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ソロプレイ中に人外NPCを助けたら、女型ユニークモンスターだけに囲まれるVR女王に就任した件  作者: 麻莉
シーズン4 悪魔は嗤い、被造物は踊る 【2章:【 】】
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男装の麗人が、アイドル聖女が、愛する人にだけ見せる女(メス)の表情(かお)

全身で受け止めてね♡

 ◇◆◇◆


 二日目。ボルス城、ユミナの寝室。

 目を覚ます(ログイン)。腕に伝わる感触がある。非常に柔らかい。

 訝しくはない。ユミナの寝室では日常だ。ベットの横に視線を動かす。


「おはよう」

「おはようございます♡」


 カプリコーンだ。珍しく白シャツ1枚。日頃は長袖長ズボンのパジャマ姿。

 自然とカプリコーンの身体に目が移る。


(真っ白な生脚......眼福!)


 心の底で感謝した。


「そうだったね。カプリコーンとアシリアと一緒に寝ていた」

「他は客船で寝ていますので」


 小声で話し始めた。と言うのも私の右腕を抱き枕にして熟睡しているアシリアを起こさない為の配慮だ。


 私たちは見つめ合った。自然と。


「なんか......」

「緊張しますね」


 どうやらカプリコーンも私と同じ感想だった。


「今までも一緒に寝ているのに」

「過去と今。明確に違うのは———」


 そう言って、カプリコーンは手を私に見せてきた。薬指には私と永遠の契りを交わした証。結婚指輪がはめられている。


「アシリア様は当分、起きません」

「連日、気を張っているからね」

「アシリア様には申し訳ありませんが」


 カプリコーンの人差し指が私の頬に。ピンと立てた指で”つつく”を堪能。


()()()の頬っぺた気持ちいい!」

そりゃあ(そぎゃ)良かったよ(よ゛がっだよ)


 今はカプリコーン(ヴァレンティーナ)にコネコネされている。


「ずっと触っていられる♡♡」


 手つきは優しく、それでいて丁寧に私の頬を触り続ける。


「このまま触り続けたら伸びちゃいそうです!」


 そう言い、カプリコーン(ヴァレンティーナ)は私の頬を堪能していた。


「ねぇ、カプリコーン」


 自分の口を膨らませるカプリコーン(ヴァレンティーナ)。不機嫌な瞳とイジわると云いたげな表情がなんとも可愛らしい。普段クールキャラが愛する人にだけに見せる表情。心が爆発しちゃった!


「名前...」


 拗ねて、いじけるカプリコーン(ヴァレンティーナ)

 落ち着け、私。ただカプリコーンの名前(真名)を呼ぶだけだ。

 深呼吸する。


(良し、女は度胸っ!!)


「呼んで♡」


 懇願する声が私の心をざわつかせる。

 お互いの頬が擦れ合う。私の意を決して耳元で囁く。


「......ヴァレンティーナ」


 未だに恥ずかしさが残る。ヴァルゴの真名を呼ぶときも気恥ずかしさがあり、時々笑われる。頬同士は離れ、正面を見詰める。真名を呼ばれ感情が大爆発した紅潮のヴァレンティーナ。大きく腕を広げ、私を抱き締める。


「ユミナ~♡♡♡♡」


 完全にヴァレンティーナが上を支配した。アシリアを起こさないように配慮しつつ、ヴァレンティーナが私の身体を触り始めた。何をされても絶対に抵抗出来ない自信がある。


 鎖骨辺りに顔を寄せるヴァレンティーナ。


「私...今とっても幸せです♡」


 ヴァレンティーナの髪を撫でる。


「...私も!」
















 栄養を摂取したカプリコーン。肌がツヤツヤ。着替え終えたカプリコーンは部屋を出ようとする。


「では、先にインペリアル・アペクス号に戻っております」

「うん! また後で......」


 扉が閉まる。


「うーん......」


 目をこするアシリア。眠りからの帰還。


「おはよう!」

「ふはぁ〜ん。おはようございます、ユミナ」

「着替えて、船に戻ろう」

「......えぇ。もう、ちょっとだけ......。ユミナの腕、さい、こう〜」


 アシリアにとって私の腕は最強の寝具のようだ。


 うん?


 右腕から伝わる違和感。震えている。無意識なのか意図してなのか分からない。アシリアの身体は小刻みに震えていた。


(此処で言うのは、悪手だね)


 話題を切り替える。


「ほらぁ、早く起きないと、イタズラしちゃうぞ」

「......縛りたいの?」


 可愛い声から発せられた驚きの質問。寝惚け状態からの言葉と信じたい。


「......うぅ。覚えていたとは」

「忘れないよ。様々な人を出会いましたが、ユミナは誰よりも欲望に忠実ですね」

「......喜べば良いのかな〜」


 私を包み込む、柔らかい温もり。アシリアが寄り添う。


 ちゅっ♡


 アシリアからキスされた。


「お願いユミナ......私を好きなだけ............」


 頬を赤らめ、アシリアは瞳を潤ませていた。誘ってる。誰もが気づく。


 吐息が触れる程の距離。艶かしい声色でアシリアが囁く。


「ユミナが望むなら、私をメチャクチャに............」



 ジィ———


 嫌な眼圧。誰かに見られている。気配は1人。私の上にいるアシリアも勘付いた。嫌な汗が全身から一気に噴き出していた。


 二人で横に視線を向ける。ヴァルゴと目が合う。


 ジィ———

 ジィ——————

 ジト—————————


 ジト目。一部の界隈には大変需要がある表情。


 引くついた。アシリアは驚きを通り越し、四つん這いで固まっていた。

 自分の状況を確認し出す。シャツ1枚。ボタンは止めていなく、着崩れしてる。衝動が抑えきれず、普段口にしない言葉を言い、誘っていた。伴侶のユミナを襲う寸前だった。


「どうぞ、続けてください」


 いつもの口調なのに、少々トゲを感じる声。


 ヴァルゴの声を聞き、アシリアは元に戻る。

 が、時既に遅かった。顔が段々と赤くなっていく。枕を抱きしめ、顔を隠す。


「......あ、ああ、ああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」


 恥ずかしさが限界に達し、唸る上げるアシリア。直立不動のヴァルゴ。ここがゲーム内だったから安全装置が働いた事への感謝と、もう少し官能的な聖女ちゃんのアシリアを味わいたかった悔しさからの後悔を同時に感じながら、ベットで大の字になる私。


 まさにカオスな状況が出来上がってしまった。


(凄いスタートの始まりだな〜)


心の声も可笑しくなるくらい情緒不安定なユミナちゃん(笑)

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