々な目にあった。でも、めげないのがユミナちゃんだ。私なりのスペシャリテを作るんだ!



「ちょっと、外の空気吸ってくるわ」


「い、行ってらっしゃい......スコーピオン」


 深刻なダメージを負ったスコーピオンは退店した。


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