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厄除け串団子は激戦品。その3

サブタイのサブタイ

竹串を寄越せッ!!


次話、16時くらいに更新します!(今日1話目)

 お前ら高らかに『ユミナ様の為に』とかほざいてるが、自分の事で頭がいっぱいだろ?

 私に如何にして【愛成就の饅頭】を食べさせる脳内シミュレーションしてるな、絶対に。

 わかるよ、みんな私の従者だからね〜 考えは手に取るように分かる。


 敢えて言いたい。


 脳みそ腐ってるだろぉおおおおお!!!!!!!!!!


 ここで暴言を吐けば、今度こそみんなが撃沈する。だから口には出さない。

 無駄な事にメモリにくわすな。高性能なAIも変な事を学習すればバカになる。理解したよ、まったく......



 私は自然と口角が上がる。


 ハァ〜 もう......本当にバカなんだから!



「みんな!」


 全員が私の方へ身体を向ける。


「そこまで言うなら証明してよ。自分たちが役に立つことを」


「「「「「はい!」」」」」


 主からの命令。従者たちはかつてない程やる気に満ちている。



「じゃあ私は一人で......」


「待ってください! お嬢様は私と、です」


 ヴァルゴは私の腕を掴み、そう言った。


「何故に?」


 小声で話しかけるヴァルゴ。


「みんな、素材集めと一位の賞品に思考が移っています」


 妖しい笑みを浮かべる。

 ま、どうせ碌でもない考えなのだろう。


「私たちはデートとしゃれ込みましょう!!」


「みんなが私に意識が向かないために、こんなことを......?」


 半眼で見つめる私。


「このまま皆のお通夜状態が長引くと危険です。今日で解消出来れば、と」


「まったくも〜 後で怒られても助けないからね」


「挑む者がいるのなら、丁寧にお相手します。勝つのは当然、私ですが」


 ヴァルゴの行動に納得した後、私たちはイベント開始まで準備を続けた。




 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 和ノ國(わのこく)限定クエスト


 ・《御利益団子は険しい道のりの果てに》


 ・《争いの饅頭を勝ち取れ! 然すれば愛を成就す》


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 私の前にクエスト表示された。


 《はい・いいえ》の決定ボタンが出現。迷うことなく《はい》を押した。








 ◇◆◇


 ブォーン!!


 法螺貝が鳴る。開始の合図だ。【仁王門】の門が開かれる。ゆっくりと重い門が開いていく。全員が緊張と興奮。一人入れる隙間が出来上がった。先頭の者が全速力で駆ける。続く者たち。


「うぎゃあああ!!! 人の波〜」


 あ、人じゃない。妖怪の荒波〜 主のいない百鬼夜行だな......

 一気に妖怪たちが【仁王門】を通過するために続々と進む者たち。影響は後ろにも。後ろから押された。


 格安バーゲンセールをやってるんじゃないのよ〜



「お嬢様、手を」


 既に宙に浮いているヴァルゴ。手を伸ばしヴァルゴの腕を掴む。引っ張られた私。お姫様抱っこされながら【仁王門】を通過。ショートカット成功!


 下を見る。律儀に走る者は足に自信がある者。むしろ私たちと同じように飛ぶ妖怪も一定数いた。

 私の従者たちも各々、単独行動を開始していた。開始1分も満たない時間。早くも天日山は喧しい戦場へ変わっていた。




【仁王門】を通過した私とヴァルゴ。


 一番目の門、【黒竹門】が小さい。まだまだ遠い。【仁王門】から【黒竹門】まで続く道。一本道。左端は砂利道。等間隔に灯籠がずらりと並ぶ。奥へ侵入されないために石垣が設置。切り込みハギタイプの石垣だ。石垣の後ろには幾つもの古風屋敷が見えた。寺もあるから住職担当の妖怪が暮らしているのかも知れない。右端は無数の樹木が立ち並んでいた。全ての樹木が高さ三十メートルを誇るモノばかりだった。




