おつまみ探しと邪龍?と配信?? その12
サブタイのサブタイ
女神降臨
なんなの、コイツの防御力ッ! あの攻撃で倒されない。いや倒せていたかもしれない。捕食者の影爪プラス星王の創造のコンボ。流石に無傷ではない。その証拠に臥怒れ邪悪龍の身体の損傷は激しい。
「咄嗟に地中に潜ったのか」
しぶといにも限度がある。鱗の強度以上の攻撃をまともに受ければ自分が死ぬ。飛行するタイミングもない。なら地中に逃げればいい。とでも考えたのだろう。
首をコキコキ鳴らす。
臥怒れ邪悪龍が飛び出す。更に速くなってる!?
振り下ろされた鋭い爪。
「ありがとう、レオ!」
瞬時にレオが私と杢蔵を抱き抱えてくれた。おかげで直撃は回避できた。地面は切り裂かれた。同時に発生した風塵による影響で三人、再び空へ飛ぶ。
「マジかよっ!」
距離をつめる臥怒れ邪悪龍。ブレスの準備が出来ていた。
吐き出す瞬間に臥怒れ邪悪龍の攻撃はキャンセルされた。
「フェーネ!」
フェーネの雷撃が臥怒れ邪悪龍に当たる。麻痺による硬直で動けずにいる。
「邪魔な羽虫だぁああッ!」
臥怒れ邪悪龍の左腕は他の部位よりも早く硬直が解けていた。腕を振り払うモーションが発生。爪の先に掠り、風圧でフェーネの身体は遥か上空へ。
「きゃあぁあああ!!!」
「フェーネェエエエ!!! あっ!」
「よそ見するな、と言ったよな」
レオは私たちを抱えている。武器を取り出せない。体勢が整っていないから足での防御もできない。杢蔵の武器は弓。どうしても弓を引く範囲が必要になる。
指に力を入れ、星刻の錫杖を装備。
「死ねぇええええ!!!!!!」
「『輝を射抜け、真なる青よ』」
臥怒れ邪悪龍の拳に魔法攻撃が掠る。位置がズレた拳。それでも攻撃はキャンセルされない。私たちを叩き落とす拳攻撃を喰らう。
星刻の錫杖で防御。振り下ろされた拳のパワーには勝てない。まともに喰らってしまう。大地に勢いよく叩きつけられた。
「くっ!」
無理矢理体を起こす。
「.........『回復・神』。『月光からの愛』、【簡易の偽月】」
三人のHP・スタミナ・空腹度・体内水分量、MPは全回復。消費された【EM】も回復中。
「はぁ......はぁ......はぁはぁ...............」
歯をくいしばる。身体は疲労がのし掛かる。声を出そうにも喉は手で押さえつけられた感覚。上手く出せない。か細い呼吸で、従者を呼ぶ。
「レ、レオぉおお!!」
身体に鞭を打ちながら走る。
星刻の錫杖をしまう。覇銀の襟飾を引き抜く。真祖の吸血鬼になった私。
「吹っ飛んだ妖精を助けろよ!」
レオが出した手を足場にする。
「勿論! こっちは任せた!」
持ち上げられる身体。フェーネがいる方角に向けて飛ばされた。
「強くとばしすぎたな〜」
一瞬にしてユミナの身体が見えなくなった。
「あの羽虫のために無駄なことを」
レオと杢蔵を見下ろす臥怒れ邪悪龍。
「無駄を決めるのはオレの主だ。それに......フェーネを甘く見ないことだ」
「グハハハハッ! いくぞぉおお!!」
「主からの命令だ。『接触禁止』」
雌ライオンの身体は消える。頭部以外が人間の女性へ変貌を遂げる。服装は一言で言えば高貴。純白のスパンコールドレスは現代で発見された古代エジプトの服飾に酷似してる。首にも腕、二の腕などに黄金のアクサセリーが付いている。
「スコーピオンと似ているから好きじゃねぇんだよな〜」
レオの姿に杢蔵は見惚れていた。
「あ、あのレオお姐様!」
「......アクエリアスみたいな呼び名だな。どった?」
「頭部はそのままなのですね」
頭部以外は抜群のプロポーション。初めて見た人は疑問に思うだろう。
「あー。これ被り物」
レオは頭部を持ち上げる。本当だった。少しズレた。雌ライオンの被り物だ。
「悪いけど、ユミナ以外に顔は見せないようにしてるんだ」
雌ライオンの被り物を元の位置に戻る。
星希の皇望剣と星未の戦来斧を構える。
臥怒れ邪悪龍の顔は狂喜に満ちている。
「これほどの存在に出会えるとはなぁああ!! 嬉しいぜぇええええ!!!!!!!!」
愉快そうにレオに攻撃を仕掛ける。
「オレはちっとも嬉しくねぇ。さっさと肉を寄越せ!」
現代に顕現した女神と悪しき邪龍がぶつかり合う。
『回復・神』
・回復魔法
効果:HP・スタミナ・空腹度・体内水分量を全回復。




