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ソロプレイ中に人外NPCを助けたら、女型ユニークモンスターだけに囲まれるVR女王に就任した件  作者: 麻莉
シーズン4 悪魔は嗤い、被造物は踊る 【1章:アグネス女学園の乙女生活】
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衝撃的な現場を、嫁は見逃さない

連続投稿2話目

 ボルス城の玉座の間。私と従者が勢揃いしている。


「と、言うわけで私、アグネス女学園に入学して行方不明の女子生徒たちを救出してくるね!!」



「「「「「「断固拒否します!!!!」」」」」」



 うん即答。予想通りの展開。嬉し涙が出るよ。


「お嬢様が女学園に行けば、廃校になります」


 酷くない、ヴァルゴさん。


「廃校は言い過ぎです。せめて休校です」


 休校も言い過ぎだけど、アリエスさん。


「ま、私乗り気じゃないよ。フレンドの頼みだし、借りをつくるのもアリかなって~」


 心配性の従者たち。


「じゃあ......何人か一緒に行く? 私の監視を兼ねて」


 燃える従者たち。表面温度6000度(くらい)〜?


「今回は3人ね!!」


 私の連れていくおトモ人数が判明された瞬間、大戦争が勃発。周りは全て敵。信じられるのは自分とユミナ様だけ。かつてない戦いは激化。戦火は広がるのだった。


















【ワゾー】の街中を歩く一団。


「まさか三日三晩戦闘が続くとは」


 私の言葉にヴァルゴ()カプリコーン(専属執事)リーナ(王族)は照れ顔していた。


「「「いやぁ~ 照れます!!!」」」


「............一ミリも褒めてないけど」








 ◆◇◆◇◆


 坂道と霧を抜ける。


「到着~!」


 アグネス女学園の正門にたどり着いた私たち。

 正門から入ると入学クエストが解禁。後は指定の会場で実力を試験官に示せば女学園の生徒になれる。


「良しッ! しゅぱ......!!?」


 門を開けるタイミングで、自動的に門が開く。


 正門が全開する。女学園の方から馬の足音。どうやら馬車が正門から外に出るみたいだ。私たちは邪魔にならないように移動した。



「「あっ!?」」



 豪華な荷台を引く馬。馬車の窓から女の子が私を見た。同時に偶然窓が開き誰が乗っているか見たく視線を変えていた私。乗っていた女の子に見覚えがある。




 見つめ合う私たち。


 運命の出会いが始まる、学園モノのプロローグみたいだ。桜が咲けば尚良しッ!





 しかし現実は甘くない。ゲーム内だけど......






 馬車が止まる。勢い良く扉が開く。

 女の子が降りた。次の瞬間、刹那的速さで女の子は私の前に立っていた。




「お゛い゛っ!」




 ドスの聞いた声。女の子が出していい声質ではない。


「何故()()()がココにいる」


 遂に”ユミナ”から”オマエ”にネームダウンしてしまった。ちょっと傷ついた。倦怠期に突入したか、私たち。


 胸ぐらを捕まれ、前後に身体を降られた。()からは逃げれない。




「アァアァアシシシィイリリリィアァァァァ、落、ち、着、い、てぇええ!!」




 私の言葉を聞かない聖女アシリア。『オニキス・オンライン』のアイドル的ポジションのユニークNPCで、私の嫁。リアルで『アシリアは俺の嫁』とか言えるの(ユミナ)くらいだろう。リアルじゃなくてゲームだった、アハハ〜!


 アシリアは絶賛興奮気味。掴む力が徐々に増していく。


 首がモげる......ッ!


「ユミナに知られないように細心の注意を払っていた......なのに」


 私に知られたくない?


「このアグネス女学園は貴族の令嬢のみが通っている学校です。純潔保ち、穢れを知らぬ生娘たちです」


 仮にも聖女。純潔とか生娘は言っちゃダメじゃない


「そんな女の園にユミナが行けばどうなるか」


 レベル100オーバーの私を持ち上げる。マジですか!!?



「ヴァァァァァルゥゥゥゴォォォオオオ!!! 助けてェエエ!!」


 投げ飛ばされた私。落下地点にはヴァルゴがスタンバイ済。


「大丈夫ですか、お嬢さま」


「目が廻るよ~ オロロッ」


 ヤバい、吐きそう......


 カプリコーンとリーナがアシリアを宥める。

 最終的にカプリコーンがミカエルに、リーナが真祖吸血鬼を解放して暴走状態のアシリアと対峙した。



 うわぁ~ 大天使と吸血鬼姫が武闘家兼聖女ちゃんと大乱闘してる......




 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 理事長室に案内された私たち。

 興奮が冷めたアシリア。しかし未だにご機嫌斜め。


「ねーえ。そろそろ機嫌治してよー」


「ユミナが抱きしめても怒りは治まりません」


 現在嫁のアシリアちゃんは私の膝に乗ってる。私は後ろからアシリアの細い身体を抱きしめている。


「胸揉んであげるから」


「ここでは、結構です!!」


 ”ここでは”か。了解でーす!



「私たちは友だちから学園で起こってる事件を解決するために来ただけ」


「それは、この数分で何十回も聞きました」


「だったら......」


「事件解決のために行うことは?」


「調査だね」


「自力で?」


「勿論自力の方法はあるけど、あとは現地人から情報収集かな~」


「現地人。女学園なら聞くのは女子生徒ですね」


「まあ、そうなるね」


 後は教師陣かな。


「まだわからないのですか」


 アシリアの意図は理解できる。


「......分かるけど、アシリアの考えすぎだよ」


「果たしてどうですかね」


 えぇ、何それ。怖いよ......


「ユミナは自覚を持ってください。無自覚に女性を魅了するご自身に」


「は、はぁ~」


「ユミナに骨抜きになった令嬢がどうなるか分かりますか?」


「いえ、わかりません」


「アグネス女学園を卒業する令嬢たちはいずれ大貴族の男性と婚姻を結びます。子を成し、跡取りを教育します。良・い・で・す・か!」


 アシリアの興奮が再び最高潮に。


「ユミナの事が忘れられない女子生徒が多いと、それだけ異性に興味がなくなります。各街の貴族が存続できなくなり、最後はスラカイト大陸が滅亡します」


「.........はい」


「阻止するために情報操作していたのに」


 ごめんなさい...本当にごめんなさい......


「しかしこのような事態に発展してしまった以上、致し方がありません」


 私の腕を退かし立ち上がる。視線を座ってる私に向ける。顔にはアシリアの細く綺麗な指が。天を向く人差し指。後ろに見えるアシリアの顔はムスッとした表情だった。


「学園に入ることを許可します。女子生徒に話しかけることも許します。しかし相手に思わせ振りな言動は避けてください。ユミナとヴァルゴは特に」


 突然自分が名指しされ驚くヴァルゴ。


「私もですか!?!?」


「ヴァルゴはユミナ同様油断できない人です。ご自分の妖艶な容姿が危険物と認識してください」


 危険物は酷くない。ヴァルゴの扱いに資格取得試験は必要ないよ。何故なら私が所持しているのだ!!


 仁王立ちするアシリアちゃん。


「分かりましたか」


 圧が凄い......誰も逆らえない。

 アシリアの凄みに負け自然と正座になる私とヴァルゴ。



「「はい」」



アシリアにとって。ユミナとヴァルゴは。

歩く無自覚欲情大魔人(モンスター)と闊歩する無自覚妖艶大怪獣(モンスター)


因みにアシリアちゃんはお仕事でアグネス女学園に行ってます! 隔週で~



ちょっと明日がわからない状況なので、今日載せます~



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