「うん? 竹???」


 道は石でできていた。ただの石でできた道ではない。石を畳のように敷き詰めた石畳。一つ一つちゃんと長方形に加工されており、大理石のように磨かれ美しい敷石だった。


 そんな敷石に刺さっている竹が大量に配置されていた。何の変哲もない普通の緑色の竹だった。




「奇妙ね〜」


 地面から成長した竹ではない。後から石畳に竹が突き刺さっている状況だ。


「あれが試練の一つですね」


 慣れた手付きで竹に殴る、蹴る、斬るなど攻撃を加え始める参加者たち。次第に攻撃に耐えきれず内部から膨らみ始める竹。爆音と共に石畳に刺さっていた竹は消滅した。


「なるほどね〜 あれで『竹串』ゲットか」


 一本の竹が消え去り、地面にはドロップ品として数十本の『竹串』が誕生した。真っ黒な竹串を拾い始める参加者たち。


「ヴァルゴ。やるわよ!」


「畏まりました、お嬢様」


 ヴァルゴは彼岸の星剣(ノヴァ・ブラッド)赫岸の星劍(デモニック・ステラ)を抜く。

 私は婥約水月剣(プルウィア・カリバー)を装備。斬って斬りまくるわ!!


「『双天打ち(ヴィンデミア)』」


「『海女神(テティス)』」


 私が斬り続けた5本の竹。合計50連撃、全てクリティカル攻撃。竹が爆散。


 早速確認!


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 ・【厄に呑み込まれた竹串:状態《呪い》】x100個


 『厄』に晒され、神聖な竹串は呪られた不浄なモノへと変わり果てる。

 現状の竹串を扱う場合、身体が呪いに蝕まれる。

 浄化するには源徳寺の代々巫女たちによって受け継いできた特別な妖術が必要となる。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 なるほど。最後に巫女さんにドロップ品を渡す過程が分からなかった。どうやら、『くし団子』に必要な素材は全て『厄』に影響を受け、呪いのアイテムへと変貌を遂げた。解呪するには頂上にある源徳寺の巫女さんの浄化で解決する。


 イベントにすることで全員が源徳寺に行かないといけない。参加者は浄化された『くし団子』を入手。寺の人たちは参拝者を増やせる。お参りもお守りもついでにやっていく参加者も多いだろう。よく出来たイベントだ。


「大量! 大量!!」


 どうやらただの攻撃よりもクリティカル攻撃の方がドロップする真っ黒竹串が増量するみたいだ。

 黒い竹串を拾い、ヴァルゴに渡す。ヴァルゴも自分で斬り続けて得た竹串をウラニアの指輪に収納。


 ヴァルゴが首を傾げる。


「魔法を発動しないのですね?」


 ギクっ!

 ヴァルゴの質問は的確だ。広範囲の魔法を一斉に発射すれば、効率よく竹串を回収できる。

 なのに私は頑なに双剣で斬り続けていた。


「............燃やしたら終わりだから」


 ヴァルゴは何かを思い出した表情を浮かべる。


「あー『初心しょしん指針ししん』の事ですか。嫌な事件でしたー」


 ヴァルゴは明後日の方角を見ていた。

 私とヴァルゴだけわかる事件。他人には知られたくない黒歴史。


「ねー『初心しょしん指針ししん』のことは禁句でしょう」


 周りにいた従者たちが大量の竹串をヴァルゴのウラニアの指輪に放り込む。

 聞かれてない。ほぉ〜


「大丈夫ですよ。あの時よりもお嬢様の魔法威力調整はできています」


「なんの励ましになってないけど。と、とにかく禁句だからね!」



 上空から大量の竹が降ってきた。全て石畳に刺さる。こうやって空いた石畳に竹が補充されるのか。


 あ! 竹見っけ!! オラァアアア!!!! 串おとせ!!!!




ちゃっかりユミナとデートするヴァルゴさん。

イベント開始まで人目を避け熱い口付けをしていたことは二人だけの秘密。




1本の竹あたりドロップする竹串は通常の日は5本。

クリティカルを出すと、10本になる。

ユミナがイベントに参加した時は縁日のため、さらに増量する。

縁日では1本の竹から20本の竹串がドロップする。


天日山、源徳寺の縁日は毎月15日にある。

普段の縁日でも参加者は5万人程度。今回は女王殿から完走一位の者に特別な品をプレゼント。この情報を得た国民は参加を表明。イベント開始時点では10万人いた。徐々に参加人数が増えていき、【仁王門】前はちょっとしたパニックに直面していた。参加人数推定100万人



《現在のユミナとヴァルゴ》

【仁王門】(スタート地点)

↓ 

↓  ←ここの位置

【黒竹門】

↓ 

【??門】

【???門】

【源徳寺】(ゴール地点)


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