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ソロプレイ中に人外NPCを助けたら、女型ユニークモンスターだけに囲まれるVR女王に就任した件  作者: 麻莉
シーズン4 悪魔は嗤い、被造物は踊る 【1章:アグネス女学園の乙女生活】
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従者はユミナにしか興味がない~

 先ほどから難しい顔を浮かべるリーナ。


「私の聞いた話と異なりましたので......」



「リーナは2年生を担当していたね」


「はい。既に何名かお友達になった方々から情報を集めました。しかし、新たに有益になる情報はありませんでした」


「流石ですね。リーナ」


「ありがとうございます、ヴァルゴ。少々ズルをしましたが」


「『ズル』?」


「はい、ユミナ様。自分の身分を明かしました」


「それって、吸血鬼の国(ヴァンパイン)の王女と自分で言った?」


「はい!」


「その......大丈夫なの?」


 リーナは見た目は美少女NPC。正体は吸血鬼。しかもリリクロス大陸の吸血鬼の国(ヴァンパイン)の歴とした王女様。


 アグネス女学園の生徒は貴族の令嬢と言っても人間。吸血鬼のリーナは危険な存在を認知するかもしれない。



吸血鬼の国(ヴァンパイン)代表として過ごしています。何も困り事はありません。それに......」


 リーナが私の腕を掴む。胸が当ってる!!? ありがとうございます! 私も天使に祈りを捧げようかな。



「何かあってもユミナ様が助けてくれますよね!」


「もちろん! リーナもカプリコーンも、ヴァルゴも私が護るわ」


 三人が嬉しく頷く。


「それで、リーナが得た情報はどうだった?」


「私のクラスにも一人欠席している生徒がいました。クラスの子に聞いたところ、”噴水の悪魔”と契約して隔絶されたアグネス女学園を抜け出した、と」



 私、カプリコーン、リーナは一点に視線を向ける。



 ヴァルゴの呆れた表情。心底どうでもいいとか思ってるかもしれない。


「ハァ〜 私がそのような契約を結ぶと。私が契約するのはお嬢様のみと心に決めています」


 はい、流石私のヴァルゴ。揺るがない信念。



「で、リーナ。”噴水の悪魔”って?」


「アグネス女学園の中庭に置かれている噴水。そこに対価を入れ、”お助けください”と懇求すれば悪魔が召喚。召喚された悪魔に願いを言えば、外の世界に出られる噂が広まっています」



「学園を出たい?」


「ご主人様。恐らく女子生徒の中には親の意向で入学した者もいます」


 アグネス女学園は山嶺に存在する寄宿学校。学園は霧で隠れ、入学資格がある者のみ霧が晴れる仕様。


 外からは内部を見ることはできない。仮に霧を抜け、学園を覗く不届者がいれば外壁を覆う薔薇の荊が不埒な侵入者を撃退する。


 ま、高い塀で囲まれた学園。無理によじ登る者はいないだろう。


 女性アバターのプレイヤーは転入クエストをクリアすれば、滞在できる。プレイヤーは自由に学園を行き来できる。


 校舎内にいるのは生徒、教師陣のみ。全員女性だ。男性は誰もいない。


 本来は従者も学園内は居られない。

 私は特例で執事を付き人として一緒に居ることが許されている。執事と言っても麗人執事だけど〜



 女子学園に相応しい女の園。学園に入学するのは貴族の令嬢が多い。いずれ地位のある存在になる人、もしくは身分の高い者に嫁ぐことが決まってる人など様々な事情を抱えている。



「望んで外界と遮断された世界で暮らしたくない、か......」


「その後の身分の高い男性貴族と結婚する。全員がシたいとは考えていないのでしょう。私も男性とは、遠慮します。お母様は呆れていましたが......」


「アハハ......マリアさん苦労してるね」



「私にはユミナ様もコーランもいます。今更どこぞの野郎に興味はありません」


 よくぞ、言った! 私もリーナを手放す気はない。


「仮に男性と結婚し子を成さらないといけない状況になっても、私よりも弱い男性はお断りします」


 リーナの言葉にヴァルゴは喜び、後押しをする。


「その粋です、リーナ。弱い男性など悉く葬りましょう!!」


 何故か握手を交わすヴァルゴとリーナ。

 私とカプリコーンはため息を漏らした。


「それにしても............出るために悪魔召喚。それほどまで追い詰められているのか」


「お嬢様。失礼な発言をお許しください。学園を変えようとは考えてはいけません」


「ヴァルゴ......」


「お嬢様にも確固たる自分のルールをお持ちの通り、この学園でも学園のルールが存在します。外部では異常と思われても、内部では普通のことです。少し価値観が違うから徹底的に変えるのは、内部に居る人たちを貶める行為に等しいです。国も同じです。様々な伝統・文化があってこそ世界は廻っています。もしルールを変えたいのなら、ルールを押し付けられた人たちが中心になって解決するしかありません。私たち外部の者は、どこまで行っても外部の人。外部の価値観を押し付ければ、内部で人々にルールを押し付けていた者と一緒」



「......そうだね」


「もしも、内部の者たちが全員外部に助けを求めているなら、()()()()()()()()、です」


「分かった。()()()は遠慮せず倒すわ」


「ま、アシリアが女学園を仕事で行き来し、お嬢様に事態の深刻さを伝えていない時点で問題ないかと」


「アシリアはちゃんと理解()ているからね」



リーナが虐められる事態に発展した場合、主は問答無用で学園を破壊する。超越者しかいないユミナ軍団は世界を崩壊させるために世界を支配するだろう......


リーナ以外にも被害を受けた従者がいるなら壊す事を厭わない主。


魔王ルート。そんな未来があるのかな~


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