スキルを盗む怪盗紳士は師匠を探している その12
注目度なるランキングで一桁の位置に名前が載っておりました!!
皆さまありがとうございます!!!!!!!!!
サブタイのサブタイ
かつての師弟
払ったナイフは二本とも地面に刺さっている。
「【爆弾刃】」
二本のナイフが光る。爆発した。
「ユミナ様ぁああ!!!!」
クラスが叫ぶ。返事はない。煙で状況が掴めずにいた。
ファントムの下に投擲したナイフ———【生命の略奪者】が戻って来る。
【生命の略奪者】の刀身からトランプカードが取り出された。
「【爆弾刃】。奪ったスキルの一つさ」
ファントムのベルト。左腰に重厚な金属の入れ物が設けられていた。【爆弾刃】のカードをカードケースに収納し、別のカードを引く。
「【煙積雲】。こいつは面白いよ」
【青白い孤月】と【生命の略奪者】の刀身が伸びる。モコモコとした白雲と灰雲。蛇のような形がクラスに襲いかかる。
「【分身する幻影】」
クラスは複数人へ分裂した。一人一人追いかけてくる雲を対処していた。
ファントムの動きが止まった。【煙積雲】は剣系統の武器スキル。刀身を伸ばし、ターゲットにした者へ自動的に攻撃してくれるスキル。弱点として刀身が伸びきっている関係上、隙が大きい。雲が戻るのは数秒と時間が掛かる。ファントムが動かないのは雲剣に任せていた———初めは。しかし今のファントムの身体が動けないのは理由があった。
目を見開き、一言漏らす。
「嘘だ......」
願いを言った。”師匠に会いたい”と。アイツは力を授けてくれた。元々持っていた【青白い孤月】と【生命の略奪者】に新たな力が与えられた。奇術師としてトランプカードは所持していた。
悪魔は言った。”カードを刺せば相手の能力を盗める”
悪魔は言った。”お前の師匠は隠れる天才。なら探せる能力を他人から奪えばいい”
半信半疑だった。しかし疑惑は消え去り、残ったのは己を強くする力。
「............師匠」
「えっ!!?」
一瞬聞き覚えのある言葉を耳にした。決して二度と聞く事がない単語。
「しまっ———」
【分身する幻影】で分離したクラスは全員、雲に捕獲された。クラスの身体を蔓のような渦巻が巻きつく。動いても離れない煙。煙という気体を侮っていたクラスを反省している。巻きつく力が強まる。高級ベットを思わせる柔らかさだったが時間が経つにつれて身体に絡みつき脱出が出来なくなる。動けば動くほど絡みつく。まるで底なし沼に落ちた気分をクラスは味わう。
「今、貴方......私を何とおっしゃいましたか」
「生きておられたのですね、師匠」
「私を師匠と呼ぶのは一人だけ......デュオ、なのですか」
ファントムは【青白い孤月】にトランプカードを入れた。
【青白い孤月】が取り込んだスキルは【烟雲過眼】。捕縛系スキルでターゲットを捕獲するためのスキル。広範囲に連れて雲の量が少なくなり捕獲が困難になるデメリット効果がある。
クラスの頭上。手の形をした大きな雲が出現。捕まれば完全に雲から抜け出せない。
影が大きくなる。
「えっ!?」
自分は捕まる。そう覚悟した。しかし影はクラスを覆うことはなく宙で霧散した。
同時にクラスに纏わりつく雲は全て消滅した。
「爆弾とは味な真似を......」
雲を斬った婥約水月剣。そして持ち主がクラスの前に立っていた。
「もう少しで四肢が爆散する所だったよ〜」
「そんな余裕で良いのかな」
「...なっ!!?」
私とクラスを囲むトランプカード。四方八方に展開。気付かなかった......
ファントムが発動したスキルは自前の【奇想天外の則】。効果はランダムで説明できない事象が発生する。9割敵に対しての攻撃や自分をサポートする効果。1割は発動した本人に攻撃が降りかかる。1割を当ててしまうと受けるダメージが100倍増加で受けるデメリット効果がある。
トランプが宙に固定されている事象よりも当たるか寸前の超至近距離まで存在を認知できなかった......
大量のトランプカードは私たち目掛けて発射された。
「くっ」
一斉発射でも僅かに誤差がある。婥約水月剣で処理できる。迫るのが早いカードから斬る。耐久性は慣れ親しんだトランプカードと同じ。所詮は材質:紙。【加速スキル】の勝利翔、宵明星、嫦娥を連続発動。追加で【回避スキル】の優雅司、信託乙女も発動。
「うわぉ!!? 素晴らしいねぇ!!!! 人間の動きとは思えない身のこなし」
コイツ......余裕ぶっこきやがって
向かってきたトランプカードは全て処理。私達、何枚か掠ったがダメージは微々たるもの。
スキル発動時間は残ってる。加速する。
懐まで到達。婥約水月剣を構える。
「【海女神】......??」
【海女神】が発動できない。スキルなしの婥約水月剣はファントムに防がれた。ファントムは婥約水月剣を受け流し、後ろへ距離を取った。
ファントム戦では【海女神】を使っていない。リキャストタイムは当然なし。
「なによこれ......」
私の前に現れた画面。
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※以下のスキルは使用不可となりました。
《【海女神】:使用不可》
《【勝利翔】:使用不可》
《【信託乙女】:使用不可》
《【星なる領域Lv.10】:使用不可》
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表示されたアナウンス。記されている名称は私が所持しているスキルと同じ名前......
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・プレイヤー:ユミナの従者NPC、個体名:クラス
※以下のスキルは使用不可となりました。
《【分身する幻影】:使用不可》
《【消える人生】:使用不可》
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トランプを対象に刺すだけで対象のスキルをランダムに奪える。(擦っても奪われる。)トランプに封印されたスキルはファントムの短剣二つに吸収することで使用可能。発動条件に変更していないのでユミナの【星霜の女王】スキルも星刻の錫杖を装備していないと発動しない。
武器:生命の略奪者、青白い孤月。
模倣の短剣は普通の短剣でトランプを吸収する能力はない。あくまでトランプに封印されているスキルを吸収できるのは生命の略奪者と青白い孤月だけ
・奪ったスキル(全てトランプ1枚ずつ封印されている)
【爆弾刃】
【煙積雲】
【烟雲過眼】
【ツイン・ブレイカー】
【レッドスピア】
【ハードスピーダー】
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【海女神】
【勝利翔】
【信託乙女】
【星なる領域Lv.10】
【分身する幻影】
【消える人生】
・ファントム自前のスキル
【ダブル・リフト】
【奇想天外の則】




